カトリック殉教者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 05:34 UTC 版)
この詩は実はカトリックの追悼頌徳文だとする説もある。この説はシェイクスピアが実はカトリックのシンパだったとする説と結びついている。クレア・アスキス(Clare Asquith)は、この詩はイエズス会の殉教者ロバート・サウスウェル(Robert Southwell)とヘンリー・ウォルポール(Henry Walpole)を追悼しているのではないかと指摘した。 一方、ジョン・フィニスとパトリック・マーティンは、1601年にタイバーンで処刑されたカトリック教徒アン・ライン(Anne Line)についての詩だと主張した。アン・ラインには若い夫ロジャーがいたが、カトリック行動主義のためロジャーは追放され、大陸で亡くなった。後にアンは非合法のミサを開き、聖職者を匿った罪で有罪判決を受け、処刑された。シェイクスピアの夫婦同様、ライン夫妻にも子供がいなかった。 ヒルデガルド・ハンマーシュミット=フンメルはエセックス伯とその友人第3代サウサンプトン伯爵ヘンリー・リズリー説を提起した。二人は大逆裁判の初日に死刑を宣告されたが、サンサンプトン伯は後に赦された。 こうした解釈に従うと、この詩は個人となったカップルに対する想像上のカトリックのレクイエムを含む寓話と言える。ハンマーシュミット=フンメルは、詩に登場する他の鳥たちのモデルとして、アンソニー・シャーリー(Anthony Shirley)、フランシス・ベーコン、ロバート・セシル、ジェームズ1世、そしてエリザベス1世の名を挙げている。フィニスとマーティンも、「大声でさえずる鳥(bird of loudest lay)」は作曲家のウィリアム・バードで、カラスはヘンリー・ガーネット神父(Henry Garnet)だとした。
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