その他の歌舞伎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 07:16 UTC 版)
通常の歌舞伎とは演出・興行団体などが異なる歌舞伎興行として以下のものがある。 スーパー歌舞伎:三代目市川猿之助(二代目市川猿翁)が1986年に始めた現代風の歌舞伎で、特徴としては明治以降の歌舞伎では軽視されることが多い外連(けれん)の重視、現代の価値観に沿った演出などがあげられる。新橋演舞場などで上演されることが多い。2015年現在は三代目猿之助が二代目市川猿翁を襲名して事実上隠居したものの、四代目市川猿之助が後を引き継ぎ「スーパー歌舞伎II(セカンド)」と銘打って新たな演目に挑戦している。 コクーン歌舞伎:渋谷のBunkamuraの劇場シアターコクーンで行われる歌舞伎公演で、古典歌舞伎の演目を新たな演出で上演し、たとえば下座音楽の代わりにエレキギターやクラシック管弦楽を使う。 平成中村座:十八代目中村勘三郎と演出家の串田和美らが中心となり、浅草の隅田公園内に江戸時代の中村座を模した仮設の芝居小屋で行われる。勘三郎逝去後は長男の六代目中村勘九郎が座主を引き継ぎ、2014年7月にニューヨークで復活公演を行った。 前進座:公演は歌舞伎のみならず、歴史劇、現代劇や子ども向けミュージカルなど多彩。毎年5月の国立劇場公演を中心に、南座での初春公演、2月国立文楽劇場公演、9月の国立文楽劇場公演、秋の名古屋公演など都市部のみならず、地方での巡業公演も積極的に行っている。 超歌舞伎:2016年のニコニコ超会議2016より行われている公演で、バーチャルアイドル初音ミクと二代目中村獅童を中心とした歌舞伎役者がNTTによる最新テクノロジーを駆使した演出により共演する。2019年8月には京都南座での公演も行われている。 六本木歌舞伎:十一代目市川海老蔵を中心とした新作歌舞伎の公演で、三池崇史が演出している。2017年の六本木歌舞伎座頭市では女優の寺島しのぶが盲目の少女と花魁で出演。 システィーナ歌舞伎:複製画の展示施設である徳島県鳴門市の大塚国際美術館システィーナホールで行われる公演。2009年に初演されて以来ほぼ毎年の恒例行事となっており、「和と洋のコラボレーション」をテーマとして水口一夫による書き下ろし新作が上演される。 滝沢歌舞伎:滝沢秀明を中心とした歌舞伎公演で、前身の「滝沢演舞城」から改題。バンジーやフライング、イリュージョンなどの要素を取り入れている。2019年以降は「滝沢歌舞伎ZERO」に改題。 1955年から1983年までは東宝も歌舞伎を行っていた(東宝歌舞伎)。また歌舞伎以外では劇団新派の公演に歌舞伎役者が登場することが多い。
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