メトロ劇場とは? わかりやすく解説

メトロ劇場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/26 16:21 UTC 版)

メトロ劇場
Metro Movie Theater
情報
正式名称 メトロ劇場
開館 1953年4月1日
客席数 116席[1]
設備 ドルビーデジタル
用途 映画上映
所在地 910-0023
福井県福井市順化一丁目2番14号
メトロ会館4階
位置 北緯36度3分48.7秒 東経136度12分59.5秒 / 北緯36.063528度 東経136.216528度 / 36.063528; 136.216528 (メトロ劇場
Metro Movie Theater
)
座標: 北緯36度3分48.7秒 東経136度12分59.5秒 / 北緯36.063528度 東経136.216528度 / 36.063528; 136.216528 (メトロ劇場
Metro Movie Theater
)
アクセス 福井鉄道福武線福井城址大名町駅から徒歩約2分
外部リンク https://fukuimetro.jp/
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メトロ劇場(メトロげきじょう)は、福井県福井市順化にある映画館ミニシアター[1]。飲食店やスナックなどが入居する商業ビル「メトロ会館」4階にある[2]

特徴

1955年頃のメトロ劇場

日本劇場(1950-1953)

福井市の繁華街である「片町」と呼ばれるエリアにある[2][3]1950年[1]昭和25年)2月1日、現在地に日本劇場が開館した[注釈 1]

メトロ劇場(1953-)

1953年[3](昭和28年)4月1日に日本劇場を引き継いでメトロ劇場が開館した[1][5][6]。当時は木造2階建てであり、座席数は500席を有していた[6]。当時の福井市内には8館の映画館があり、メトロ劇場は洋画ロードショー館として開館したが[5][6][7][8]、その後成人映画のロードショー館に移行した[8]

1971年(昭和46年)春、のちに3代目館主となる根岸義明がメトロ劇場の仕事を手伝うようになった[5][6][7]。この時期に木造2階建ての建物を取り壊し、現在も使用されている鉄筋コンクリート造4階建てのビルが建てられた[6]1973年(昭和48年)頃にはロードショー公開を終えた作品を上映する名画座(二番館)に転向[5][8][注釈 2]

1997年平成9年)8月に改装を行い、126席を117席に減らし、前方には2人掛けのソファ席を設置した[6]。この改装時からはアート系作品を主とするミニシアターとなった[6]2000年(平成12年)にはチラシ以外の手段で上映作品を紹介するために公式ウェブサイトを開設した[9]2013年(平成25年)には開館60周年を迎えた[7]

2016年(平成28年)、根岸義明が死去し、根岸輝尚[3]が4代目館主となった[1][10]。根岸輝尚は東京でシステムエンジニアとして働きながら、東京と福井市を往復してメトロ劇場の経営を行っており、自身はメトロ劇場の経営で収入を得ていない[10]

特色

メトロ劇場は大手配給会社の直接的な影響を受けない独立系映画館である[11]。メトロ劇場の南側すぐの場所には福井シネマもあったが、福井シネマは2018年(平成30年)に閉館した。

上映作品

1978年(昭和53年)からはATGなどアート系作品を中心に、観たい作品のアンケートを観客から募って上映している[7]。3代目館主の根岸義明は神戸大学を卒業しており、兵庫県神戸市にあった名画座「ビッグ映劇」で行われていた取り組みを参考にしたのである[5]。2000年(平成12年)時点では1か月間に長期上映作品2本と短期上映作品4本を上映していた[9]

現在の上映作品は来場者からのアンケートを基に選定している[6]。上映作品はアート系作品・B級作品・名作映画まで幅広く、2012年(平成24年)-2013年(平成25年)頃にはアカデミー作品賞受賞作の『アーティスト』から社会派ドキュメンタリーの『死刑弁護人』まで多彩な作品を上映した。2011年(平成23年)3月11日東日本大震災後には原子力発電所に関する作品を数多く上映している[11]。毎年8月は「平和を考える月」としており、戦争平和が主題の作品を多く上映している。2-3週間程度で上映作品を変えている[11]

観客

2019年(平成31年)1月時点では観客の高齢化が進み、中高生の観客はほとんどいないとされる[10]。2019年1月時点では「勤労招待券サービス」を行っており、学生が1-2時間ほど館内の清掃などをすれば招待券をプレゼントしている[10]。館内には「メトロシネマノート」が置かれており、来場者からの感想とリクエストが書かれている[6]

基礎情報

脚注

注釈

  1. ^ 当時の新聞報道では、「N劇場」と匿名の形ながら、"設備が未整備と指摘を受け開館が危ぶまれていたが、特別に旧正月の興行を許された"とある[4]
  2. ^ 『新修福井市史』では、1971年にロードショーを終えた作品を上映する再映館に転向したと記載されている。

出典

  1. ^ a b c d e f “老舗映画館メトロ劇場が改修、刷新へ 福井県内外にファン、音響にこだわり”. 福井新聞ONLINE. (2021年2月2日). オリジナルの2021年2月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210203141533/https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1253357 2021年7月19日閲覧。 
  2. ^ a b “映画パラサイト上映、老舗の手腕 メトロ劇場、1年前から作品着目”. 福井新聞ONLINE. (2020年2月23日). オリジナルの2020年10月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201001193228/https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1034732 2021年7月19日閲覧。 
  3. ^ a b c d “福井のミニシアター、コロナ禍の苦境 イベント集客図る”. 朝日新聞デジタル. (2021年6月11日). オリジナルの2021年6月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210611154222/https://www.asahi.com/articles/ASP6B6T2RP61PISC009.html 2021年7月19日閲覧。 
  4. ^ 「エビス顏の映画館 商店街は背負い投げ食った形 旧正月の表情」『福井新聞』1950年2月2日、2面。
  5. ^ a b c d e 館主さんを訪ねて 第22回「メトロ劇場」 日本映画映像文化振興センター
  6. ^ a b c d e f g h i メトロ劇場 港町キネマ通り
  7. ^ a b c d 「この人に聞く メトロ劇場館主・根岸義明さん」『朝日新聞』2013年2月13日[要ページ番号]
  8. ^ a b c 『新修福井市史 市政80年福井市政史 II』福井市、1976年9月1日、730頁。 
  9. ^ a b 「HP開設や情報紙 映画館が新サービス 福井のメトロ会館など 駐車場の割引も」『中日新聞』2000年2月7日[要ページ番号]
  10. ^ a b c d 「『映画の未来へ』単館奮闘 福井『メトロ劇場』館主・根岸さん」『朝日新聞』2019年1月30日[要ページ番号]
  11. ^ a b c 「ふくい時の人 映画館『メトロ劇場』の館主 根岸義明さん(64)=福井市 考える材料届けたい」『中日新聞』2012年8月19日[要ページ番号]

関連項目

外部リンク


メトロ劇場(1953-)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/19 14:11 UTC 版)

「メトロ劇場」の記事における「メトロ劇場(1953-)」の解説

1953年昭和28年4月1日には日本劇場引き継いでメトロ劇場が開館した当時木造2階建てであり、座席数500席を有していた。当時福井市内には8館の映画館があり、メトロ劇場は洋画ロードショー館として開館したが、その後成人映画ロードショー館に移行した1971年昭和46年春には、のちに3代目館主となる根岸義明がメトロ劇場の仕事手伝ようになった。この時期木造2階建ての建物取り壊し、現在も使用されている鉄筋コンクリート造4階建てのビル建てられた。1973年昭和48年)頃にはロードショー公開終えた作品上映する名画座二番館)に転向1997年平成9年8月には改装行い126席を117席に減らし前方には2人掛けソファー席を設置した。この改装時からはアート系作品主とするミニシアターとなった2000年平成12年)にはチラシ以外の手段上映作品紹介するために公式ウェブサイト開設した2013年平成25年)には開館60周年迎えた2016年平成28年)には根岸義明が死去し根岸輝尚が4代目館主となった根岸輝尚は東京システムエンジニアとして働きながら、東京福井市往復してメトロ劇場の経営行っており、自身はメトロ劇場の経営収入得ていない。

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