アクサスの傘下へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 07:10 UTC 版)
このような縮小策を進めたが、2008年度に入っても事業環境は好転せず、2008年7月には会社設立から50周年という節目の年を迎えたが、会社存続の見通しすら厳しい状況であった。ナカイとしての最後の決算発表となった2009年3月期決算でも、営業赤字の計上に加え、店舗撤退がほぼ一段落したことにより店舗撤退関連損失は減少したものの、減損損失などが主要因の多額の特別損失が発生し、最終損益は9億円近い赤字となった。また、前期までの繰越損失を解消するために本年度についても資本準備金を取り崩して補填したが、この結果資本準備金はほぼ底をついた状況となり、剰余金・準備金の取り崩しによる損失穴埋めも限界に達した。かつて積み上げた約36億円という多額の資本金のため、債務超過のような危機的状況は免れていたものの、剰余金・準備金の類がほぼ底をつき、損失処理すら難しくなった状況下では減資など大幅な対策が必要な状況となっていた。また株式についても、大証2部に上場するナカイ株の取引は低迷し、2008年9月末には時価総額が5億円未満になったため、大証が定める時価総額に関する上場廃止基準に抵触、上場廃止猶予期間に入った。 そのような状況のナカイに対して、同じ徳島県を拠点として小売業を手掛けるアクサスが2009年2月16日、株式公開買い付け(TOB)による子会社化を正式に提案した。この提案に対して、ナカイ側は同日開催の取締役会で賛同を表明、1株32円での買い付けが開始された。この買い付けに際しては、中飯純子社長ら中飯一族と関連会社からの買い付け応募を得たことで60%超の株式を容易に確保できたことなどもあり、最終的には議決権ベースで86.16%(発行済株式総数ベースでは85.02%)の株式を取得し、TOBは成功裏に終わった。これにより、創業以来続いた中飯家によるオーナー経営は終わり、ナカイは新たにアクサスの傘下企業として再出発することとなった。アクサスには新たにHK(ホームキーパー)事業部が設けられ、ホームセンター事業は同事業部の管轄となった。 同年5月には、取締役会において中飯純子社長の退任と、後任にアクサスの久岡卓司社長が就く人事が決定され、6月29日の株主総会で正式に承認・就任した。これにより、中飯家は支配のみならず経営からも完全に手を引き、会社設立以来およそ51年にわたって続いた同族経営に終止符が打たれた。また、この代表取締役異動を決議した取締役会においては、懸案であった財務に関しても、資本金を11億円減資し、「その他資本剰余金」に振り替えて処理する旨が決議された。 また、TOBの成功に伴って2009年7月29日付で大証2部より上場を廃止し、約20年の上場期間にピリオドを打った。このような流れの一方で、従来「ホームセンターナカイ」として営業してきた三木店(香川県木田郡三木町)を、「ホームキーパーデコール」という新ブランド名に変更してリニューアル・オープンするなど「攻め」の経営も見せた。その後は、同年10月に社名を「ナカイ株式会社」からブランド名にもなっている「ACデコール株式会社」へと変更するとともに、先行リニューアルした三木店以外の店舗についても、順次リニューアルされた。 2012年9月、アクサス株式会社に吸収合併され解散した。3店舗はアクサス株式会社の店舗「デコール」として現存する。
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