「建設」の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 23:06 UTC 版)
「建設」は、土木や建築に限らず、新たに作ることを意味した。1883年の『経国美談』での「高等裁判所を建設しある地なり」のように建築に用いた例もあるが、『公議所日誌』の「明治二年五月」の項の「自首律を建設し」のように土木・建築以外に用いられた例も知られている。なお、中国にも「建設」という語はあるが、中国では本来、土木や建築の意味はなく、白川静の著作によると「建」は国をたて都をつくる意味を持つ字で「設」は神前に誓う意味と指摘がある[要出典]。 明治に入り政府は太政官のもとに内務省を設置し、土木寮を置く。土木寮は土木局に改称され、第二次大戦後、内務省土木局は後に置かれた都市計画局と合併し国土局と再改称されていた。その後、内務省解体により国土局が独立して1948年(昭和23年)1月1日に発足した建設院(後の建設省。現・国土交通省の前身の一つ)が「建設」の付く名称を名乗った。 一方、民間では政府機関に先んじて、1946年(昭和21年)に大倉土木組が「建設」の語を採用して大成建設に改称している。同社では、「建設」という語は建築と土木の両方を表す新語として英語の"construction"から訳出したもので、同社が初めて社名に採用したとしている。 その後、「組」から「建設」への社名変更が盛んになり、続いて建設業、建設業界の表現も生まれた。この頃に「建設」に土木と建築を併せ持つ概念が定着。建設のつく名称・用語は、建設事業、建設工事、建設技術、建設法規、建設会社、建設部、建設事務所、建設マネジメント等へと広がった。例えば、月刊誌「建設物価」誌は1952年(昭和27年)に創刊されており、その発行元は1955年(昭和30年)に名称を建設物価調査会としている。
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