イギリス軍の攻撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/02 03:15 UTC 版)
「第二次サケッツ港の戦い」の記事における「イギリス軍の攻撃」の解説
翌5月29日朝、プレボストが攻撃を再開させた。イギリス軍は町の南にあるホース島に上陸した。このときアメリカ軍民兵隊に属する6ポンド野砲2門とトンプキンス砦の海軍用32ポンド砲の長射程から砲撃を受けた。島を守るオルバニー志願兵隊からもマスケット銃攻撃を受けた。イギリス軍はボートの上で数人を失ったが、上陸に成功したので、オルバニー志願兵隊は撤退した。上陸した部隊を十分に集めると、島と本土の岸を繋ぐ水に浸かった土手道を伝って突撃した。イギリス軍はこの時格好の標的だったはずだが、アメリカ軍民兵隊がその銃を捨てて逃亡した。ブラウン准将は最終的にそのうち約100名を再集合させた。 イギリス軍は続いて陸地側から町と造船所を占領することを期待して左翼に回ったが、野砲数門を持ったアメリカ軍がいて、緩りと後退し、その小要塞の背後まで戻ると、それに対するイギリス軍の強襲を悉く跳ね返した。 ヨーも上陸部隊に付いて岸に揚がったが、海軍の大型艦船はどれも攻撃を支援できるほど岸に近づけなかった。岸にかなり近づくことができた小さな砲艦は小さな短射程のカロネード砲を装備しているだけであり、アメリカ軍の防御に対しては効果が無かった。最終的に大砲16門搭載イギリス艦ベレスフォードのみが大櫂(長いオール)を使って岸近くに漕ぎ寄せた。その乗組員が砲撃を始めるとすぐに、トンプキンス砦からアメリカ軍砲兵を駆逐した。ベレスフォードの砲弾の幾つかは砦の上を飛び越え、造船所とその周辺に着弾した。若いアメリカ軍海軍士官のジョン・ドルーリー大尉代行が、砦は降伏したものと誤った認識をし、建造中だったスループ・オブ・ウォージェネラル・パイクと大量の物資に火を点けるよう命令した。ウールコット・チョウンシー大尉はスクーナーよりも造船所を守るよう命令を出していたが、このときはスクーナーの1隻に乗艦して、イギリス艦船に対し長距離の効果が無い攻撃を行っていた。 この時までにプレボストは攻撃目的を達成できないと確信するようになっていた。自軍の野砲は攻撃に加えられず、それが無くてはアメリカ軍の防御に穴を開けることはできなかった。またブラウンが集めた民兵隊が自軍の右翼と後方から攻撃を始めていた。プレボストは撤退命令を出した。プレボストは後に、敵を打ち負かしており、撤退は完全な秩序の内に行われたと記していたが、イギリス兵の別の証言では、乗船が混乱した状態で行われ、各部隊が競い合う中にお互いを辛辣に罵り合っていたことになっていた 。 アメリカ軍の方では、プレボストが大急ぎで撤退したのではなく、彼はキングストンに戻らなかったと主張していた。アメリカ第9歩兵連隊が戦闘の音を聞いて急ぎ行軍してきたが、遮ることができる前にイギリス軍は出発していた。
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