「第二のオールロマンス事件」
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「オールロマンス事件」の記事における「「第二のオールロマンス事件」」の解説
1983年、京都市で3億円規模の同和行政公金不正支出事件(鳥居事件)が発覚した。事件の内容は、灘本昌久の要約によると以下の通りである。 この事件は、簡単に言うと、同和事業関係の土地買収を京都市が行なうにあたり、解放運動や暴力団の圧力により、適正価格より高い値段を強要されることが多かったため、担当幹部・職員が、架空の営業補償や立ち退き補償の書類を偽造して、その水増し分を不正な支払いにあてていたというものである。また作られた裏金は、土地買収関係だけでなく、運動団体幹部の買収や(京都府連副委員長の自宅購入費に二四〇〇万円が提供された)、同和向けの市営住宅家賃の値上げ分の補填、あるいは様々な運動団体の活動への助成金・補助金にあてられていたのであった。これらのことは、運動団体と行政の二人三脚で行なわれたことであり、運動団体にも責任がある。 改良事業室長らは起訴され、市議会も百条委員会を設置して真相究明に乗り出す事件に発展したが、部落解放同盟京都府連は執行部退陣も市民への謝罪もおこなわず、それどころか「第二のオールロマンス事件である」と言い張ってあべこべに京都市を糾弾した。この「第二のオールロマンス事件」なるスローガンは、部落解放同盟京都府連がブレーンの師岡佑行(京都部落史研究所所長)に入れ知恵されて提唱しはじめたものであったが、寺園敦史からは「意味不明」と批判されている。また、当時師岡の部下だった灘本昌久は このたびも、師岡氏の正常な判断なら、運動に反省を求めたはずなのだが、左翼思想に基づく行政「権力」に対する批判が災いしたのか、上記のようなとんでもないスローガンをさずけてしまった。しかし、言葉の魔術というのは恐ろしいもので、この「第二のオールロマンス事件」という的外れで一種のデマゴギー的スローガンが、責任逃れに腐心していた解放同盟に意外に大きな力をあたえ、行政が同和事業の費用をピンハネしたという、まったく事実と異なった事件像が運動の中では流布していく。 運動は我が身かわいさに、すべての責任を行政に押しつけて、逃亡をはかったわけである。 と批判している。しかしながら差別が許されるわけではない。
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