ゲーム業界からの完全撤退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:34 UTC 版)
「サンテックジャパン」の記事における「ゲーム業界からの完全撤退」の解説
設立初期の頃は当時売れ筋商品だったギャルゲーを専門にリリースしていた。コンシューマーゲーム時代の失敗の教訓から、外注の人間にプログラムやシナリオを1本あたり50円~100円という格安で一任したことや、社長自らがゲーム中の背景の原画を描いていたことを社員が暴露している。ゲームによっては過去に同社が発売した『里見の謎』をゲーム内でクソゲー扱いするなど、自虐ネタをネット上やゲーム中で披露していた。アダルトゲームのスタッフには社長の他に『里見の謎』の製作に深く関わっていた横塚英一郎(イアラ・ラセ)を中心に運営され、原画には佐伯達也、シナリオには鏡なぎさ、音楽には紅林弥生などが起用されていた。 ゲーム製作は外注との意思疎通や連携が上手く行き届かず、発売延期を繰り返してなかなか発売できなかった。それなりの開発期間を要するアダルトゲームの制作期間を短縮しようとしており、『さよならの微笑み2』は4か月で開発を終了する予定で製作されたが、開発が大幅に長引いて1年4ヵ月も費やしている。 またゲームによってはCDの読取不良でフリーズが多発し、最初のインストールですらデータ不備でセットアップが出来なかったりした不良品もあるなど、ゲームとしての動作に関する基本的なトラブルを続出させた。アダルトゲームの製作と発売はあくまでもサンテックレコードの資金源の一つとしか捉えてなかったためユーザー対応の面でも問題があり、トラブル続出にもかかわらず対応が遅く、ユーザー補償に消極的な姿勢を見せていた。これによりユーザーとのトラブルが絶えず、加えて肝心のゲーム内容があまりに貧相だった事からユーザーの反感を買ってしまい、信用失墜によりファン離れが加速した。 売れ行き不振により2002年頃からは麻雀を主体としたテーブルゲーム系のアダルトゲームにジャンルを転換している。しかし外注製作による製作上のトラブルは続き、これが原因でわずかな本数のゲームしかリリース出来なかった上、会社の開発資金を予想以上に使って負債を多く出してしまった。一説にはゲーム予算が底を突き、サンテックレコードの資金を流用せざるを得なかったと言われる。 結局ヒットとは全く無縁で、資金源になるどころか度重なる失敗により、更なる負債を抱え込んだ。同社は会社の業務縮小を余儀なくされ、CD製作部門のサンテックレコードはかろうじて維持したものの、アダルトゲーム部門のk'Night!は2002年内、Studio TAKOは2003年内で活動休止し、ゲーム市場から完全撤退している。
※この「ゲーム業界からの完全撤退」の解説は、「サンテックジャパン」の解説の一部です。
「ゲーム業界からの完全撤退」を含む「サンテックジャパン」の記事については、「サンテックジャパン」の概要を参照ください。
- ゲーム業界からの完全撤退のページへのリンク