アルタ地区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 06:05 UTC 版)
「コインブラ大学-アルタとソフィア」の記事における「アルタ地区」の解説
現在の大学の建造物群はアルタ地区に集まっている。移転当初の建物があったとされているのがコインブラ大学総合図書館(英語版)の辺りである。1537年にアルカソヴァ宮殿に移転して形成されたのが旧大学 (Velha Universidade) で、観光名所となる歴史的建造物群はここにある。アルカソヴァ宮殿の前身は10世紀のムーア人要塞で、コインブラに首都が置かれていたときには王宮として使われていた建物である。 旧大学に1630年代に建てられたポルタ・フェレア(鉄の門)は、当時の医学、法学などの各学部を象徴する彫像で飾られており、ルネサンス様式やマヌエル様式が見られる。この門には「無情の門」という別名がある。内部にはかつてラテン語しか使えなかったことからその名が付いた「ラテン回廊」(Via Latina) があり、「帽子の間(ポルトガル語版)」(Sala dos Capelos) に続く。帽子の間はかつて宮廷の広間だった場所で、総長就任式や学位授与式といった大学の式典が行われてきた場所である。旧大学内のサン・ミゲル礼拝堂(英語版) (Capela de São Miguel) は、17世紀のアズレージョ、祭壇やオルガンに見られる装飾の美しさなどが特筆されている。 鉄の門から見て一番奥に当たるのがジョアニナ図書館である。ジョアン5世の命令で1717年から1728年に建てられた図書館で、自然科学関連書籍などを多く集めた啓蒙時代の大学の姿を伝えるだけでなく、バロック様式風の玄関、ターリャ・ドウラーダ(ポルトガル語版)の内装など、その美しい装飾についての評価も高く、「ポルトガル最高級の文化財」、「豪華さという意味では、世界でも一、二を争う図書館」などといった声もある。 旧大学の構成要素 鉄の門 帽子の間 サン・ミゲル礼拝堂(ファサード) サン・ミゲル礼拝堂(内部) ジョアニナ図書館(外観) 啓蒙時代には自然科学方面の拡充が図られたが、コインブラ大学植物園(Jardim Botânico)は、まさにその時代に開園したものである。1774年設計のこの植物園はウィリアム・エルスデンの手になるもので、熱帯植物や針葉樹など、様々な植物が生育しており、一般にも無料で公開されている。植物園と同じ時期に建てられた建造物には、大学出版会、化学研究所などがある。 コインブラ大学植物園 前出の総合図書館は1940年代に「大学都市」が整えられたときに建てられたものであり、現代の文学、医学、数学などの各学部・学科棟や学生会館(英語版)なども同じ時期に形成され、総合図書館を含むいくつかの建物は、コインブラ大学におけるモダニズムを代表するものと見なされている。 「大学都市」 総合図書館 文学部棟 医学部棟 学生会館
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