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スノーパール【スノーパール】(食用作物)

※登録写真はありません 登録番号 第7082号
登録年月日 1999年 3月 17日
農林水産植物の種類
登録品種の名称及びその読み スノーパール
 よみ:スノーパール
品種登録の有効期限 20 年
育成者権の消滅  
品種登録者の名称 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
品種登録者の住所 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1
登録品種の育成をした者の氏名 東正昭、山口誠之、齋藤滋、春原嘉弘、池田良一、小山田善三、小綿寿志、井上正勝、田村泰章、松本定夫横上晴郁
登録品種の植物体の特性の概要
この品種は,低アミロース系統74WX2Nー1」に「レイメイ」交配して育成され固定品種であり,育成地(秋田県大曲市)における成熟期中生の中,稈長は長,精玄米千粒重がやや大きくアミロース含量のかなり低い水稲粳種である。型は中間型,稈長は長,稈の細太は中,剛柔はやや柔,止葉直立程度はやや垂,葉身及び葉鞘の色は緑である。穂長,穂数及び粒着密度は中である。穎色は黄白,ふ先色は黄白-黄,有無多少極少である。玄米の形及び大小は中,精玄米千粒重やや大である。出穂期及び成熟期中生の中,穂発芽性はやや易,耐倒伏性はやや弱,収量性はやや多,いもち病抵抗性推定遺伝子型は+である。アミロース含量はかなり低である。「ヒメノモチ」と比較して,粳・糯の別が粳であること,出穂期及び成熟期晩いこと,いもち病抵抗性推定遺伝子型が+であること等で,「トヨニシキ」と比較して止葉垂れること,精玄米千粒重大きいこと,いもち病抵抗性推定遺伝子型が+であること,アミロース含量が低いこと等で区別性認められる
登録品種の育成経過概要
この品種は,昭和59年東北農業試験場秋田県大曲市)において,低アミロース系統74WX2Nー1」に「レイメイ」交配し平成元年雑種5代個体選抜以後系統育種法により育成され固定品種であり,3年から生産力検定試験及び特性検定試験4年に「奥羽344号」の名称を付して地域特性試験等行い6年にその特性を確認して育成完了したのである7年雑種第11代である。



スノーパール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 13:43 UTC 版)

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スノーパール
イネ属 Oryza
イネ O. sativa
交配 74wx2N1×レイメイ
亜種 ジャポニカ O. s. subsp. japonica
品種 スノーパール
開発 農研機構 東北農業研究センター
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スノーパールは、1998年平成10年)に東北農業研究センターによって育成されたイネ(稲)の品種[1]低アミロース米品種の一つ[2][3]。旧系統名は「奥羽344号」[1][4]。「農林8号」の低アミロース突然変異系統に「農林8号」を戻し交配して得られた系統である「74wx2N1」[5]と「レイメイ」との交配によって育成された[2][6]

特徴

東北地方中南部での栽培に適し、熟期は育成地で中生の中である[1][2]。登熟期の気温が27℃以上になるとアミロース含有率が低くなりすぎ、また逆に登熟期の気温が22℃以下になるとアミロース含有量が上がってしまうため[4]、そのような地域での栽培には向かない[1]。収量は「トヨニシキ」と同等で低アミロース米としては多収である[2]いもち病真性抵抗性については、いもち病真性抵抗性遺伝子型が「+」と推定され、育成当時(1998年)の基準において葉いもち病抵抗性が「中」、穂いもち病抵抗性が「やや弱」と評価される[2]。また、耐冷性は「やや弱」と評価されている[2]。「ササニシキ」と比較した場合、いもち病抵抗性は優れ、耐冷性は同程度である[1]

アミロース含有率は7〜9%[2]。玄米千粒重が24.7gと米粒は大きく、「トヨニシキ」より約13%重い[6]玄米はやや白濁する[2]。食味は「ひとめぼれ」と比較すると炊飯直後の食味は同等であるが、冷飯での食味はより美味しく、また冷凍保存後の食味も良い[2]

育成経過

育成当時、低アミロース特性を有する品種としては「彩」(北海道立上川農業試験場)、「ソフト158」(北陸農業試験場(現、農研機構中央農業総合研究センター北陸研究センター)、 「ミルキークイーン」(農研機構農業研究センター育成)が農林登録されていたが、「彩」は東北中南部において極早生、「ソフト158」および「ミルキークイーン」は極晩生と適した熟期ではなかった。そこで、「農林8号」に由来する低アミロース系統である「74wx2N2」を早生・多収化することで東北地域に適した低アミロース特性を有する品種を育成することとした[4]

1984年、東北農業試験場栽培第一部(現、東北農業研究センター)において低アミロース系統「74wx2N-1」(農業生物資源研究所から分譲された[6])を母、「レイメイ」を父として人工交配が行われた[4]

1985年F1個体を圃場で養成した後、1986年は材料数制限のためF2種子を低温貯蔵することとなった[4]

1987年1988年はF2世代からF4世代までをガラス温室で世代促進栽培した[4]1989年に新形質米プロジェクト研究の開始と共に、低アミロース品種の育成のため、本田でF5集団を養成し、個体選抜を行った。選抜した個体は北海道立上川農業試験場に依頼して、アミロースの検定を行った。そして F6世代以降、系統育種法により選抜、固定を図ってきた。

1991年から「UY-36」の名で生産力検定試験、特性検定試験を行い、1992年にF8世代で低アミロース系統として「奥羽344号」の系統名を付けた。新形質米プロジェクト研究の中で「奥羽344号」の加工、利用適性を検討すると共に、各県に配布して地方適性を検討した。

1998年に東北地域に適した熟期であり、かつ民間業者の調査では冷凍米飯などに適するといった特性が認められたため、農林登録を行い(水稲農林337号)、「スノーパール」と命名された。

系譜

農林8号
 
農林8号低アミロース突然変異
 
 
フジミノリ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
←ガンマ線照射
 
74wx2N1
 
 
 
 
 
レイメイ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
スノーパール
(奥羽344号)

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e 石谷 2009, p. 149.
  2. ^ a b c d e f g h i スノーパール | 農研機構”. www.naro.go.jp. 2022年1月20日閲覧。
  3. ^ 日本食糧新聞社 編 2018, p. 169.
  4. ^ a b c d e f イネ品種 データベース 検索システム 「奥羽344号(スノーパール)」概要”. ineweb.narcc.affrc.go.jp. 2022年1月21日閲覧。
  5. ^ イネ品種 データベース 検索システム  「 奥羽344号( スノーパール ) 」 品種情報 ”. ineweb.narcc.affrc.go.jp. 2022年1月23日閲覧。
  6. ^ a b c 低アミロース米水稲新品種「スノーパール」 | 農研機構”. www.naro.go.jp. 2022年1月21日閲覧。

参考文献

関連項目



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