トリック使用と不正の発覚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 03:38 UTC 版)
「清田益章」の記事における「トリック使用と不正の発覚」の解説
1974年『週刊朝日』がスプーン曲げトリックを暴く記事を掲載する。これをきっかけに少年少女の超能力ブームは鳴りを潜め始める。 1984年2月3日のフジテレビ『金曜ファミリーワイド』「超能力を100倍楽しめる徹底解剖」で超能力ではなくトリックを使っているのを見破られ、その手口の一部始終を放映された。スプーンは力任せに曲げて、念写のポラロイドフィルムは事前にトイレで感光させておいてすり替えるという手口だった。もともと番組の趣旨は、清田を7日間ホテルにカンヅメにしてスプーン曲げの全課程を撮影し、超能力を実証するというものだった。当初は番組ゲストの立花隆もすっかり信じ込んでいたという。しかし2日目の撮影が終わると、スプーンが曲がり始めるのが常に人の目に触れないときであることにスタッフが疑問を抱くようになり、3日目に清田に気づかないようにそれとなく監視していたところ、人目を盗んで瞬時に力尽くでスプーンを曲げるのを立花隆らが目撃。4日目からは隠しカメラを何台も使って清田のトリックの瞬間を録画した。こうして最終的に清田のトリックを暴く番組になった。 これについて本人は「プレッシャー(テレビ局の圧力)などからたまたまインチキをしてしまっただけで、普段は超能力で曲げており、自分が超能力者であることは間違いない」と主張している。これについてフジテレビの宇留田俊夫プロデューサーは圧力やプレッシャーをかけた事実はないと反論した。 一方で、科学ドキュメンタリー番組「知られざる世界」において放送された、科学者2人と日本マジック協会幹部監修の元での実験はトリックが見つかることなく成功させている。 超心理研究会を主宰する市村俊彦は、『金曜ファミリーワイド』放送後に自らの『テレパシー』誌上でESPERの筆名で、清田がメディアに登場し始めた小学生6年生の頃から時折インチキでスプーン曲げをしていることは見抜いていたと記した。 超常現象に肯定的なオカルト情報誌『ムー』は1984年4月号と5月号の記事で『金曜ファミリーワイド』の番組内容が偏向していたとしている。スプーンの破断面を分析すると手で曲げた以外のものがあったこと、ガラス容器の中の糸に吊った5円玉を動かすことが出来たこと、脳波や体温の変化があったことなど、清田の超能力に肯定的な部分は放送しなかったと『ムー』は報じた。 これとは別に1991年に雑誌『デジャ=ヴュ』第6号の記事では、ポラロイドフィルムの念写に何度も失敗した末に念写に成功した。しかし、事前にフィルム番号が控えられていたことが清田には伏せており、その編集部が用意したフィルムでの念写は全て失敗していた。一方、念写に成功したフィルムの番号は控えられていないもので、清田によって密かにフィルムがすり替えられていた事実が発覚した。その他に、外国の超心理学の学者との念写の実験では、成功したのは清田にカメラを渡して2時間くらいしたときに限られていたという。 なお、『週刊少年サンデー』1974年7月7日号には手を触れないでスプーンを曲げる少年として登場。記事中では手に触れずにスプーンを曲げたということになっていたが、これは触れずに曲がったと書かないと掲載を拒否すると清田の父親から通達があったためで、実際には触らないとスプーンを曲げられなかった。しかし記事を落とさないためにやむなく事実をねじ曲げて、掲載したのだという。
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