かいよう‐しんそうすい〔カイヤウ‐〕【海洋深層水】
海洋深層水(かいようしんそうすい)
大陸棚を越える水深200m以深の領域に存在する。この領域では、太陽光線が海水に吸収されて届かず、およそセ氏5度という低い水温で安定していることが特徴である。また、水圧は数百気圧にも上る。
細菌や化学物質による汚染が非常に少なく、栄養素や微量元素が豊富に含まれているため、天然資源としての開発と利用が期待されている。
深海は、太陽光線が届かない暗黒の世界であるため、植物プランクトンによる光合成が行われない。したがって、有機物の分解が優勢となって進行し、無機栄養塩が蓄積されていく。その結果、海洋深層水は栄養分に富んでいるというわけである。
現在、文部科学省をはじめ、多くの研究機関で海洋深層水の実用化へ向けた研究・開発が進められている。特に、高知県、沖縄県、富山県、北海道では、この新しい産業に地域振興の活路を求め、育成を推し進めている。
海洋深層水は、健康飲料、化粧品、医薬品として活用されるだけでなく、温度差発電、水産業での利用、衛生管理への活用など幅広い可能性を秘めていると言われている。
(2001.02.06更新)
海洋深層水
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