「化学調味料」と「うま味調味料」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 19:14 UTC 版)
「うま味調味料」の記事における「「化学調味料」と「うま味調味料」」の解説
「化学調味料」という呼称は、昭和30年代にNHKが商標を放送内で扱うことを回避する目的で(「味の素」が商標であるため)使用したのが最初といわれている。業界団体である日本うま味調味料協会自身、1960年代後半から1985年(昭和60年)まで「日本化学調味料工業協会」と名乗っていた。 しかし1980年代、グルメブームにおいて「化学調味料不使用」と謳う店が増えるなか、現在の日本うま味調味料協会は「化学」という言葉から連想される「化学合成食品である」とか「非自然由来食品である」といった負のイメージの転換を図るため「うま味調味料」という語を造り、その使用を提唱した。協会はこの理由を、味覚のひとつとしてのうま味が世界的に認められたこと、現在は天然原料による発酵法で製造されているため「化学」という語が製品の特性を正確に表していないとし、「化学調味料」よりも「うま味調味料」とした方が「料理にうま味を付与する」という製品の特性を良く表す、などとしている。 その後、1990年(平成2年)に日本標準商品分類(総務庁)が、1993年(平成5年)に計量法(通商産業省)が、2002年(平成14年)に日本標準産業分類(総務省)が「うま味調味料」の表記を採用した。現在では各種法令でもこちらの表記が使われている。報道においては、共同通信社『記者ハンドブック』、NHK『新用字用語辞典』などが「うま味調味料」の表記を採用している。辞書においては『大辞泉』増補・新装版が「化学調味料」、『大辞林』第2版と『広辞苑』第5版が「旨(うま)味調味料」を見出し語としている。 日本における加工食品の原材料名としては、調味料として「調味料(アミノ酸等)」などと表示される。それ以外の目的(栄養目的等)では「グルタミン酸ナトリウム」あるいは単に「グルタミン酸Na」と表記される場合が多い。
※この「「化学調味料」と「うま味調味料」」の解説は、「うま味調味料」の解説の一部です。
「「化学調味料」と「うま味調味料」」を含む「うま味調味料」の記事については、「うま味調味料」の概要を参照ください。
- 「化学調味料」と「うま味調味料」のページへのリンク