ネオタントラとは? わかりやすく解説

ネオタントラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/03 07:28 UTC 版)

ネオタントラ: Neotantraサンスクリット語: नवतन्त्र )またはタントラ的セクシュアリティ: tantric sexuality)は、南アジアのタントラ、タントリズムの現代的、西洋的バリエーションであり、ニューエイジと伝統的なヒンドゥー教仏教のタントラの現代的な解釈が含まれる。しばしば新宗教に関連する。タントラで伝統的に行われてきた性ヨーガ英語版(性瑜伽。男女の性行為を導入した瞑想法)とは別の用語である。

ネオタントラの支持者の中には、古代の伝統的なテキストや原則を参照するものもあれば[1][2]、タントラを「聖なる性」のあらゆる状況に対応できる言い回しとして使用し、非正統的な実践を組み込むこともある。加えて、インドのタントラ的実践のすべての要素、特にグルへの帰依がネオタントラで用いられるわけではない。ネオタントラはタントラの伝統への関心が西洋で発展したもので、その認識はタントラの伝統から著しく逸脱している。性行為に対する西洋の抑圧的な態度を正すために、性行為と霊性・精神性(スピリチュアリティ)を組み合わせた「エクスタシーカルト」(cult of ecstasy)と見られた[注 1]。そのため、現代の多くの者にとって、「タントラ」は、「スピリチュアルな性行為」(spiritual sex)または「聖なる性」(sacred sexuality)と同義であり、性行為は参加者をより高い霊性・精神的階層に昇格させることが出来る聖なる行為として認識されるべきであるという考え方である[注 2]

脚注

注釈

  1. ^ 「エクスタシーのカルト」については Urban (2003), pp. 204–205を参照。
  2. ^ 「スピリチュアルな性行為」または「聖なる性」の同義語としての「タントラ」については Urban (2003), pp. 204–205を参照。

出典

  1. ^ Yoga Spandakarika: The Sacred Texts at the Origins of Tantra, Daniel Odier (2004)[要ページ番号]
  2. ^ The Yoga of Delight, Wonder, and Astonishment, A Translation of the Vijnaya-bhairava, Jaideva Singh, Motilal Banarsidass Publisher (1991)[要ページ番号]

参考文献

  • Urban, Hugh (2003). Tantra : sex, secrecy politics, and power in the study of religions. Berkeley: University of California Press. ISBN 978-0-520-23062-0. OCLC 56028449 

関連項目


ネオタントラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 02:54 UTC 版)

タントラ」の記事における「ネオタントラ」の解説

イギリスインド植民地支配したことで、タントラ思想19世紀後半イギリス通じて西欧北米広まったが、性的な側面フォーカスされ、主に欲望充足思想として受容された。これはネオタントラ(新タントリズムタントラセックス)と呼ばれている。 現代のネオタントラはニューエイジ自己啓発運動の中で広まっており、ネオタントラのセンター設立者オショー弟子が多い。現在活動しているタントラ指導者大部分は、Osho弟子ひとりでベストセラー性的エクスタシー技法』を書いたマーゴ・アーナンダ(英語版)の弟子である。指導者としては、ハワイでアート・オブ・ビーイング(The Art of Being)を運営するアラン・ローウェン(Alan Lowen)もよく知られている。1990年代には、ミュージシャンスティングが、性的エネルギー高めるタントリック・セックスを実践しており、「7時間でもセックスできる」と発言し話題になった女優グウィネス・パルトローもタントリック・セックスを行っているという。 ネオタントラでは、男女親密交わり霊性発達に必要であると主張され男女の関係を向上を目指すセンターではタントラ要素一部取り入れて入門として短期間ワークショップ開催している。アメリカタントラ指導者ロッド・ストライカーは、タントラ行法により「どんなときにも完全なものを感じ正し決定行い正しいときに正し方法行動する」ことができるようになり、人間関係変わりキャリア成功をおさめ、収入レベル上がりセックス満足度高くなる、と主張している。修行何年もの時間を費やす伝統的なタントラからは、西洋タントラ快楽主義物質主義実践一部になってしまっており、お手軽成就者になれるという考え起こさせるもので、本来のタントラ方法論歪められているという批判もある。一方アジアタントラ男女の性の技法扱わないことで衰退しているという批判もある。 聖なるセックス実践ペイガニズムにも見られペイガニズム重要な先駆者アレイスター・クロウリーは、意識状態の変化もたらすために、タントラ取り入れて性的呪術作った現代タントラスピリチュアリティは、軽薄な大衆化として批判されつつも、世界多く宗教みられる女性、生、身体蔑視軽視否定する考え対抗し肯定するスピリチュアリティ生み出し普及させることに寄与している。

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