イギリス国立宇宙センター(BNSC)
政府と研究機関とのコーディネーター
イギリス国立宇宙センター(BNSC)はイギリス政府科学技術省の下部組織で、政府各局と宇宙研究機関との間の調整役として1985年に設立されました。同センターの運営には通商産業局、国防省、自然環境研究協議会、素粒子物理学天文学研究協議会、気象庁などが出資しています。ロンドン本部のほか、ケンブリッジシャー州ハンティンドンに、リモートセンシング・アプリケーション開発ユニットがあります。
年間約2億ポンド(1999年度)の予算は、約半分が地球観測に関する研究に使われるほか、宇宙科学、衛星通信、テクノロジー等の研究プログラムを支援しています。
イギリス宇宙産業の競争力向上を目指して
1999年以降のイギリスの宇宙政策では、将来の宇宙産業市場におけるイギリスの競争力向上を最大の目的としています。そのため、地球観測科学および宇宙データ処理技術の研究、開発に焦点が置かれており、大量の宇宙関連データが国内で扱われています。
ロケットや探査機などの開発はイギリス独自では行っておらず、欧州宇宙機関(ESA)のプロジェクトに技術参加する形をとっています。今までに参加したESAプロジェクトには、太陽風の観測を行う「クラスター2」、彗星探査丘ロゼッタ」、遠赤外線宇宙望遠鏡「FIRST」などがあります。ESAに対するイギリスの出資額は1986年以来、参加14か国中4番目(1999年度は約8%)となっています。
写真:太陽風の観測衛星「クラスター2」(ESAプロジェクト)
イギリス国立宇宙センター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/10 06:49 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動イギリス国立宇宙センター(イギリスこくりつうちゅうセンター、British National Space Centre, BNSC)は、かつて存在したイギリスの11の行政組織や研究機関が自発的に参加する集合体である。1985年に、イギリスの文民的宇宙開発活動を調整することを目的として組織された。2010年4月1日、イギリス国立宇宙センターは解消され、イギリス宇宙局(UK Space Agency)が設立された。
宇宙科学、地球観測、人工衛星を用いた通信、衛星測位システム(例えばGPSやガリレオ)などに力を入れていた。
他国にあるような自己完結した宇宙機関とは異なり、BNSCは他の行政組織などから出向してくる公務員50名ほどから構成されていた。2億UKポンドほどであるイギリスの宇宙関連予算(2005年度の場合[1])は、BNSCではなく貿易産業省か協力機関による出資で、そのうち半分以上は直接欧州宇宙機関のプロジェクトに用いられた。BNSCの本部は年間約50万ポンドで運営されていた[2]。
BNSC構成組織
- 貿易産業省 (Department of Trade and Industry) およびその下位組織、科学技術局 (Office of Science and Technology)
- 運輸省 (Department for Transport)
- 国防省 (Ministry of Defence)
- 外務英連邦省 (Foreign and Commonwealth Office)
- 環境・食糧・農家省 (Department for Environment, Food and Rural Affairs)
- 教育技能省 (Department for Education and Skills)
- ラザフォード・アップルトン研究所 (Rutherford Appleton Laboratory)
- 自然環境研究委員会 (Natural Environment Research Council)
- 科学技術施設研究会議 (Science and Technology Facilities Council)
- 気象庁 (Met Office)
脚注
- ^ BNSC - How we work
- ^ Peter de Selding, British Audit Finds Strengths, Needs in Space Program, Space News, 2004-03-29
関連項目
外部リンク
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