ステアリンとは? わかりやすく解説

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ステアリン【stearin】

読み方:すてありん

ステアリン酸グリセリド無色針状結晶。ベンゼン・クロロホルムに溶けには溶けない多く脂肪主成分の一。ろうそくせっけんなどの原料用いられる


トリステアリン

分子式C57H110O6
その他の名称ステアリン、トリステアリン、Stearin、Tristearin、Glycerol tristearate、Glycerol trioctadecanoate、Trioctadecanoic acid glyceryl ester、Tristearic acid glyceryl ester、グリセリルステアラート、Glyceryl stearate、Glyceryl tristearate、1-O,2-O,3-O-Trioctadecanoyl-L-glycerol、L-Glycerol 1,2,3-tri(stearate)、トリステアロイルグリセロール、Tristearoylglycerol、1-O,2-O,3-O-Tri(stearoyl)-L-glycerol、L-Glycerol trisstearate、Tristearic acid glyceryl、Glycerin tris(stearate)、Glycerol tri(stearate)
体系名:グリセロール1,2,3-トリスステアラート、グリセロール1,2,3-トリスオクタデカノアート、1-O,2-O,3-O-トリ(ステアロイル)グリセロール1,2,3-プロパントリオールトリスステアラート、トリスステアリン酸1,2,3-プロパントリイル、グリセロールトリ(ステアラート)、グリセロールトリオクタデカノアート、グリセロールトリスステアラート、トリステアリン酸グリセリル、トリオクタデカン酸グリセリル、1-O,2-O,3-O-トリスオクタデカノイル-L-グリセロール、L-グリセロール1,2,3-トリ(ステアラート)、1-O,2-O,3-O-トリオクタデカノイル-L-グリセロール、1-O,2-O,3-O-トリ(ステアロイル)-L-グリセロール、L-グリセロールトリスステアラート、グリセリントリス(ステアラート)


ステアリン

名前 Stierlin

ステアリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/08 08:15 UTC 版)

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ステアリン[1]
識別情報
CAS登録番号 555-43-1 
PubChem 11146
ChemSpider 10673 
KEGG D10637 
ChEBI
特性
化学式 C57H110O6
モル質量 891.48 g mol−1
外観 白色粉末
匂い 無臭
密度 0.862 g/cm3 (80 °C)
0.8559 g/cm3 (90 °C)[2]
融点

54-72.5 °C, 255 K, -45 °F ([3])

への溶解度 不溶
溶解度 若干可溶:ベンゼン, 四塩化炭素
可溶:アセトン, クロロホルム
不溶:エタノール[2]
屈折率 (nD) 1.4395 (80 °C)[2]
構造
結晶構造 三斜晶系 (β型)[4]
空間群 P1 (β型)[4]
格子定数 (a, b, c) a = 12.0053 A Å,b = 51.902 A Å,c = 5.445 A (β型)[4] Å
格子定数 (α, β, γ) α = 73.752°, β = 100.256°, γ = 117.691°
熱化学
標準生成熱 ΔfHo -2344 kJ/mol[5]
標準燃焼熱 ΔcHo 35806.7 kJ/mol[5]
標準モルエントロピー So 1534.7 J/mol・K (液体)[5]
標準定圧モル比熱, Cpo 1342.8 J/mol・K (β型, 272.1 K)
1969.4 J/mol・K (346.5 K)[3][5]
危険性
NFPA 704
1
1
0
引火点 300 °C (572 °F; 573 K) (密閉式[6])
半数致死量 LD50 2000 mg/kg (ラット、経口)[6]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ステアリン(Stearin)またはトリステアリン(Tristearin)、グリセリルトリステアラート(Glyceryl tristearate、トリステアリン酸グリセリル)は、3つのステアリン酸ユニットからなるトリグリセリドである。ほとんどのトリグリセリドは、少なくとも2つ以上、通常は3つの異なる脂肪酸に由来する[7]。他のトリグリセリドと同様に、ステアリンは3つの多形で結晶化する。ステアリンの場合、融点はそれぞれ54℃(α型)、65℃、72.5℃(β型)である[3]

生産

ステアリンは、牛肉の加工過程の副産物である動物脂肪から得られる。また、ヤシ等の熱帯植物でも見られる。獣脂や他の脂混合物を圧搾して乾式分別することで部分的に精製でき、ステアリンに富む高融点の物質を液体(典型的にはオレイン酸由来の脂肪に富む)から分離することができる。エステル交換の後、再びその高い融点を利用して、平衡混合物からステアリンを除去することができる。

ステアリンは肝油を抽出する過程の副産物としても得られ、-5℃以下での冷却過程で肝油から除去される。

利用

ろうそく石鹸製造の際の硬化剤として用いられる[8]。石鹸製造の際には、水酸化ナトリウム水溶液にステアリンが混合される。下記の反応により、ほとんどの石鹸の主原料であるグリセリンステアリン酸ナトリウムが生成する。

C3H5(C18H35O2)3 + 3 NaOH → C3H5(OH)3 + 3 C18H35OONa

出典

  1. ^ Merck Index, 11th Edition, 9669.
  2. ^ a b c Lide, David R., ed (2009). CRC Handbook of Chemistry and Physics (90th ed.). Boca Raton, Florida: CRC Press. ISBN 978-1-4200-9084-0 
  3. ^ a b c Charbonnet, G. H.; Singleton, W. S. (1947). “Thermal properties of fats and oils”. Journal of the American Oil Chemists' Society 24 (5): 140. doi:10.1007/BF02643296. 
  4. ^ a b c Van Langevelde, A.; Peschar, R.; Schenk, H. (2001). “Structure of β-trimyristin and β-tristearin from high-resolution X-ray powder diffraction data”. Acta Crystallographica Section B 57 (3): 372. doi:10.1107/S0108768100019121. 
  5. ^ a b c d Tristearin in Linstrom, P.J.; Mallard, W.G. (eds.) NIST Chemistry WebBook, NIST Standard Reference Database Number 69. National Institute of Standards and Technology, Gaithersburg MD. http://webbook.nist.gov (retrieved 2014-06-19)
  6. ^ a b MSDS of Stearin Wax”. www.swna.us. Sasol Wax North America Corp.. 2014年6月19日閲覧。
  7. ^ Alfred Thomas (2002). “Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry”. Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. Weinheim: Wiley-VCH. doi:10.1002/14356007.a10_173. ISBN 978-3527306732. 
  8. ^ Geller, L. W. (1935). “Waxes in the candle industry”. Oil & Soap 12 (11): 263-265. doi:10.1007/BF02636720. 

関連項目


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