ハンス・ジェニーの研究
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「サイマティクス」の記事における「ハンス・ジェニーの研究」の解説
シュタイナーの人智学主義を信奉していたハンス・ジェニーは、1967年と1972年に Kymatic と題する二巻の本を出し、クラドニ図形のような音波による固有の対称図形には何らかの力が存在すると主張した。ジェニーが行った実験は、周波数範囲の広い励振装置に金属板を取り付け、その上に砂やチリ、液体を撒くと、与えた励振周波数に特有の幾何学図形が形成されるというものであった。ただし、人智学を工学、医学、生物学や生物動力学的農業のような分野に適用する試みは、科学的懐疑主義の論者であるマイケル・シャーマーなどから疑似科学とみなされていることを特記しておく。 ジェニーによれば、曼荼羅や自然界に散見される形状を連想させるこれらの幾何学図形は、その源である振動エネルギーが持つ見えない力場の現れであった。彼が特に強い印象を受けたのは、ヒンドゥー教や仏教の真言に用いられる古代サンスクリットの聖音「オーム」を石松子の粉末に向けて発声すると、オームを表すシンボルの一つである円と中心点からなるパターンが生じたことであった。しかし実際のところ、円形の板が中心や外周で固定されているならば、もしくは少なくとも中心対称に保持されているなら、振動モードの節線は必ず中心対称になる。すなわち、ジェニーが観察した現象は一般的な数理を超えるものではない[要出典]。 物理数学的な見地では、節線が取りうるパターンは、振動体ならばその形によって、気体中の音波ならば容器の形によってあらかじめ決められている。取りうるパターンはそれぞれ特定の周波数と関係づけられているので、実際にどのパターンが現れるかは振動の周波数スペクトルに影響を受ける。しかしながら、どのような音声を当てるかは節線のパターンに全く影響を与えない。このようなメカニズムは古典物理学によって非常によく説明することができる[要出典]。
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