《湯湯婆》の正しい読み方
「湯湯婆」の正しい読み方
「湯湯婆」は「ゆたんぽ」と読む。「湯(ゆ)+湯婆(たんぽ)」という構成の語彙である。ぱっと見「湯婆婆(ゆばーば)」と間違えやすい。むろん湯湯婆も「ゆゆばあ」などとは読まない。「湯湯婆」の意味解説
「湯湯婆」は就寝時に暖を取る目的で用いる暖房器具である。金属や陶器、樹脂などで作られた容器に温水を入れ、注入口を密閉して布団の中に入れる。温水の熱が湯湯婆を通して布団に伝わり、就寝の際にはその熱で暖かく感じる。また、体に直接触れて暖を取る方法もあるが、容器の材質や温水の温度によっては火傷のおそれもあるため、使用時は注意しなければならない。湯湯婆は温水を入れるだけの簡単な構造なので扱いやすく、電気や燃料を消費しないことから安価な暖房器具として普及した。また、就寝時に用いる暖房器具の代名詞として扱われることも多く、電気行火などお湯を使わない物でも「湯湯婆」と表現することがある。なぜ「湯湯婆」と読むのか・理由
「湯湯婆」と書いて「ゆたんぽ」と読むのは、中国での呼称である「たんぽ」に「ゆ」を加えたためである。「湯湯婆」は中国で作られたのが最初とされ、当時は「湯婆」と表記して「たんぽ」と称していた。中国語の「湯」は「暖かい」、「婆」は「妻」「母」の意味があり、直訳すると「妻の温もり」「母の温もり」となる。古代の中国では寒い夜に妻や母親を抱きしめて暖を取る風習があり、「湯婆」は妻などの代替として使われていたのである。「湯湯婆」は室町時代に日本へ伝わったが、中国語表記の「湯婆」では意味が伝わらないため、「湯」を加えて「湯湯婆」と記すようになった。「湯湯婆」の類語・用例・例文
「湯湯婆」の類語には「行火」「懐炉」などがある。それぞれ「あんか」「かいろ」と読み、いずれも人体を暖めるために用いる暖房器具だ。「行火」は手や足など体の一部分を暖める物で、「懐炉」は名前の通り、懐に入れて使う物である。「行火」は「湯湯婆」と同様の配置型であり、使い方も似ているが炭などの火種を用いることから布団の中に入れる使い方には適していない。「懐炉」は名前が示す通り、発熱している懐炉を懐に入れるのが正しい使い方だ。「懐炉」の言葉が作られた当時、「懐炉」は化学発熱体や蓄熱材の性質を利用して暖を取るのが主な使い方だった。「行火」とは異なり火は使わないため、布団の中で使っても火災の危険はほとんどなかったのである。例文としては「祖父が愛用していた行火を見つけた」「懐炉を人数分用意する」などがある。
「湯湯婆」の英語用例・例文
「湯湯婆」の英語表記は「hot water bottle」である。外国の湯湯婆は瓶に似た形状なので「bottle」の名称が用いられた。例文としては「子供用の湯湯婆」を英文に直した「hot water bottle for children」がある。- 《湯湯婆》の正しい読み方のページへのリンク