ユーフラテスの盾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 04:31 UTC 版)
「トルコ軍によるシリア侵攻 (シリア内戦)」の記事における「ユーフラテスの盾」の解説
2016年8月24日、トルコ第二軍(南方戦域担当)隷下の第五機甲旅団所属の戦車・装甲車を核とした一個大隊規模の部隊と親トルコのシリア反体制派武装勢力「ユーフラテスの盾作戦司令室」が、空軍機・砲兵の援護を受けつつシリアへ侵攻した。 ユーフラテスの盾作戦司令室に参加した反体制は勢力は次のとおりである。 ハムザ師団 シャーム軍団 スルターン・ムラード師団 シャーム自由人イスラム運動 ヌールッディーン・ザンギー運動 タフリール軍 山地の鷹旅団 シャーム戦線(ムスリム同胞団系) 25日には目標だったジャラーブルスをほぼ制圧した。アメリカ軍の積極的な支援も受けたトルコ軍は部隊を増派し、ロジャヴァ支配下のマンビジに圧力を強めながらも西へ攻勢をかけた。9月初にはジャラーブルス=アルラーイの国境沿線からISILを完全に駆逐した。 10月にはチョバンベイから第二陣が入り、ISの要地ダービクを奪還した。 マンビジではIS残党を掃討しつつ、SDFとトルコ軍の衝突が頻発した。2017年2月、トルコ軍と反体制派はISの拠点アル=バーブの制圧を発表した。 2017年3月初旬、トルコ外相メヴルット・チャヴシュオールはロジャヴァがマンビジから撤退しなければトルコは彼らの支配地に進攻すると発言した。その後、ロジャヴァを支援していたロシア軍は、PYDがマンビジから撤退し、アサド政権軍が同地域の占領を引き継ぐと発表した。しかし、3月7日にトルコのアンタルヤで行われたアメリカ統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォード、ロシア連邦軍参謀総長ワレリー・ゲレシモフ、トルコ統合参謀総長フルシ・アカルによる3者会談で、ISが支配するラッカへの軍事作戦はトルコ軍とシリア反体制ではなく、SDF中心に展開することが発表決定され、トルコ軍のシリアへの介入継続の道は事実上絶たれた。 3月31日、トルコ軍参謀本部のウェブサイトで218日間に及んだユーフラテスの盾作戦の終了が発表された。同作戦でトルコ軍兵士は60名以上が死亡した。一方で、アルジャジーラ・トルコの報道によると、トルコ軍との戦闘でIS兵士3060名の、PYD兵士462名が戦闘不能の状態となった。 ISを駆逐したトルコ支配下のジェラーブルスでは、病院・学校が再整備され、大勢の在トルコ・シリア難民が帰還した
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