その他の旧西金堂諸仏とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > その他の旧西金堂諸仏の意味・解説 

その他の旧西金堂諸仏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 06:43 UTC 版)

興福寺の仏像」の記事における「その他の旧西金堂諸仏」の解説

木造金剛力士立像 2躯国宝所在)(国宝鎌倉時代像高 阿形154.0cm、吽形153.7cm もと西金堂に安置されていた一対仁王像で、鎌倉復興期の作である。寺門守護する仁王像異なり仏堂安置されいたものなので、像高1.5メートル強と小型である。2躯ともにヒノキ材の寄木造玉眼眼の部分水晶嵌入する技法)を用いる。開口する阿形あぎょう)像の腰裳口を閉じる吽形うんぎょう)像の脛などには塑土を盛り上げている。肉身部は阿形像は朱色吽形像は白色塗り、両像の腰裳には彩色截金によって文様を表す。寄木造の像では前後左右に材を寄せるのが一般的だが、本像は上半身下半身を別材で造っており、これは激し身振り表現するための工夫とみられる阿形像の左足先、吽形像の右手首から先と乳頭などを欠失する。 江戸時代の『興福寺濫觴記』には、本像は春日大仏師定慶の作で、正応元年1288年)、大仏師善増大仏師観実が修理した旨の記載がある。大正2年1913年)の修理時に吽形像の像内から見出され紙本墨書修理銘にも作者修理者、修理時期について同様の記載があった。像は緊張した筋肉血管浮き出るさまを写実的に表現しているが、吽形像の体勢には破綻指摘されている。作者は、寺伝のように定慶の作とする確証はなく、定慶周辺仏師の作と考えられている。東金堂の十二神将像のうち伐折羅大将像との顔貌類似指摘されている。 木造天燈鬼・龍燈鬼立像国宝所在)(国宝龍燈鬼鎌倉時代建保3年1215年康弁作。天燈鬼鎌倉時代作者不明康弁またはその周辺の作)。像高 天燈鬼78.2cm、龍燈鬼 77.8cm もと西金堂に安置されていた一対鬼形像である。ともにヒノキ材の寄木造玉眼眼の部分水晶嵌入する技法)を用いる。天燈鬼像は三眼を有し、腰に獣皮腰巻着ける。左肩に乗せた燈籠左手支え、腰を左にひねり、右手は拳をつくって外方突き出し体のバランスとっている。龍燈鬼像は褌を着け腕組みをして直立し、体には龍が巻き付く頭上乗せた燈籠上目使い見上げている。両像の顎には植毛の跡があり、龍燈鬼は眉に銅板、牙に水晶、龍の(ひれ)に革を用いるなど、木材以外の材料使用している。天燈鬼像は開口龍燈鬼閉口阿吽一対をなす。もと天燈鬼像は朱色龍燈鬼像は緑色塗られていたが、現状彩色がほとんど剥落している。 中金堂・西金堂が享保2年1717年)に焼失した際の記録である『享保丁酉日次記』には、この時焼け残った像として「天燈龍燈」が挙げられており、これが本像に該当する。同記録には、龍燈鬼像の像内に「建保三年法橋庚弁作」(「庚」は原文ママ)の書付のある紙片があったと記載されているが、この書付存在は現在確認できない木造仏頭(附 仏手2箇)(国宝所在)(重要文化財鎌倉時代文治5年1189年)頃、運慶作とする説がある。総高98.0cm 如来像の頭部のみが残ったもので、前後の材の矧面(はぎめん)に「西金釈迦」の墨書があることが修理時に確認されている。鎌倉復興期造られ西金堂本釈迦如来像頭部で、享保2年1717年)の西金焼失時に救い出されたものと推定される。同じ像のものと思われる仏手2箇も現存する。2箇とも手首から先の部分のみが残り親指以外の指を折損する。 『類聚世要抄』という史料西金釈迦像を運慶造立したことが記されることから、この仏頭がそれに該当し運慶の作である可能性が高い。ただし、同時期の運慶作品との作風相違などから、現存する仏頭運慶結び付けることには、なお慎重な意見もある。 木造飛天・化仏 11躯飛天8、化仏3)(国宝所在)(重要文化財鎌倉時代文治5年1189年)頃。総高 飛天35.0〜 62.0cm、化仏 30.8〜 36.7cm 上述木造仏頭と同様、西金堂の遺物とされるもので、西金堂本釈迦如来像光背附属していたもの推定される飛天8躯と如来形の化仏(けぶつ)3躯が現存する木造仏頭 金剛力士阿形Kongōrikishi by anonymous sculptor (Kōfuku-ji, 2) (National Treasure).jpg 金剛力士吽形竜燈鬼 天燈鬼

※この「その他の旧西金堂諸仏」の解説は、「興福寺の仏像」の解説の一部です。
「その他の旧西金堂諸仏」を含む「興福寺の仏像」の記事については、「興福寺の仏像」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「その他の旧西金堂諸仏」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「その他の旧西金堂諸仏」の関連用語

その他の旧西金堂諸仏のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



その他の旧西金堂諸仏のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの興福寺の仏像 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS