ヨーロッパでの郊外発展の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 19:00 UTC 版)
「郊外」の記事における「ヨーロッパでの郊外発展の歴史」の解説
ヨーロッパでは中世にはSuburbまたはSuburbiaに相当するsuburbiumという概念があった。中世ヨーロッパでは城壁に囲まれたウルブスには貴族や封建領主が居住していた。それが12世紀から13世紀になると城壁の外側に封建領主の支配に属さない商人らが居住するようになった。これらの商人はやがて政治的・経済的な力を増大させて封建領主に対抗するようになり自治都市の形成へとつながるが、これらの商人がもともと居住していた都市周辺の区域がsuburbiumと呼ばれた。中世ヨーロッパのsuburbiumは町はずれ(町の付属地)に形成されたものである(日本の近世の武家地の周辺にあった「町人地」のように「市中の域内にある」とみなされていたものとは異なるのである)。 現代の郊外の系譜のもとになった地域は18世紀ごろに形成され、その典型例はイギリスにみられる。18世紀の近代化とともに商業活動の中心として都市が拡大したが、中心部の過密や建物の老朽化とともに富を得た商人階級は生活の拠点を広々とした郊外へ移すようになり郊外住宅地が形成された。
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