さらなる混沌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 07:38 UTC 版)
「広島のサッカースタジアム構想」の記事における「さらなる混沌」の解説
検討協議会(2015年1月解散)の答申を受ける形で、県・市・商議所は「作業部会」を設け(ここにサッカー協会及びサンフレは加わっていない)、旧市民球場跡地と広島みなと公園の比較検討を行う。2015年7月、湯崎英彦広島県知事、松井一実広島市長、深山英樹広島商工会議所会頭(広島ガス代表取締役会長)によるトップ会談が行われ、「検証結果から旧市民球場跡地は、多機能化・複合開発、スタジアムの規模に課題がある。広島みなと公園が優位と考える」(湯崎知事)との認識で一致し、「最終判断にはさらに詳しい調査を行い、宇品地区を中心とする物流拠点の交通対策などを検討する必要がある」とした上で年度内にも結論を出す方向性が固まったと報じられる。具体的には、3万人規模のスタジアムを旧市民球場跡地に建設しようとすると、周辺の高さ制限の関係から地盤の掘り込みが必要になり、結果的に旧市民球場跡地では約260億円、広島みなと公園では約180億円の建設費用となり、広島みなと公園に作った方がコスト的に優位である、とするものであった。この動きに対し、広島みなと公園周辺の物流業者でつくる広島みなと振興会が「(サッカースタジアムが建設されることで試合開催日に広島港周辺で渋滞がひどくなることで)物流が滞り、港湾運送事業だけでなく県内経済に重要な影響が出る」などとして強く反発した。 一方、県・市・商議所の動きに対し、サンフレの久保允誉代表取締役会長(エディオン代表取締役社長)は2016年3月3日に記者会見を開き、旧市民球場跡地への独自のスタジアム建設案「Hiroshima Peace Memorial Stadium」(ヒロシマ・ピース・メモリアル・スタジアム、仮称)を発表する。旧市民球場跡地にサンフレが当初より主張していた「2万5000人規模」のサッカースタジアムを建設するというもので、これにより「作業部会」が想定していた地盤の掘り込みが不要となることから建設費用は広島みなと公園の180億円(インフラ整備費を含まず)に対して140億円にまで押さえ込むことが可能になってコスト面で逆転するというものであり、加えて旧市民球場跡地に建設する場合はエディオンと久保会長個人が建設費のうち30億円を拠出し、残りは寄付金とtotoの助成金を充当した上で「スタジアム建設のための公募債を発行し償還原資はサンフレが負担する」または「建設主体となる特定目的会社(SPC)が金融機関とエディオンから建設資金の借り入れを行う」ことで県・市の負担を実質無くすことが出来るスキームを想定していること、仮にサッカースタジアム建設予定地が広島みなと公園に決まった場合、サンフレはスタジアム使用料や観客の輸送コスト負担などで供用開始後2年で債務超過に陥るとして広島みなと公園のスタジアムを本拠地として使う予定がないことを明言した。 この発表を受けて、県・市・商議所は2016年3月29日、「この案(サンフレ案)はこれまで作業部会が検討している内容とは収容人数等の前提が異なり、また、整備費の起訴となる仕様の内容等が示されていない」「(作業部会がサンフレッチェ広島へ)依頼した確認事項へのご回答をいただいていないなど、現状では確認作業、意見交換ができていない」とサンフレッチェの対応を批判した上で、年度内にも開催するとしていた県・市・商議所による結論を出すための三者トップ会談を延期し、結論の判断を先送りすることを発表した。サンフレ側は事態の打開に向け、県・市・商議所にサンフレを加えた4者での公開トップ会談を開催して大まかな方向性を定めるべきだとしており、トップ会談の必要性については4者で認識が一致しているが、県・市・商議所はトップ会談の前に事務レベルでの意見のすりあわせが必要だとして、サンフレと三者の考え方の隔たりがなかなか埋まらなかった。
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