ニーチェとジェイムス 有用説とは? わかりやすく解説

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ニーチェとジェイムス 有用説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/10 16:16 UTC 版)

「真理」記事における「ニーチェとジェイムス 有用説」の解説

画像左)ニーチェ画像右)ジェームス ニーチェある意味カント理論継承者である。カントは、主観/客観二項対立図式前提としつつ、現象物自体厳密に区別しショーペンハウアーは、理性によっては認識できない物自体という概念維持しつつ、現象とは私の表象であり、物自体とはただ生きんとする盲目的な意思そのものほかならないとして理性批判したニーチェは、このような図式引き継ぎ、生とは、すべてを我がものとし、支配し超え出て、より強くならんとする権力への意志であるとし、従来真理概念ひっくり返し真理一種誤謬であるとする。ただし、それはそれなしではある種生物である人間生きてはいけないという厳しい条件のついた誤謬であるとして、真理理性と共に生に従属させ、人の生に有用であるか否かをもって真理基準とした。 このようにニーチェ大陸合理論におけるヘーゲル批判という文脈真理有用説に到達したが、これとは別の経路、つまりイギリス経験論鍛えなおす形で有用にたどり着いたのがウィリアム・ジェームズである。プラグマティズムは、論者によってそうとうな主張相違があり、その内容一様ではないが、おおむね経験・科学重視して形而上学反対し、キリスト教の伝統則りながらも、進化論否定しないという中庸実利的な傾向を持つ。その主著プラグマティズム』において、ジェームズは、相容れない脆弱精神強靭精神の二種類気質から哲学史思想区別し、その両者媒介する思想が必要であり、それがプラグマティズムであるとする。それは、思想の意味理解するためにはその思想もたらす行動こそが全てであるとし、思想を自然を改変するための道具位置づけ思想生存するために必要な実利合致するならばそれは真理であり、真理役割とは現実思考方向付ける過程にあるとする。他方で、彼は、厳し自然の中で人間生存不可欠なものとして慣習的に発展してきた常識重視し性急な改革戒める真理とは長い時間をかけて常識によって発展してきた信用制度によって確立されており、信念思想反発されない限りはそれは真理として妥当するジェイムスプラグマティズムは、相容れない脆弱精神強靭精神の二種類気質区別し、これが媒介する思想新たに社会発展させていくという意味でヘーゲル全体的整合説影響を受けたものであった

※この「ニーチェとジェイムス 有用説」の解説は、「真理」の解説の一部です。
「ニーチェとジェイムス 有用説」を含む「真理」の記事については、「真理」の概要を参照ください。

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