キ900形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 09:12 UTC 版)
キ900形は1941年(昭和16年)の形式名変更により、1929年(昭和4年)からキ500形の経験を元に乗務員室を拡大、当初から二軸ボギー車とするなどの改良型として製造されたキ550形(初代)15両(キ550 - キ564)を改番(キ900 - キ914)したマックレー式雪かき車である。 その後1949年(昭和24年)より1951年(昭和26年)にかけて5両(キ915 - キ919)が汽車製造大阪工場にて製造され、戦前製では最大作業幅5.4mであったかき寄せ翼を拡大しただけでなく先端に折りたたみ式の小翼を備え、最大幅7.75mまでの段切り除雪を行うことが可能になった。また当初は乗務員室部分が戦前製と同じ木造であったが、最後に製造されたキ918と919は鋼製の乗務員室を備えて完成した。 本形式は戦前のキ550形時代から新潟や長野地区へ配属されたものを中心に乗務員室部分からかき寄せ翼の駆動部上まで屋根を延長する改造がなされたほか、1936年(昭和11年)当時は新庄検車所配置であったキ550の乗務員室に鋼鈑を貼る改造が行われていたことも確認されている。昭和36年度貨車整備工事改造計画(1961年(昭和36年)9月28日総裁達第556号)により旭川工場にて5両(キ903、キ911、キ912、キ918、?)、郡山工場にて1両(キ910)、新津工場にて3両、長野工場にて2両(キ900、?)、松任工場にて2両(キ905、キ907)、の合計13両に対して木製の乗務員室(側、妻及び屋根)を撤去し、鋼製の乗務員室とする工事、及び夜間作業を容易にするための作業燈を新設する工事が行われた。 1976年(昭和51年)度に形式消滅した。 車体塗色は黒で、1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正では高速化不適格車とされて、速度指定65km/hの「ロ」車となり、黄1号の帯を巻いている。 全長は8,470 mm、全高は3,990 mm、自重は24.5 tで、換算両数は2.0である。台車は戦前製造分(キ900 - キ914)はアーチバー式のTR20(画像キ911参照)、戦後製造分(キ915 - キ919)はベッテンドルフ式のTR41となった。
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