チャールズ・アレン・レクミア
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「切り裂きジャックと疑われた者たち」の記事における「チャールズ・アレン・レクミア」の解説
詳細は「チャールズ・アレン・レクミア(英語版)」を参照 チャールズ・アレン・レクミア(Charles Allen Lechmere、1849年10月5日 - 1920年12月23日)、別名:チャールズ・クロス(Charles Cross)は、ピックフォード社の肉用カートの運転手。また、カノニカル・ファイブの最初の犠牲者であるニコルズの遺体の第一発見者。当時、レクミアは事件と無関係の目撃者と見なされていたが、2014年のドキュメンタリー番組『Jack the Ripper: The New Evidence』においてスウェーデンのジャーナリスト、クリスター・ホルムグレンとアベリストウィス大学の犯罪学者ガレス・ノリスが、元刑事のアンディ・グリフィスの協力を得て、レクミア犯人説を提唱した。ホルムグレンによれば、レクミアは警察の聴取に対して「ニコルズの遺体と一緒にいたのは数分」と述べていたが、彼の自宅から職場までの経路を検証した結果、約9分間は一緒にいたはずであり、これは嘘の証言だと結論付けた。 レクミアが第二発見者のロバート・ポールに声を掛け、遺体を見せた時には血痕が見られなかったが、すぐ後に警官が遺体を確認した時には、その首回りに血溜まりができていたため、レクミアとポールが遺体を発見した時はまだ殺されて間もなかったと推測される。レクミアはまた、(まだ死んでいるか不明な)彼女の身体を支えようとしたポールの提案を拒否している。もし、提案に乗っていればすぐに喉が切られていたことが判明しただろう。さらに2人とも、側面から出入りができないバックズ・ロウで、他の者を目撃も物音も聞かなかったと証言した。加えて切り裂きジャックの犯行では傷口を露わにする特徴があるのに対し、ニコルズの場合は服の下に隠れたままになっていた。以上から、ニコルズを殺してその身体を損壊しようとしていたレクミアは、ポールの足音を聞いて慌てて偽装工作を行い、遺体の発見者になろうとしたのではないか、と推測されている。またレクミアは、ポールが報道機関に言及されるまで名乗り出ず、検死審問では継父の名字に基づく「チャールズ・クロス」を名乗って証言を行った。 レクミアは自宅の住所、家族への訪問、通勤経路などから、殺人事件の発生時刻や場所と関連性があり、タブラム、ニコルズ、チャップマンが殺害された3つの通りを、これら事件発生推定時刻とほぼ同時刻に通過している。ストライドとエドウッズが同夜に殺された「ダブル・イベント」の日は、彼が唯一仕事を休んだ土曜日であった。ストライドの殺害現場は、レクミアの母親の家の近くで、ここは彼が育った地域であり、ストライドとエドウッズの殺害現場をつなぐルートは、彼が20年間使ってきた通勤ルートに沿っていた。ケリー殺しの場所も彼の通勤ルート上であり、殺害推定時刻も一致している。ただし、彼女の殺害された日は休日であり、その日はレクミアも休みであった可能性がある。 レクミアの家庭環境もまた多くの連続殺人犯に共通した「壊れた」ものであり、実の父親を知らず、2人の継父がいた。幼少期は複数の家庭で過ごし、住居を転々とするような不安定な生活を送っていた。また、食肉用カートの運転手という職業は、返り血を浴びたような外見でも疑わずに済んだと思われる。ホルムグレンはカノニカル・ファイブとマーサ・タブラムの一件以外の殺人も起こしている可能性があると推測している。
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