ブローバックガスガン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 17:10 UTC 版)
「エアソフトガン」の記事における「ブローバックガスガン」の解説
発射の際にガスの圧力で遊底が後退し、オートマチック式の実銃のブローバック機構同様、自動的に次弾の装填を行う。現在では弾丸の発射とブローバックを一つの機構で行うものが主流。 遊底後退後に発射するアフターシュート、後退中に発射するミドルシュート、後退前に発射するプレシュートの3種類がある。ブローバック機構にもガスを消費するため、フィクスドガスガンより燃費は悪い。多くのエアガンメーカーが発売しており、さまざまな機構でブローバックをさせている。 初期にブローバックメカと呼ばれた物は、スプリングの力で遊底が後退し、ガスの力で前進するものだった。この方式の場合、弾が残っていてもガスが無くなると遊底が後退したままになってしまう。 アフターシュートでは1991年に発売されたMGC製グロック17が、日本初の実用ブローバックガスガンとなる。アフターシュートはスライドが後退してから発射しているため、ブローバックの反動により着弾位置が影響を受ける。この問題を解決したものとして、プレシュート方式がある。 プレシュートは、BB弾発射からブローバックにガスの流れる方向を変える方法の違いから、BB弾の有無でガスの流れを切り替える弁を有する強制閉鎖式と、ガスの圧力でガスの流れを切り替える弁を利用する負圧式の2種類がある。前者としてはウエスタンアームズのマグナブローバックやKSCのエクセレントピストンユニット、後者としてはタニオ・コバのコバアクセル方式やマルゼンのアドバンスシュートシステムがある。ただし、完全なプレシュートブローバックはウエスタンアームズの特許に抵触するため、マグナブローバック以外はBB弾発射時にもブローバック側にガスを流す、「プレシュート寄りのミドルシュート」となっている。 強制閉鎖式と負圧式の性質の違い ブローバック機構の性質強制閉鎖式負圧式ガスの流れる方向の切り替え早い 遅い ブローバックの瞬発力高い 非常に高い 切替機構が薬室のBB弾に与える圧力あり なし 薬室に要求されるBB弾の保持力強い(弱いと弁に押されてこぼれる) 傾けても弾がこぼれない程度で済む カスタムパーツによるパワーアップパーツ単品でも効果が出やすい パーツ単品では効果が出にくい ガスの使用効率良い 悪い 負圧式は原理上、ブローバック機構そのものがリミッターとして働くため、外部ソース化した際に威力制限を行いやすい。 ユースエンジニアリング製のMP5のようなSMGやショウエイのMG42など、「長物」と称されるジャンルの銃においては反動を大きくしてブローバックの迫力を再現するため、ミドルシュート式のASCSメカが使われるのが一般的であった。プレシュート式の物はコクサイのニューコンセプトブローバック以後L.A.Studioが製作する高級カスタムモデルのみであったが、ウエスタンアームズがM4A1を発売した後は長物もハンドガン同様プレシュート式のブローバックガスガンが主流になってきている。 モデルガンのような構造のリアリティを備え、KSCのSTIシリーズのように発射機構と関係ない部分に実銃用パーツを装備したもの、マルゼンのワルサーP99のように原型となる銃のメーカーと提携し図面提供などを受けた物 もある。 ブローバックガスガンは低圧フロンガスを使用するために、ガス流入量を制限しない限り威力が高くなり、ブローバックシステムのコストが嵩むために、対象年齢18歳以上用のモデルしか存在しなかったが、2007年4月にKSCが対象年齢10歳以上用を発売し、2009年には東京マルイが推奨年齢14歳以上として発売をしている。KSC製に至っては高価な物では定価が税込み2万1000円になっている。東京マルイはインナーバレルの短縮化やプラスチック化、塗装の簡略化で販売価格を抑えているが、両者とも最低価格は1万円を超えている高級路線である。
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