ピアノ・ソナタ 第7番白ミサとは? わかりやすく解説

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スクリャービン(スクリアビン):ピアノ・ソナタ 第7番「白ミサ」

英語表記/番号出版情報
スクリャービンスクリアビン):ピアノ・ソナタ 第7番白ミサSonata for Piano No.7 'Messe blanche'  Op.64作曲年1911年  出版年1913年  初版出版地/出版社: Édition russe de musique 

作品解説

2007年6月 執筆者: 野原 泰子

 スクリャービン特別に愛し好んで演奏会取り上げた作品。彼はこれを「白ミサ」と呼び、そこに《ミステリア(神秘劇)》や《プロメテウス》に通ず魔術的な力、つまり聴き手をより高次存在状態へと引き上げる力を見出している。
このソナタ単一楽章)も、ソナタ形式枠組み書かれている提示部(1~76小節目)、第1展開部77168小節目)、再現部169236小節目)、第2展開部237272小節目)、コーダ273343小節目)。《プロメテウス》と同じく、このソナタでも形式区分沿った形で、作曲者神智学的な宇宙観にもとづく、宇宙プロセス描かれていると考えられる。それは端的に言えば、「万物一者から生じ、やがてそこへ回帰する」というものである
冒頭堂々たる第1主題は、《プロメテウス》で独奏ピアノ最初に奏でる主題同じく楽曲描かれる過程経てゆく主人公としての役割をもつ。その和音連打は、世界諸民族秘儀へと呼び招く「鐘の音」であると伝えられている。
第2主題(「天上的な悦びをもって」29-33小節目)は、作曲者によると「感覚的なものや叙情性皆無」「純粋な神秘」で、間もなく第2主題様々な変形(「暗雲」や「飛翔」を象徴する)に覆われてゆく。提示部最後に現れる分散和音動機7374小節目)は、スクリャービンによれば火花まき散らす噴水」である。
これらの音形を中心に楽曲展開してゆくが、再現部は文字通りの「再現」からは離れて主題取り巻く音形は姿を変える第1主題(「電撃的な」)には猛烈な伴奏音形や鋭いリズム動機(「稲妻」の表現結びつく)、増大した鐘の音」が伴い第2主題覆い尽くす動機第2主題変形)も変容する。第2展開部で両主題さらなる変容遂げ光輝猛烈な伴奏音形、装飾音形など)や「鐘の音」はますます増大する
プレストコーダ(「眩暈して」)は、スクリャービンによれば「脱物質瞬間目前とする、神聖な最後躍り」の場面で、諸音形が軽やかなリズム変形となって現れる。やがて(提示部最後に現れた)「火花」の動機中心に眩い光輝」が描き出されながら、熱狂頂点迎えた後、ピアニッシモパッセージ第2主題変形)で「一者」の内へと消え入るように終わる。




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