「募集停止」問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:25 UTC 版)
この確約が締結されたことにより、現棟の補修は大きく進展すると期待された。ところが同年3月9日の団体交渉を最後に交渉はもたれなかった。さらに7月には吉田寮自治会および現棟の居住者に対して、現棟の耐震性に不安があることを理由に、新規入寮者募集を停止することと、順次新棟に転居していくことを要求し、同様の内容をホームページ上で公開した。 これに対して吉田寮自治会は、確約に反する行為であること、新規入寮者募集の停止は学生の福利厚生の縮小につながること、入寮募集の停止措置が大学が学生寮を廃寮に追い込むときの常套手段であること、吉田寮は数十年前から現棟の補修を要求してきたにもかかわらず大学は補修を行わず老朽化問題をさらに深刻化させたこと、などを理由に抗議した。同月29日、30日、吉田寮自治会は杉万副学長と交渉し、杉万副学長は「吉田寮自治会と一切の合意なく決定したことは確約違反であったことを認める」「入寮募集停止の通告は決定ではなく提案にすぎない」「今後は入寮募集停止提案の撤回を目指した団体交渉を行う」等の確約を結んだが、以後も団体交渉は行われず、杉万副学長は10月1日付で体調不良を理由に辞任した。 杉万副学長の後任の川添信介副学長は吉田寮自治会との団体交渉を拒否し、「少人数の寮生代表者とのみ話し合う」という新たな方針を打ち出した。吉田寮自治会は話し合いに一方的な条件を付けるのは確約に違反すると抗議したが、川添副学長の姿勢は変わらなかった。その後も京都大学は入寮募集の停止を繰り返し要求し、吉田寮は抗議しつつ入寮募集を続けた。この状態が2017年末まで続いた。
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