『摂政委譲』とは? わかりやすく解説

『摂政委譲』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:04 UTC 版)

マリー・ド・メディシスの生涯」の記事における「『摂政委譲』」の解説

ルーベンス『マリー・ド・メディシスの生涯』全作品制作時通じて論争引き起こした出来事絵画を描くときにはマリーアンリ4世双方機嫌損ねないように細心の注意払ったマリールーベンスに、自身生涯ありのままに描くよう依頼したが、ルーベンス寓意象徴紛らわせ巧妙な表現用いている。しかしながら一度ならずルーベンス宮廷画家として自由裁量が、マリー正しく評価するような絵画を描くようにという理由制限されたこともあった。この『摂政委譲』は、アンリ4世暗殺される少し前にマリーフランス摂政ドーファン養育アンリ4世から一任されたときの情景描いている。豪華なイタリア建築物背景にして描かれたこの作品は、当初描かれる予定だった構成若干異なった内容描かれた。マリーの右隣には、自信象徴するに裸にされている「賢明」の寓意である女性プルーデンス (en:Prudence) が描かれることになっていた。これは、アンリ4世暗殺マリー関与していたのではないかという当時の噂を打ち消すためだったしかしながらこの描写は、マリーに何らやましいところはないということ確実なものにするために変更された。また、アンリ4世背後から、その運命戦い、そして死を告げる3運命の女神パルカ除去されている。描き直し余儀なくされたルーベンスは、パルカ代わりに3名の兵士描き入れた。 この『摂政委譲』の特筆すべき点に、オーブ球体)を「一国全て対す支配権力」を意味するシンボルとして最初に描いたことが挙げられるルーベンスオーブ『マリー・ド・メディシスの生涯』連作四分の一にあたる6点作品描き入れたルーベンス描いたオーブは、古代ローマ皇帝領土権力意味した大地オーブ (orbis terrarum)」の暗喩で、フランス君主古代ローマ皇帝同等上の存在であることを示唆しているのであるまた、ルーベンスオーブ伝統的に持つ寓意確実に意識しており、大きな効果をこの作品与えている。本作以降連作描かれているマリーとその側近引き起こす出来事序章であるとともにマリーフランス摂政時代壮大な寓意満ちた政治的意図のもとで作品描かれていることを、このオーブ伝え役割果たしているのである

※この「『摂政委譲』」の解説は、「マリー・ド・メディシスの生涯」の解説の一部です。
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