ゲルハルト・リヒターのステンドグラスとは? わかりやすく解説

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ゲルハルト・リヒターのステンドグラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 02:56 UTC 版)

ケルン大聖堂」の記事における「ゲルハルト・リヒターのステンドグラス」の解説

大聖堂南側の窓には、2007年8月26日からドイツ芸術家ゲルハルト・リヒターデザインによるステンドグラスがはめ込まれている。第二次世界大戦中爆撃大聖堂南側の窓が破壊されると、ヴィルヘルム・トイヴェン(Wilhelm Teuwen)がデザインした窓が取りつけられたが、窓を透過する光が眩しすぎ、機能的に不十分だ考えられた。ケルン大聖堂中央建築協会総会新たなステンドグラスデザイン20世紀カトリック殉教者具象的な肖像とすることを決めたリヒター2001年にこの仕事引き受けると、最初に国家社会主義犠牲者処刑シーン映した写真をもとにした2つデザイン案を提案した。しかし、すぐにリヒターはこのきわめて残酷なシーンモチーフとして不適切で、ほかの歴史的なモチーフ時代そぐわない考え始めたリヒター新たに提案したデザインは、中世幾何学的抽象的な模様と、彼自身考案した幾何学的な構成とを組み合わせたものであった新たな窓は、それぞれが9.6平方センチメートル正方形ガラス1万1,500からなり複雑な格子模様になっているリヒターは、ガラスの色を大聖堂に残る中世のガラスにも使われている72色に限ることで、新しい窓を教会内装配色調和させよう考えたステンドグラス各部分は伝統的には鉛の仕切られていたが、環境負荷考慮して幅2ミリあまりの黒のシリコーン置き換えられている。 色の配置Mike Karstensが開発したコンピューター乱数発生プログラムによりランダムに決定された。この配置ランダムかつ最大限無秩序生み出すために慎重に決められている。それゆえ壮大かつ色とりどり印象与えるが、同時に厳格な格子模様カラフルな混沌に高度な調和与えている。この色配置法則は、リヒター1966年から1974年にかけて制作したカラーチャートに基づく初期パネル絵さかのぼる。 彼のデザインは、特にケルン聖職者たちの間で論争の的となった反対派は、あまりに現代的抽象的大聖堂には合わないとして、より具象的ストーリー性のあるデザイン要望した。しかし、伝統的には窓のステンドグラスに必ずしも具象的な描写をすべきものではなかった。 実際ケルン大聖堂には19世紀または20世紀制作された窓のほかに、1260年から1562年にかけて制作されステンドグラス窓が43面ある。これらは計4,100枚ガラスからなりそのうち1,500具象的なモチーフ表現しているが、残り程度の差こそあれ装飾的なものであり、植物モチーフしたもの抽象的幾何学的なパターン用いたものもある。 また注目すべきは内陣の南と北の3つの採光窓で、これらの窓の頂点近くにはリヒターデザインによく似た小さな四角形からなる格子模様丸窓あしらわれている。これは1300年ごろに制作されたものだが、リヒターはこの窓に気付いていなかったという。 リヒターデザインした窓について、2006年ケルン大聖堂主席司祭Norbert Feldhoffは「生命吹き込み活気付け瞑想促進しわたしたち宗教受容する空気作る」と述べている。

※この「ゲルハルト・リヒターのステンドグラス」の解説は、「ケルン大聖堂」の解説の一部です。
「ゲルハルト・リヒターのステンドグラス」を含む「ケルン大聖堂」の記事については、「ケルン大聖堂」の概要を参照ください。

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