おかやまけんのえようのしゅうぞくとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > おかやまけんのえようのしゅうぞくの意味・解説 

岡山県の会陽の習俗

名称: 岡山県の会陽の習俗
ふりがな おかやまけんのえようのしゅうぞく
種別1: 風俗習慣
保護団体名:
選択年月日 2003.02.20(平成15.02.20)
都道府県(列記): 岡山県
市区町村(列記):
代表都道府県 岡山県
備考
解説文: 岡山県南部中心に会陽あるいは裸祭り呼ばれる行事伝承されている。この行事は本来修正会結願しゅしょうえけちがん】の日に行われる行事であったが、現在では民俗行事化しており二月行われることが多い。
 現在、会陽行事が行われているのは、岡山市西大寺西大寺、同市金山金山寺英田郡美作町林野【あいだぐんみまさかちょうはやしの】の安養寺などで、他に、岡山市広谷無量寿院むりょうじゅいん】や、備前市西片上にしかたかみ】の恵美須【えびす】宮、真庭郡【まにわぐん】落合町木山寺などでもかつて行われていたことが知られている。なお、無量寿院では平成十四四月復活実施された。
 このうち毎年二月第三土曜日行われている西大寺会陽を例にとると、以下のような次第行われる
 会陽までの間、西大寺ではさまざまな準備が行われる。まず、一月末にシンギ作り使用される道具類を磨く「事始め」が寺棟梁によって行われ修正会参加する僧侶たちによって大般若経転読が行われる。以後シンギ取りシンギ削りなどが行われ、二月第三土曜日十三日前から修正会が始まる。修正会西大寺周辺真言宗寺院協力得て一二名の職衆しょくしゅ】によって行われる
 結願の日、会陽参加する人びとは、下帯姿になって仁王門から境内に入ると、石門通って垢離【こり】取り場に向かい、ここで身を清めた本堂拝し、さらに本堂裏手牛王所【ごおうしょ権現詣でる本堂西側回り四本柱通って本堂大床に向かう。シンギ投下のかなり前から境内入ってくる人びともおり、シンギ投下のころまでには本堂大床入りきれないほどの人びとあふれかえる西大寺観音院本堂結願法会が行われた後、深夜一二時に本堂の福窓から二本シンギ投げおろされ、裸の参詣者によって本押しといわれる争奪戦が行われる。これらの人びと大床地面踏み鳴らす音は、悪霊封じ込めるとともに、福を招来すると信じられている。争奪戦の末シンギを手にした男が寺から走り出して、白行灯つるして待つ祝主【いわいぬし】のもとに駆け込み用意されている一升枡入った米の中にシンギ立てるとシンギ争奪戦終了し山主西大寺住職)がシンギ検分をしてこの日の行事終了する翌日シンギ納め祝い式、数日後後祭【あとまつ】りがあってすべての行事終了するシンギをとった男は、トリヌシ(福男ともいう)といわれ、大変名誉なこととされている。昭和四十年代半ばまでは、本押し前に三日間ほど青年団主催で、本押し同じよう下帯姿の男たち境内四本柱周辺集まって押し合い、宝筒【たからづつ】を争奪する地押しといわれる行事が行われていた。地押しのときにも宝筒をとったトリヌシには、賞品として米俵渡されていた。
 祝主は本来シンギ受け取り希望する人びとがなり、軒先に白行灯つるしてトリヌシが飛び込んでくるのを待っていたものであったが、トリヌシに対す賞金お祝いの宴などの出費多く個人ではなり手なくなり、現在では企業などが祝主になっている
 この行事は、年始にあたって国家安泰万民豊楽五穀豊穣祈願する修正会民俗行事化したもので、我が国民間信仰考え上で注目される



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「おかやまけんのえようのしゅうぞく」の関連用語

おかやまけんのえようのしゅうぞくのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



おかやまけんのえようのしゅうぞくのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS