ローゼル ローゼルの概要

ローゼル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/05 15:35 UTC 版)

ローゼル
ローゼル
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類II eurosids II
: アオイ目 Malvales
: アオイ科 Malvaceae
亜科 : アオイ亜科 Malvoideae
: フヨウ連 Hibisceae
: フヨウ属 Hibiscus
: ローゼル H. sabdariffa
学名
Hibiscus sabdariffa L. (1753)[1]
和名
ローゼルソウ
ローゼリソウ
英名
Roselle
Jamaica red sorrel
Indian red sorrel
jelly okra

分布

西アフリカ原産という説や、インドからマレーシアにかけた地域が原産という説など諸説がある[2]奴隷貿易が盛んになった17世紀に、オクラとともに西インド諸島中南米で栽培が行われるようになり、世界各地の熱帯地方に分布している[2]

特徴

高さ2 - 3メートル (m) に育つ低木。は滑らかな表皮をもち、赤紫色である。花はクリーム色葉腋に単生し、短日植物で、9 - 11月ごろに開花する。は肥厚して赤く熟す。花弁の基部は暗赤色。葉は楕円形または3深裂し、互生する。

利用

萼と苞の肥大した部分は、酸味があって生食できる[3]。その他にジャムゼリーハーブティー清涼飲料など様々なことに利用される[3]。また、野菜として、からは繊維として利用される。ミャンマーでは「チンバウン」とよばれ、葉を炒め物やスープにする。ビタミンCクエン酸を含んでいる[3]

ハイビスカス・ティー

ハイビスカス・ティー

ローゼルは、 花や果実(正確には肥大した萼と苞)をハーブティー、「ハイビスカス・ティー」に利用する。 ハイビスカス・ティーは赤く、クエン酸などの植物酸が豊富で酸味がある。さわやかな嗜好飲料として、ビタミンCペクチンなどが豊富なため風邪咽頭痛の薬としても使用されている[2]。また、利尿作用や穏やかな下剤としての作用などからダイエット効果を謳った使用法や商品もある。

エジプトではカルカデ(كركديه, Karkadē(h), カルカデー)、メキシコでは冷やしたものをアグア・デ・ハマイカ(Agua de Jamaica)と呼ぶ。西アフリカの国々では、濃く煮出して砂糖を入れ、ビニール袋に詰めて凍らせたハイビスカスティーが売られており[4]セネガルブルキナファソコートジボワールなどではビサップ(Bissap)、ガーナナイジェリアではソボロ(Sobolo)とよばれる。

他のハーブとブレンドされることも多く、特にローズヒップとのブレンドは互いの成分による相乗効果が期待される。

その他

ブラジルの日系人社会ではローゼルの塩漬けが「花梅」と呼ばれ、作り方は梅干しとほぼ同じである[5]

「洛神花」という生薬としても利用されている。

ギャラリー


  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Hibiscus sabdariffa L. ローゼルソウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年2月4日閲覧。
  2. ^ a b c d ジョンソン et al. 2014, pp. 126–129.
  3. ^ a b c 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日、215頁。ISBN 978-4-415-30997-2
  4. ^ ハイビスカスティー - アフリカンスクエアー
  5. ^ Hanaume: uma criação da culinária nipo-brasileira” (ポルトガル語). Hashitag (2013年11月12日). 2021年1月11日閲覧。


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