チャーン指標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 21:23 UTC 版)
詳細は「チャーン類#チャーン指標」を参照 チャーン類は、空間の位相的K-理論(英語版)(topological K-theory)からその有理コホモロジー(の完備化)への環の準同型を構成することに使うことができる。直線束 L のチャーン指標 ch(L) は、 ch ( L ) = exp ( c 1 ( L ) ) := ∑ m = 0 ∞ c 1 ( L ) m m ! {\displaystyle \operatorname {ch} (L)=\exp(c_{1}(L)):=\sum _{m=0}^{\infty }{\frac {c_{1}(L)^{m}}{m!}}} により定義される。 一般のベクトル束 V が 第一チャーン類 x i = c 1 ( L i ) {\displaystyle x_{i}=c_{1}(L_{i})} を持つ直線束の直和 V = L 1 ⊕ . . . ⊕ L n {\displaystyle V=L_{1}\oplus ...\oplus L_{n}} であれば、V のチャーン指標 ch(V) は、 ch ( V ) = e x 1 + ⋯ + e x n := ∑ m = 0 ∞ 1 m ! ( x 1 m + . . . + x n m ) . {\displaystyle \operatorname {ch} (V)=e^{x_{1}}+\dots +e^{x_{n}}:=\sum _{m=0}^{\infty }{\frac {1}{m!}}(x_{1}^{m}+...+x_{n}^{m}).} と加法的に定義される。 チャーン指標はベクトル束のテンソル積についてうまく振る舞い、ヒルツェブルフ・リーマン・ロッホの定理の定式化に用いられる。
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チャーン指標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 22:27 UTC 版)
チャーン類は位相的K-理論(英語版)(topological K-theory)から有理コホモロジー(の完備化)への準同型の環の構成に使うことができる。線束 L に対し、チャーン指標(Chern character) ch は、次のように定義される。 ch ( L ) = exp ( c 1 ( L ) ) := ∑ m = 0 ∞ c 1 ( L ) m m ! {\displaystyle \operatorname {ch} (L)=\exp(c_{1}(L)):=\sum _{m=0}^{\infty }{\frac {c_{1}(L)^{m}}{m!}}} さらに一般的には、 V = L 1 ⊕ . . . ⊕ L n {\displaystyle V=L_{1}\oplus ...\oplus L_{n}} を第一チャーン類 x i = c 1 ( L i ) , {\displaystyle x_{i}=c_{1}(L_{i}),} をもつ線束の直和とすると、チャーン指標は加法的に次のように定義される。 ch ( V ) = e x 1 + ⋯ + e x n := ∑ m = 0 ∞ 1 m ! ( x 1 m + . . . + x n m ) {\displaystyle \operatorname {ch} (V)=e^{x_{1}}+\dots +e^{x_{n}}:=\sum _{m=0}^{\infty }{\frac {1}{m!}}(x_{1}^{m}+...+x_{n}^{m})} V が線束の和であるとき、V のチャーン類は x i {\displaystyle x_{i}} の基本対称多項式(英語版)(Elementary symmetric polynomial)で c i ( V ) = e i ( x 1 , . . . , x n ) . {\displaystyle c_{i}(V)=e_{i}(x_{1},...,x_{n}).} と表すことができることに注意する。 特に、一方では、 c ( V ) := ∑ i = 0 n c i ( V ) {\displaystyle c(V):=\sum _{i=0}^{n}c_{i}(V)} であり、他方では、 c ( V ) = c ( L 1 ⊕ ⋯ ⊕ L n ) = ∏ i = 1 n c ( L i ) = ∏ i = 1 n ( 1 + x i ) = ∑ i = 0 n e i ( x 1 , … , x n ) {\displaystyle c(V)=c(L_{1}\oplus \dots \oplus L_{n})=\prod _{i=1}^{n}c(L_{i})=\prod _{i=1}^{n}(1+x_{i})=\sum _{i=0}^{n}e_{i}(x_{1},\dots ,x_{n})} である。 結局、ニュートンの恒等式(Newton's identities)が、V のチャーン類の項のみで、ch(V) の中のベキ和を再表現できて、次の関係式を与える。 ch ( V ) = dim ( V ) + c 1 ( V ) + 1 2 ( c 1 ( V ) 2 − 2 c 2 ( V ) ) + 1 6 ( c 1 ( V ) 3 − 3 c 1 ( V ) c 2 ( V ) + 3 c 3 ( V ) ) + . . . , {\displaystyle \operatorname {ch} (V)=\operatorname {dim} (V)+c_{1}(V)+{\frac {1}{2}}(c_{1}(V)^{2}-2c_{2}(V))+{\frac {1}{6}}(c_{1}(V)^{3}-3c_{1}(V)c_{2}(V)+3c_{3}(V))+...,} この表現は、分裂原理(英語版)(splitting principle)を必須とすることにより得られるが、任意のベクトル束 V に対して ch(V) の定義として採用される。 底空間が多様体のときに接続をチャーン類の定義に使う(チャーン・ヴェイユ理論)ならば、チャーン指標の明確な形式は、 ch ( V ) = tr ( exp ( i Ω 2 π ) ) {\displaystyle {\hbox{ch}}(V)={\hbox{tr}}\left(\exp \left({\frac {i\Omega }{2\pi }}\right)\right)} である。ここに Ω は接続の曲率である。 チャーン指標は、ある部分では有用である。なぜならば、チャーン指標はテンソル積のチャーン類の計算することに役に立つからである。特に次の恒等式がチャーン指標の定義より結果する。 ch ( V ⊕ W ) = ch ( V ) + ch ( W ) {\displaystyle {\hbox{ch}}(V\oplus W)={\hbox{ch}}(V)+{\hbox{ch}}(W)} ch ( V ⊗ W ) = ch ( V ) ch ( W ) . {\displaystyle {\hbox{ch}}(V\otimes W)={\hbox{ch}}(V){\hbox{ch}}(W).} 上に述べたように、チャーン類のグロタンディークの加法公理を使い、これらの恒等式の最初の式は、K-理論 K(X) から X 上の有理コホモロジーへの準同型のアーベル群が ch であるということへ一般化できる。第二の恒等式はこの準同型が K(X) の中の積を定義し、ch が環の準同型であるという事実を確立する。 チャーン指標は、ヒルツェブルフ・リーマン・ロッホの定理で使われる。
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