イギリス軍の航空攻撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 13:57 UTC 版)
「マタパン岬沖海戦」の記事における「イギリス軍の航空攻撃」の解説
イギリス地中海艦隊は、イタリア半島にむけて撤退するイタリア艦隊を追撃した。イギリス側は航空攻撃でイタリア艦隊(特に戦艦ヴェネト)に損害を与えて速度を落とさせることを企図した。 12時5分、クレタ島マレメから発進したソードフィッシュ3機がイタリア重巡洋艦ボルツァーノ (Bolzano) を攻撃したが失敗に終わった。15時20分、フォーミダブルから発進した第二次攻撃隊(アルバコア3機、ソードフィッシュ2機、フルマー2機)がイタリア艦隊を襲撃する。偶然にもギリシャから飛来したイギリス空軍 (Royal Air Force) のブレニム双発爆撃機がイタリア艦隊を攻撃しており、イタリア側の注意が分散した。アルバコア3機による攻撃がおこなわれ、ヴィットリオ・ヴェネトの左舷に魚雷1本が命中した。左舷側の推進器軸を破壊されたヴィットリオは、一時的に航行不能となる。イギリス側は第829海軍飛行隊のアルバコア1機(飛行隊長ダニエル・ステッド少佐)が撃墜された。 もしヴィットリオ・ヴェネトがこのまま動けなくなったら、ライン演習作戦で舵を破壊されたドイツ戦艦ビスマルク (Bismarck) と同じ運命を辿った筈である。だがヴェネトは奇跡的に応急修理に成功し、18ノット程度を出せるようになった。イアキーノ提督は旗艦ヴェネトの周辺に重巡洋艦と駆逐艦を配置し、輪形陣となって退却を再開する。19時30分頃、フォーミダブル第三次攻撃隊(アルバコア6機、ソードフィッシュ2機)と、クレタ島マレメから発進したソードフィッシュ2機がイタリア艦隊輪形陣を捕捉、夜間雷撃を敢行する。探照灯の妨害や、対空砲火や煙幕をくぐりぬけ、19時58分に重巡洋艦ポーラ (Pola) に魚雷1本が命中した。ポーラは航行不能になった。 イギリス地中海艦隊主力(A部隊)の位置を知らなかったイアキーノ提督は、偵察機の報告(旗艦ヴェネトより後方約130キロメートル)と、陸上基地からの情報(旗艦ヴェネトより後方約300キロメートル)を比較して、後者を信用した。20時48分、イアキーノ提督は第1巡洋艦戦隊司令官カルロ・カッタネオ(英語版、イタリア語版)上級少将に対し、損傷したポーラの援護に向かうように命じた。ザラに将旗を掲げるカッタネオ提督は直率の重巡洋艦ザラ (Zara) 、フィウメ (Fiume) 、駆逐艦4隻(アルフィエーリ、カルデッシ、オリアーニ、ギオベルティ)を率いてヴェネト輪形陣から分離し、反転してポーラの元へ向かった。
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