カンガルー族・ブーメランキッズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 11:14 UTC 版)
「大韓民国」の記事における「カンガルー族・ブーメランキッズ」の解説
厳しい受験戦争を勝ち抜いて有名大学を卒業しても、就職できない学生が増え続けている(若年失業)。「最低賃金引き上げ」「労働時間短縮」を受けて企業は韓国国内に投資しなくなったため、若年層が影響を受けて最悪の青年失業率になっている。2017年から2018年にかけて日本の大卒就職率は98%なのに対して、韓国は日本の最低89.7%を下回る67.7%である。就業意欲喪失者含む実質的な失業状態にある人を含んだ青年層の体感失業率、アルバイトをしながら就職活動中の人や入社試験に備える学生などを含めた体感失業率は統計開始以降最悪の約23 - 24%である。中央日報は「主要先進国が活況を呈しながら、韓国の若者だけ前例のない求人難を経験している」と嘆いている。若年失業率が過去最高を更新するなかで、20歳を過ぎた子を親が扶養するケースが増加している。自立すべき年齢でありながら親に頼る「カンガルー族」、「ブーメランキッズ」を持つ40 - 60代の中壮年層は自分の子と高齢者となった親を同時に扶養する二重の負担を抱えている。 25歳以上で親から月平均73万8000ウォン(約7万3300円)をもらっている。このような自立できない人が増加して、40 - 60代の4割が25歳以上になった子供を扶養している。50代の毎月の支出の25%を占めている。 韓国の労働市場は正規雇用は25%、残り75%は一時雇用など低収入の仕事であるため、75%の側にならないために履歴書に書ける項目を増やす「スペック」積み、入社後も出世競争もある超競争社会である。苛烈な競争社会で、受験戦争を勝ち残って一流大学を卒業して大企業に就職するのが理想とされている。サムスン電子やLG電子、現代自動車など大手財閥系企業に就職できる者はわずかであり、大手財閥系企業でなければ脱落者とみなされかねない空気がある。自殺や鬱になるものが他世代よりも増加し、2016年には20代の鬱病患者が2012年よりも22.2%増えた。2018年時点で20代の約40万人が失業者である。「就職無経験失業者」は2018年時点で10万4000人で、20、30代が8万9000人で85.6%を占める。雇用経験がまったくない若い求職や、就職できても質の低い仕事に追いやられるものが増加している。 そのため、日本への就職希望者が増加している。2016年には日本で就職した韓国人は2008年比で2.3倍になった。
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