ゲームとトラックボールの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 07:59 UTC 版)
「トラックボール」の記事における「ゲームとトラックボールの関係」の解説
慣れにもよるが、マウスに比べると素早く直感的にポインティングすることが不得意な一面もある。また、マウスとは違い、五本ある指のうち最もよく使う親指、人差し指、中指のいずれか一つもしくは手のひら全体を用いてボールを操作するという特性から、近年の高価な上位マウスに比較して多数のサブボタンを導入しにくいという欠点もある。トラックボールにもボタンが数多く付いているものがあるが、通常よく使う3本指のうちいずれか一つが常にボール操作に塞がれるため、マウスに比べれば使い勝手は悪い。上記のような理由から、トラックボールはハードコアにコンピューターゲームを利用しているユーザーからは敬遠されがちな傾向にある。ただし、左手でキーボードならびに多数のボタン操作を行うこともでき、大きなトラックボールを使用したものでは精密操作と同時に大ざっぱな操作が行える(マウスの様な必要スペースを取らない)ため、ジャンルやプレイスタイルに応じて利用される。 アーケードゲームには、タイトル専用カスタムハードウェアという特性もあって、トラックボールを入力デバイスとする作品が古くからある。著名なところでは『ミサイルコマンド』や『マーブルマッドネス』、『アウトトリガー』、『SDI』、『セガソニック・ザ・ヘッジホッグ』などが挙げられる。また過去にはアタリからコンシューマーゲーム機用のトラックボールが発売されていたこともある。 一部のゲームでは単にポインティングデバイスの一種としての採用であるが、たとえば『ミサイルコマンド』の場合、他のポインティングデバイスとしてたとえばライトペンを使ってしまうとゲームが簡単になり過ぎるので、「適度な操作性の悪さ」と、実際の防空システムの装置で使われているデバイスであるという演出面の意味もある。ジョイスティック(アナログジョイスティック)が、定常的には2軸(2次元・2自由度)の角度を入力するデバイスであるのに対し、トラックボールは2次元の角速度を定常的に入力できるというのが違いであり、『マーブルマッドネス』はそれがそのままゲーム世界内のボールに反映する、という点で特にマッチしたシステムと言える。 手を放してもホームポジションやニュートラルポジションに戻らないという特性から、複雑なコマンドを素早く的確に入力する必要に迫られる格闘ゲームなどにはマウスと同様に不向きである。業務用ゲーム機としてのトラックボールは独特の操作性を持つ反面、難点も多い。激しいプレイでの故障によってメンテナンスが多くなり、筐体パネルとボールの隙間などによりプレイヤーが手を怪我する場合もある。通常のレバー、ボタンの操作と比較すると部品は少ない。現在ではトラックボールを使用するゲームは極稀である。家庭用ゲームでは、前述した業務用ゲームの移植版が一部あるのみで、トラックボール使用を強制するゲームはほぼない。
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