モハ1101(デハ5)の動向
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「東武デハ1形電車」の記事における「モハ1101(デハ5)の動向」の解説
本形式で唯一電車として残存したモハ1101であるが、戦後は鬼怒川線で電機代用として貨物列車牽引に用いられた後、野田線に転属して配給車代用として運用され、さらに1956年(昭和31年)1月より西新井工場の入換車に転用された。その際、外板の老朽化が著しかったことから、車体外板に鋼板を張り付けて簡易鋼体化が施工されている。また、1964年(昭和39年)8月には車内の座席を撤去し、事故復旧用機材を搭載している。入換車として転用されて以降、車体塗装は当時の一般車と同様に変更され、茶色一色、ベージュ地に裾部と窓周りがオレンジのツートンカラーを経て、最終的にはセイジクリーム一色塗りとされていた。 こうして、外板に鋼板を打ち付けた以外は大きな改造を受けることなく車体の基礎構造および外装と主要機器について原形を保ったまま、約25年余にわたって入換用途に専従した同車であったが、東武初の電車であるという貴重性が評価され、東武鉄道創立80周年記念事業として開園した東武動物公園にて展示保存されることとなって1981年(昭和56年)に除籍され、57年に及んだ車歴を終えた。保存に際しては車番を大改番以前のデハ5とし、外観の整備のほか、入換車時代に撤去された車内設備の復元が行われ、往時の姿が再現されている。 その後、東武鉄道創立90周年記念事業として1989年(平成元年)5月に東武博物館が開館したことに伴い、同車も同博物館へ移設され、現在に至っている。
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