「建久弐年参月一日僧蓮生譲状」とは? わかりやすく解説

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「建久弐年参月一日僧蓮生譲状」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 09:46 UTC 版)

熊谷家真」の記事における「「建久弐年参月一日僧蓮生譲状」」の解説

熊谷四郎こと家真の存在を示す現存する唯一の文書建久2年3月1日1191年3月27日)に蓮生熊谷直実)が作成した下記譲状である。 「くまかやの四郎ニゆつり了、」(端裏書譲与 先祖相伝所領所 在 武蔵国大里郡熊谷郷内四至 東限源三郎東路 南限奴末南里際 西限岳境大道 北田境ヲ源次之前ノ路ヘ、 此外為真之壁内ヲ加、田弐拾町 佐谷田ノ境ニ付テ、右、件所領、依為子息、家真(「さねいゑ」)朝臣永年譲与実也、於代々証文者、嫡男直家朝臣為連券故、相副手文書譲渡也、但子孫之中不善出来、寄権門勢家他領者、停背兄弟骨肉之儀、随器可知行也、仍為向後証文勒状、以解、 建久年参月一地頭蓮生 花押 嫡子平直家 花押 次男実景 花押直実入道自筆」(押紙) — 「熊谷家文書第一文書 この文書直実自筆文書として、直実の子孫である安芸熊谷氏伝えられたものであるが、この文書について長年偽文書疑い付きまとっていた。 その理由として、以下の理由挙げられる。 この譲状宛先となっている「家真」という人物現存する熊谷氏系譜には現れない人物である。 『熊谷氏文書』には後人による竄入痕跡認められるものがあるが、本文書にも「さねいゑ」という竄入痕跡がある。 『吾妻鏡』には建久3年11月25日1192年12月31日)に熊谷直実源頼朝御前行われた義理伯父である久下直光との訴訟の席にて、梶原景時による訴訟の不正を疑って憤激してその場で髻を切って出奔しそのまま出家した事件記されているが、この文書ではその1年半以上も前に出家後の法名である「蓮生」を名乗っており、史実矛盾する。 以上の状況から、昭和12年1937年)に『大日本古文書』に『熊谷家文書』が所収された際にも「コノ文書原本ヲ検スルニ、当時ノモノニアラズ、但、鎌倉時代ヲ降ラザル時ノモノナルベシ」との按文が付けられた。なお、鎌倉時代降らないとされたのは、鎌倉時代中期安芸熊谷氏当主である熊谷直時弘長3年1263年)に作成した置文にこの譲状存在について触れているためである。 ところが、赤松俊秀は『大日本古文書』が出された後に京都清凉寺から直実自筆の「誓願状(置文)」・「夢記」が発見されていることを指摘した上で譲状花押夢記花押一致することを確認して現存譲状直実直筆譲状であると主張したが、学界で『吾妻鏡』・『大日本古文書』按文と対立する赤松説は疑問視されていた。その後林譲赤松説を再検証して同説追認した上でこれまで竄入疑い持たれていた「さねいゑ」の4文字について清凉寺誓願状・夢記記された「さ」「ね」「い」「ゑ」の4文字比較して両方文字合致することを指摘し、「さねいゑ」の4文字加えたのは誓願状・夢記筆者――熊谷直実本人断定して譲状本文直実直筆よるものみるべきであると結論付けた。これによって直実出家したのは、『吾妻鏡』伝え建久3年11月25日ではなく建久2年3月1日以前であると考えられるようになった

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