ナイルの聖母マリアとは? わかりやすく解説

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ナイルの聖母マリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/23 03:56 UTC 版)

スコラスティック・ムカソンガ」の記事における「ナイルの聖母マリア」の解説

2012年発表した『ナイルの聖母マリア』は最初長編小説で、実体験根差しながらも、フィクションによって初めて可能となる新たな次元切り開いた。これは、一つには、ルワンダタブーとされ、ルワンダ語には存在しない言葉概念(たとえば性を表わす言葉)などをフランス語では自由に表現できるためであり、これによって、ルワンダ現実即したこれまでの作品から、「父のお蔭で学ぶことのできた」フランス語可能性追求する作品へと転換を図ることになった小説の舞台となる学校は、母校ノートル=ダム・ド・シトーをモデルに「ノートル=ダム・デュ・ニル(ナイルの聖母マリア)」と名付けられた。「ナイル川」の水源とされる標高2,500メートル山岳地帯にある寄宿制の女子校である。ムカソンガの母校同様に修道院経営する有力者娘たちのための学校であり、したがって女生徒一人ひとりが父親ルワンダ社会において担っている役割反映し、しかも、植民者によってもたらされキリスト教教義に基づく教育が行われている。時代背景もルワンダ・クーデター前夜混乱からムカソンガ自身祖国後にすることになった1973年設定され生徒数占めツチ族割合10%で、20人のクラスツチ2人である。ムカソンガはこの作品において、「和解のためにはまず、なぜ分裂したかを理解しなければならない」、そのためにルワンダ虐殺つながった憎しみ連鎖どのように生じたかを説明したかったという。本書書評でも、恐怖憎悪への道を余儀なくされた社会描いている」、「最終的に1994年虐殺つながった社会的人種的衝突一場面である」と評されている。 『ナイルの聖母マリア』は2012年ルノードー賞受賞した。ムカソンガは、ルノードー賞は彼女にとって「賞」ではなく一種承認であって、「家族が私に期待したことが正しかった認められた」、父が「ムカソンガ」という名前に込めた期待 ―「頂点極めた女」という役割果たした、と感じている。『ナイルの聖母マリア』はルノードー賞のほか、アマドゥ・クルマ賞(フランス語版)、フランス語圏大使賞(コペンハーゲン)など多く文学賞受賞した著書・受賞参照)。

※この「ナイルの聖母マリア」の解説は、「スコラスティック・ムカソンガ」の解説の一部です。
「ナイルの聖母マリア」を含む「スコラスティック・ムカソンガ」の記事については、「スコラスティック・ムカソンガ」の概要を参照ください。

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