ポート共有実験装置 (MCE)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 04:28 UTC 版)
「きぼう」の記事における「ポート共有実験装置 (MCE)」の解説
ポート共有実験装置(Multi-mission Consolidated Equipment:MCE)は、2012年にHTV3号機で打ち上げられ、船外実験プラットフォームのEFU#8に設置された。MCEは、比較的小型の5つのミッションをひとつの実験装置に混載し、ポートを共有して実験・観測を行う実験装置である。その後、2015年9月にHTV5号機で回収され大気圏再突入時に廃棄されている。 地球超高層大気撮像観測 (Ionosphere,Mesosphere,upper Atmosphere, and Plasmasphere mapping:IMAP) - 高度80km以上で発生する光学現象の大気光とプラズマ共鳴散乱光を可視光線、近赤外線、極端紫外線の3つの波長域で観測し、カーマン・ライン近辺での擾乱の物理機構を明らかにする。 スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサー (Global Lightning and Sprite Measurement Mission:GLIMS) - CMOSカメラ、フォトメーター、VHF干渉計、VLF受信機などが搭載されており、これらを用いて雷放電とスプライトの観測を行う。 宇宙インフレータブル構造の宇宙実証 (Space Inflatable Membranes Pioneering Long-term Experiments: SIMPLE) - インフレータブル構造(気体の内圧を用いて風船状膜材を膨らませる超軽量の空気膜構造物)を、宇宙空間での長期運用で技術実証を行い、基礎データを取得する。 EVA支援ロボットの実証実験 (Robot Experiment on JEM:REXJ) - 宇宙飛行士の支援を行う「有人宇宙活動支援ロボット(Astronaut Support Robot:Astrobot)」の技術開発の一環として、伸縮自在のロボットアームとテザーを用いた空間移動の技術実証を行う。 船外実験プラットフォーム用民生品ハイビジョンビデオカメラシステム (Commercial off - the - shelf high Definition TV Camera - Exposed Facility:COTS HDTV-EF) - 国際宇宙ステーションに民生品ハイビジョンビデオカメラを宇宙空間に曝しての実証実験で、地球の200km×350kmの範囲の動画・画像を撮り、宇宙線によるCMOS撮像素子の損傷具合などを調べ、市販の民生品を宇宙利用できないか検証する。
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