フーリエ変換NMR
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フーリエ変換NMR(フーリエへんかんNMR、FT-NMR)とは、静磁場中のサンプルにパルス磁場を与え、その後観察されるインパルス応答である自由誘導減衰 (FID) をフーリエ変換することで核磁気共鳴 (NMR) の吸収スペクトルを得る手法である。
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- ^ アメリカ合衆国特許第 3,287,629号
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- 1 フーリエ変換NMRとは
- 2 フーリエ変換NMRの概要
- 3 理論
- 4 注意点
フーリエ変換NMR
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「核磁気共鳴分光法」の記事における「フーリエ変換NMR」の解説
詳細は「フーリエ変換NMR」を参照 フーリエ変換(Fourier transform)NMR(FT-NMR)は現在主流の測定方法である。線形応答理論によればインパルス応答関数のフーリエ変換は周波数応答関数を与える。周波数応答関数はある周波数の電磁波が吸収される程度を表す関数であるから、これはNMRスペクトルに他ならない。それゆえにインパルス(パルス状の電磁波)を試料に当ててすべての核を一斉に励起し、その結果生じる磁化ベクトルの変化、すなわち自由誘導減衰 (FID) を測定し、これをフーリエ変換することで NMR スペクトルを得ることができる。パルス磁場によりFIDが誘起されることはNMRの初期から分かっていたが、複雑なFIDから周波数情報を取り出すフーリエ変換の良い方法がなかったために分光法として用いられるようになったのはかなり後になってからである。FT-NMRではすべての周波数を同時に観測することができるため、測定時間が大幅に短縮された。また高速フーリエ変換のアルゴリズムの開発およびコンピューターハードウェアの発達によりフーリエ変換の計算時間も短縮され、二次元NMR測定のような膨大なデータを処理する必要のある測定も実用的となった。なお、CW-NMRは照射された電磁波の正味の吸収を測定しているのに対し、FT-NMRでは電磁波によって生成したスピンのコヒーレンスに伴う磁化を測定している違いがある。FT-NMRではさまざまなコヒーレンスを選択的に生成することによって特定の情報のみを抽出する多くの測定法が開発された。
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