トルコ軍によるシリア占領地の状況
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「トルコ軍によるシリア侵攻 (シリア内戦)」の記事における「トルコ軍によるシリア占領地の状況」の解説
ユーフラテスの盾とオリーブの枝によってトルコはアフリーン郡からユーフラテス川西岸にいたる全長約200キロにわたる国境地帯を占領した。そこで大学や病院などを建設し、生活・社会インフラを整備する一方、トルコ・リラを流通させることで支配を強めた。軍事・治安活動を反体制派に任せて緩衝地帯とする一方、350万人以上いるとされるシリア難民の一部を帰還させた。通信電話インフラはトルコの通信電話会社が整備したが、住民の間では回線の悪用が横行した。そこで2019年4月、通信会社はトルコが発行する身分証明書によって再設定しなければ回線を停止すると発表した。住民の大半はトルコ発行の身分証を持っておらず、事実上通信手段を失うという。 トルコの実効支配を支える反体制派は、内部対立や犯罪行為を繰り返した。バーブ市、アアザーズ市、ジャンディール村では、勢力争いや略奪品の分配をめぐって東部自由人連合、シャーム自由人イスラム運動、スルターン・ムラード師団、山地の鷹旅団、東部軍、北部戦線、ファールーク大隊、シャーム戦線、ハムザート旅団、イスラーム軍、東部殉教者連合、スライマーン・シャー師団、地元部族の民兵が衝突。さらに強盗・拉致・殺人・身代金要求・略奪が横行した。 治安維持のためにトルコ軍特殊部隊がアフリーン市とバーブ市に展開し、犯罪者・指名手配者の摘発を敢行したが、一部の武装集団は反抗した。 アフリーン郡の住民たちは家や農地を奪われ、代わりにシリア反体制派やその支持者たちに分け与えられた。わずかに老人など元いた住民も残っているが、トルコの盗聴を恐れて連絡もままならないという。ロジャヴァ系の「オリーブの怒り」作戦司令室やアフリーン抵抗軍団が、反体制派・トルコ軍に対する攻撃を繰り返した。
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