マヤ族とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > マヤ族の意味・解説 

マヤ‐ぞく【マヤ族】

読み方:まやぞく

Mayaメキシコ南東部ユカタン半島からグアテマラ・ホンジュラス・エルサルバドルにかけて居住する民族集団。前4世紀ごろから農業背景興隆し、ピラミッド神殿建造し象形文字用い天文・暦法を高度に発達させた。3〜9世紀にかけて全盛現在の人口は約200万人。→マヤ文明


マヤ人

(マヤ族 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 16:46 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
マヤ人


総人口
推定 700万人 [1]
居住地域
エルサルバドル, メキシコ, グアテマラ, ベリーズ, ホンジュラス
言語
マヤ語, スペイン語, クレオール語英語版, 英語
宗教
キリスト教(主にカトリック, 一部はプロテスタント), マヤの宗教英語版
マヤ系の言語が使用されていた歴史上の領域

マヤ人(マヤじん、マヤ系先住民族)とは、メキシコ南部から中央アメリカ北部にかけての地域に居住するアメリカ州の先住民族である。ただし、"マヤ"というまとまった一つの民族として存在しているわけではなく、文化言語の一部を共有する、異なる多くの集団、社会、エスニックグループを総称したもので、それぞれは彼ら自身の伝統、文化、歴史的なアイデンティティを保持している。

この地域に居住しているマヤ人の人口は、21世紀初頭では700万人と推定されている[1]グアテマラ、メキシコ南部とユカタン半島ベリーズエルサルバドル、それにホンジュラス西部に大きな共同体が存在しており、今も古代の文化が多く継承され残っている。多数派のメスティーソのスペイン文化に大きく影響を受けつつも、そこから離れた伝統的な生活を続け、しばしば主要な言語としてマヤ語族の言語を使用する。

ユカタン半島

現代のマヤ人で最大のグループはメキシコのユカタン半島に存在する。彼らの一般的なアイデンティティは彼ら自身を単純に"マヤ"とするものである(西グアテマラの高地の人々とは異なり)。彼らが話す言語を人類学者は"ユカテコ語"と定義するが、話者はこの言語自体も"マヤ"と呼ぶ。マヤの話者は、一般的にスペイン語第二言語母語として用いる。

ユカタン半島のマヤ人が最初にヨーロッパ人と遭遇したのは、1511年スペイン難破船の生存者が浜辺に打ち上げられたときだった。その後は、1517年コルドバ1518年グリハルバ1519年にはコルテスによる遠征を受け、最終的に1542年、ユカタン半島のマヤ人はスペインの支配を受けることとなった。

チアパス

メキシコのチアパス州の主要なマヤ系民族はツォツィル族ツェルタル族英語版である。この二民族の先祖は紀元後400年頃に高地に移動し、現在のサン・クリストバル・デ・ラス・カサスの山間部を開拓したと推定されている[2]

タバスコ

メキシコのタバスコ州には、チョンタル族英語版が居住している。

ベリーズ

ベリーズのマヤ人口は、カヨ郡, トレド郡英語版、それにオレンジウォーク郡英語版で集中しているが、それ以外の地域では散在している。彼らはユカテコケクチモパンの三つに分かれている。

グアテマラ

伝統的な衣装に身を包んだグアテマラのアティトラン湖周辺の女性

グアテマラでは、西部の高地に伝統的で大きなマヤ共同体が存在している。バハ・ベラパス県キチェ県トトニカパン県ウェウェテナンゴ県ケツァルテナンゴ県、それにサン・マルコス県では、人口の大部分をマヤ人が占めており、多くのマヤ語系言語が日常的に話されている[3]

グアテマラ政府は言語によってマヤ人を21の民族に分けている。特に多いのがキチェ族で、グアテマラの人口の11%を占める。ほかにケクチ族カクチケル族マム族の人口が多い[4]

グアテマラ内戦中(主に1980年代はじめ)には、貧しいマヤ人をゲリラのシンパとしてグアテマラ軍が虐殺し、多くのマヤ人が国外に逃亡した。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b FRIENDS OF THE MAYA - A new organization!” (英語). 2009年3月9日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年11月8日閲覧。
  2. ^ マイケル・D・コウ加藤泰建長谷川悦夫 訳『古代マヤ文明』創元社、2003年、39頁。ISBN 4-422-20225-1
  3. ^ http://www.inforpressca.com/municipal/mapas_web/guatemala.php
  4. ^ Caracterización República de Guatemala. INE. (2011). https://www.ine.gob.gt/sistema/uploads/2014/02/26/L5pNHMXzxy5FFWmk9NHCrK9x7E5Qqvvy.pdf  (スペイン語)

参考文献

  • Chiappari, Christopher L. (2002). “Toward a Maya Theology of Liberation: The Reformulation of a "Traditional" Religion in the Global Context”. Journal for the Scientific Study of Religion 41 (1): 47–67. doi:10.1111/1468-5906.00099. 
  • Grube, Nikolai (2006). “Maya Today - From Indios Deprived of Rights to the Maya Movement”. In Nikolai Grube (Ed.). Maya: Divine Kings of the Rain Forest. Eva Eggebrecht and Matthias Seidel (assistant Eds.). Cologne: Könemann Press. pp. 417–425. ISBN 3-8331-1957-8. OCLC 71165439 
  • Mooney, James, Herbermann, Charles, ed. (1913). "Maya Indians" . Catholic Encyclopedia. New York: Robert Appleton Company.
  • Restall, Matthew (1997). The Maya World. Yucatecan Culture and Society, 1550-1850. Stanford: Stanford University Press. ISBN 9780804736589.
  • Riis-Hansen, Anders (1992年). “Interview with Rigoberta Menchu Tum”. Commission for the Defense of Human Rights in Central America (CODEHUCA). 2006年7月3日閲覧。
  • Warren, Kay B. (1998). Indigenous Movements and Their Critics: Pan-Maya Activism in Guatemala. Princeton: Princeton University Press. ISBN 978-0-691-05882-5 

関連項目


マヤ族

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 08:36 UTC 版)

ナイト ミュージアム」の記事における「マヤ族」の解説

インカ帝国再現したジオラマミニチュア人形吹き矢ラリー攻撃する

※この「マヤ族」の解説は、「ナイト ミュージアム」の解説の一部です。
「マヤ族」を含む「ナイト ミュージアム」の記事については、「ナイト ミュージアム」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「マヤ族」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「マヤ族」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マヤ族」の関連用語

マヤ族のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マヤ族のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマヤ人 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのナイト ミュージアム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS