マーケティング契約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 18:10 UTC 版)
「2015年FIFA汚職事件」の記事における「マーケティング契約」の解説
アメリカのスポーツ用品大手のナイキが、アメリカ司法省の捜査対象として浮上した。それは、1994年のFIFAワールドカップアメリカ大会の直後に、「世界で最も人気のあるスポーツの世界に真の足がかりを築きたい」と感じていたナイキの幹部は、ブラジルサッカー連盟からスポンサーの契約を取ろうに活動した結果、1996年に2億ドル(日本円でおよそ250億円)の10年契約を結んだ。 起訴状によれば、そこに書かれているのは「スポーツ用品企業A」で、その「スポーツ用品企業A」が1996年にブラジルサッカー連盟との間で共同スポンサーに加え、「フットウエア、アパレル、アクセサリー、用具の独占的サプライヤー」になるという契約を10年という期間で交わしていて、さらに、起訴状では、その契約から3日後に、このナイキの関係者は「トラフィック・ブラジル」というスポーツマーケティング代理店と、追加でマーケティングの手数料を請求するという契約を交わしていて、このトラフィック・ブラジルでは、1996年-1999年の間に「スポーツ用品企業A」に3000万ドルを追加請求していて、その一部が贈賄やリベートに使われていた。ナイキはブラジルでスポンサー契約を確保するため、「トラフィック・ブラジル」と呼ばれる同国サッカー連盟のマーケティング仲介業者と交渉というそれ以外の方法がなかった。 トラフィック社のオーナーのホセ・アビラ(英語版)は、この事件の捜査でマネーロンダリングや詐欺、恐喝の罪を認めている。 また、2001年にブラジル議会で行われたこの契約に関する審議の議事録では、この契約の場合、ナイキはトラフィック社に対して報酬を支払うことについては求められないと記してあった。この契約では、スポーツウエア・カンパニーAが10年で1億6000万ドルを支払うことになっていたが、起訴状では、「スポーツウエア・カンパニーA」は、スイスに銀行口座を持つトラフィックの関連会社に対して、4000万ドルの追加報酬を支払うことに合意した」という契約の内容が記してあった。この契約が締結された3日後、「カンパニーA」の代表はトラフィックに対して、「ブラジルサッカー連盟はカンパニーAに直接送り状を送付する権限をトラフィックに与えた」という別の契約を結んだ。 ナイキでは、2015年5月28日の時点で「当局に協力する」を言う声明を出したが、2015年5月29日に出された声明では「起訴状には当社が犯罪行為に関与したとの主張はない」としている。 2015年6月12日付のアメリカのウォール・ストリート・ジャーナルが伝えているところによれば、ブラジルサッカー連盟とナイキとのスポンサー契約の下での支払いで、「不正行為の可能性を示す証拠」が発見されたという事で、アメリカ当局が捜査していることが分かった。 2015年7月17日、ロイター通信はアメリカの証券取引委員会がFIFAとスポンサー契約を結んでいるナイキなどについて、賄賂の授受がなかったか調査しているという風に伝えた。これは、「外国政府関係者への賄賂を禁じる」というのを設けた「連邦海外腐敗行為防止法」の違反について調査していると思われる。
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