ムカサリ絵馬
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ムカサリ絵馬(ムカサリえま)とは、民間信仰による風習の一つ。山形県の村山地方や[1]、置賜地方にかけて行われている[2]。ムカサリは「迎えられ」からくる結婚の方言[1][3]。嫁に迎えて去ることからこう呼ばれる。元々は婚姻していない男性を供養して半人前の状態から一人前の状態にするという親心が動機になっていると歴史学者の佐藤弘夫は説明している[2]。供養の対象となるものには研究によって差異があるものの、未婚の死者であることが多数を占める[4]。
注釈
出典
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- ^ 金田 2010, p. 150.
- 1 ムカサリ絵馬とは
- 2 ムカサリ絵馬の概要
- 3 起因
- 4 研究史
- 5 参考文献
- 6 関連文献
ムカサリ絵馬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 06:11 UTC 版)
江戸時代より山形県の村山地方のみで行われ、死者を悼む純粋な気持ちから生まれた風習である。鎮魂の儀式として故人のために伴侶と一緒に婚礼の絵が描かれて奉納される絵馬。亡くなった人物の伴侶は想像でなければならず、絶対に実在の人物を描いてはいけないという決まりがある。何故なら、現実に生きている人物を描いてしまったなら、その人物は呪いにより冥界に連れて行かれると言われている。作中では実際に「ムカサリの呪い」が発動した。
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