ビヤ樽ポルカとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ビヤ樽ポルカの意味・解説 

ビヤ樽ポルカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/27 06:58 UTC 版)

ビヤ樽ポルカ(ビア樽ポルカ)
チェコ語、ドイツ語、英語で曲名を記した作者の記念プレート
楽曲
英語名 Beer Barrel Polka
発祥 1927年 (曲), 1934年 (詞)
作曲者 ヤロミール・ヴェイヴォダ (『Modřanská polka』として)
作詞者 バセク・ゼーマン英語版
言語 チェコ語

ビヤ樽ポルカ』(ビヤだるポルカ)[1]または『ビア樽ポルカ』(ビアだるポルカ)[2][3]英語: Beer Barrel Polkaチェコ語: Škoda lásky)は、1927年昭和2年)にチェコの音楽家ヤロミール・ヴェイヴォダが作曲したポルカである[4]。1934年(昭和9年)に歌詞が追加され、その後、第二次世界大戦中に酒を飲む時の歌として世界的な人気を博した[5]

歴史

1927年(昭和2年)、チェコの音楽家ヤロミール・ヴェイヴォダによってポルカの音楽が作曲された[6]。原曲はハ長調で、ヘ長調のBパートで終わる二部形式

ヴェイヴォダがメロディを思いつき、エドゥアルド・イングリス英語版に改良を依頼し、彼がこの曲の最初の編曲を手がけた。当時、この曲は歌詞がなく、『モドルジャニ英語版のポルカ』(チェコ語: Modřanská polka)として演奏されていた[要出典]

1934年(昭和9年)、バセク・ゼーマンによって『無駄な愛』(チェコ語: Škoda lásky)という題名でこのポルカに詩が付けられた[7]

このポルカは世界的に有名になった。1939年(昭和14年)6月にウィル・グラーエが録音した『ビヤ樽ポルカ』(: Beer Barrel Polka)がアメリカの音楽番組「ユアヒットパレード英語版」で1位を獲得した。この版はシャピロ・バーンスタイン英語版社によって配給された。ウィル・グラーエは1934年(昭和9年)の初めにドイツ語版の『ビヤ樽ポルカ』(: Rosamunde)を録音して、多くのセールスを記録していた[要出典]

急速に広まったのは、ミュンヘン会談によってチェコスロバキアナチス・ドイツに占領され、その後、何千人ものチェコ人がこのキャッチーな曲を携えて世界各地に移住したからかもしれない[要出典]

アメリカ陸軍の制服を着たアンドリューズ・シスターズ

英語での作詞はルー・ブラウン英語版とウラジーミル・ティム(: Wladimir Timm)が手掛けた。一方、この曲は1939年(昭和14年)にアンドリューズ・シスターズによって歌われたのを皮切りに、グレン・ミラー・オーケストラ英語版ベニー・グッドマンボビー・ヴィントンビリー・ホリデイ、そしてアルバム『ビヤ樽ポルカ』(: Beer Barrel Polka)が100万枚以上のセールスを記録したジョー・パテック(: Joe Patek)など、多くの人々によってレコーディングされ、演奏された[8]

第二次世界大戦中、この歌は多くの言語で作られ、忠誠心に関係なく兵士たちの間で人気を博した。1945年(昭和20年)の5月8日か9日のヨーロッパ戦勝記念日に、ハンフリー・リッテルトン英語版バッキンガム宮殿の外で手押し車の上に乗って演奏し、英国放送協会の放送でこの戦勝祝賀会の様子が流れた[9][10]

この曲は、ある国でヒットするとその国で作曲されたと何度も主張された。実際の作曲者が広く知られるようになったのは、戦後になってからのことである[要説明][要出典]

他の言語での題名

カバーとオマージュ

スポーツ

演劇・映画

テレビ放送

  • 1977年(昭和52年)にイギリスのテレビ番組『ランポール・オブ・ザ・ベイリー英語版』の「Rumpole and the Alternative Society」というエピソードのラストシーンで歌われている[要出典]
  • ミスター・ビーン Mr. Bean: The Animated Series』では、イギリスの女王がこの曲の一部をピアノ伴奏で歌っているエピソードがある[要出典]
  • ザ・クリティック英語版』では、訓練されたクマが、批評家のジェイ・シャーマン(: Jay Sherman)のためにこの曲を演奏し、彼の番組に参加し続けようとするエピソードがある[要出典]
  • マッシュ』のシーズン10の第1話「That's Show Biz」において、将校クラブでエレノア・カーライル役のアマンダ・マクブルームが、ウィンチェスター少佐に「ドヴォルザークブラームスだってフォークダンスを書いたのよ」と言った後に『ビヤ樽ポルカ』をピアノで弾くシーンがある[要出典]
  • OK捕虜収容所英語版』第1シーズンの第10話「Top Hat, White Tie and Bomb Sights」において、ホーガン大佐が、ノルデン爆撃照準器の詳細を知っていると、親ナチスの傾向を持っているドイツ空軍を説得する。その際に、ホーガン大佐は裏工作を固めるため、「ノルデン号」(The Norden)と名付けられた掃除機を盗聴器の前で作動させて、囚人たちが『ビヤ樽ポルカ』を大声で歌うことで会話を遮る。クリンク司令官は、歌の後ろで爆撃が行われているように聞こえたために、このパフォーマンスを本物と信じてしまう[要出典]
  • ドラマ『ファミリー・マターズ英語版』のシーズン8の11話「Chick-a-Boom」で、スティーブ・アーケル英語版が『ビヤ樽ポルカ』が流れると爆発する粉を作る[要出典]
  • そりゃないぜ!? フレイジャー』のシーズン5の10話「Where Every Bloke Knows Your Name」で、フレイジャー・クレイン英語版パブで知り合ったばかりの友達と『ビヤ樽ポルカ』をイライラした感じで歌い、困惑したダフネ・ムーン英語版がそれを見守るシーンがある[要出典]

コミック

  • ガール・ジーニアス英語版』のコミックおよびウェブコミックにおいて、主人公のアガサ・ヘテロダインが、移動遊園地移動販売と樽から防御ロボットを作り出すが、そのロボットが一対の斧を振り回しながら『ビヤ樽ポルカ』を演奏する描写がある[要出典]

みんなのうた

みんなのうた
青空のポルカ
歌手 東京放送児童合唱団
作詞者 峯陽
作曲者 ヤロミール・ヴェイヴォダ
編曲者 越部信義
映像 実写
初放送月 1965年10月
再放送月 2019年10月 - 11月(ラジオのみ)
テンプレートを表示

NHKの『みんなのうた』では、1965年10月に『青空のポルカ』(あおぞらのポルカ)として紹介。作詞は峯陽、編曲は越部信義がそれぞれ手掛け、歌は東京放送児童合唱団が担当した[17]

長期に渡って再放送はされてなかったが、「みんなのうた発掘プロジェクト」で音声が提供され、初放送から54年後の2019年10月 - 11月にラジオのみで初再放送された。

出典

  1. ^ 「母と子の試聴室 陽気なおもしろさ「ビヤ樽ポルカ」」『朝日新聞』1964年5月30日、朝刊 東京版、9面。
  2. ^ 『朝日新聞』1940年6月23日、夕刊 東京版、2面。「欧米流行歌 ビア樽ポルカ 藤山一郎」
  3. ^ 「[トピック]よみがえる宝塚の歌声 100周年 海外公演 CDで実感」『読売新聞』2014年5月2日、東京朝刊 文化面、15面。「後に藤山一郎が歌って人気を呼んだ「ビア樽ポルカ」」
  4. ^ 'Roll Out the Barrel' composer Jaromír Vejvoda” (英語). Radio Prague International (2014年4月13日). 2022年9月23日閲覧。
  5. ^ Koten, Marek (2022年7月19日). “The Czech Folk Song Known All Around the World” (英語). 3 Seas Europe. 2024年4月16日閲覧。
  6. ^ Greene, Victor. A Passion for Polka: Old-Time Ethnic Music in America. University of California Press, 1992, p. 131.
  7. ^ Greene 1992, p. 131.
  8. ^ PATEK, JOSEPH | The Handbook of Texas Online| Texas State Historical Association (TSHA)” (英語). Tshaonline.org. 2024年4月16日閲覧。
  9. ^ Gardiner, Juliet (2004). Wartime: Britain 1939-1945. Headline Book Publishing 
  10. ^ “Humphrey Lyttelton: Obituary” (英語). インデペンデント. (2008年4月25日). https://www.independent.co.uk/news/obituaries/humphrey-lyttelton-obituary-815832.html 2024年4月16日閲覧。 
  11. ^ デイビッド・ケント英語版 (1993). Australian Chart Book 1970–1992 (illustrated ed.). St Ives, N.S.W.: Australian Chart Book. p. 330. ISBN 0-646-11917-6 
  12. ^ Voces mexicanas triunfan en La Habana entre 1938 y 1958” (スペイン語). 2024年4月16日閲覧。
  13. ^ LISTADO DE OBRAS PENDIENTES POR IDENTIFICAR (PI) - TERCER TRIMESTRE 2022” (PDF) (スペイン語). sayco.org. 2024年4月16日閲覧。
  14. ^ Lieder” (ドイツ語). Südkurve München. 2024年4月16日閲覧。
  15. ^ Intolerance | Kanopy” (英語). www.kanopy.com. 2024年4月16日閲覧。
  16. ^ (英語) Carl Davis / The Luxemburg Radio Symphony Orchestra – Intolerance (Original Film Score) (1990, CD), https://www.discogs.com/release/3654036-Carl-Davis-5-The-Luxemburg-Radio-Symphony-Orchestra-Intolerance-Original-Film-Score 2024年4月16日閲覧。 
  17. ^ NHKみんなのうた 青空のポルカ”. NHK. 2024年4月16日閲覧。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ビヤ樽ポルカのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ビヤ樽ポルカ」の関連用語

ビヤ樽ポルカのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ビヤ樽ポルカのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのビヤ樽ポルカ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS