銀鳳騎士団系統
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諸元テレスターレTELLESTARLE所属 ライヒアラ騎操士学園 生産形態 試作機 全高 9.8m 重量 18.9t フレーム インナースケルトン 武装 長剣斧槍盾補助腕及び背面武装「炎の槍(カルバリン)」 搭乗者 エドガー・C・ブランシュディートリヒ・クーニッツヘルヴィ・オーバーリケルヒルト・ヒエタカンナスシェニエバッカス テレスターレ エルが中心となって改良を行った新型機のプロトタイプ。素体としてはベヘモス事変で大破した実習機のサロドレアが使われているが、既存の機体とは基本構造からして異なっているため、パーツの共有率は二割にも満たない。一号機はトランドオーケスがベース。カラーリングはカーキ。アニメ版ではヘルヴィ機(一号機)のみ腰背部の蓄魔力式装甲などが赤く塗られている。 綱型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)の採用で出力が従来機の1.5倍、筋肉の耐久性に至っては10倍に上昇し、補助腕(サブアーム)を用いた背面武装(バックウエポン)システムの追加により攻撃力が強化されている。その一方で、向上した出力と魔力を食うデバイスが増えたことで連続稼働時間が半分ほどにまで低下。魔力貯蔵に特化した板状結晶筋肉の採用である程度は対応したものの、機体重量増等の問題もあり完全な解決には至っていない。 他にも、操作系の調整を後回しにしたため出力に振り回されて安定しない劣悪な操縦性と化しており、大きな課題として残されていた。最新鋭機開発のために国機研に開発が移譲された際に、これ幸いとこの課題は丸投げされた。 綱型結晶筋肉と背面武装を用いた機体群の原点であり、後に他国の機体でもこの形式のものは東方様式(イースタン・モード)と呼称されるようになる。 カルダトアベース・テレスターレ 国から新たに給与されたカルダトアをテレスターレ仕様に改修した機体。 エドガー機とエル機が登場し、カルダトア・ダーシュとの御前試合でディートリヒのグゥエール改、双子のツェンドルグと共に模擬戦に臨んだ。 エル機、エドガー機共にアニメ版では仕様が一部変更されている。エドガー機 アールカンバーから白一色の塗装と防御重視の装備構成を受け継ぎ、可動式追加装甲(フレキシブルコート)を試験運用するテレスターレ。 文庫版では機体名称については言及されておらず、単にテレスターレ(相手方からは「白の騎士」など)と呼ばれていた。 アニメ版では手持ちの盾を装備しておらず、グゥエール改に代わってライトニングフレイルを装備している。 諸元トイボックスTOYBOX所属 銀鳳騎士団 生産形態 実験機 フレーム インナースケルトン 武装 補助腕騎車3式装備 搭乗者 エルネスティ・エチェバルリア トイボックス エル機。元は魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)の実験失敗により大破したカルダトア。カラーリングはカルダトア時は緑で、テレスターレになってからは地の金属そのままの鋼色(文庫版)。アニメ版は青。 修理されて以降も実験台として酷使され続け、一度はあまりにもガタが来たために、修理ついでに全面改修されテレスターレとなった。文庫版での登場時点では魔導噴流推進器の実験台となったカルダトアとの関連や機体名称は明かされておらず、「鋼色のテレスターレ」と呼称されていた。アニメ版では御前試合の時点ですでにトイボックスと呼ばれている。魔導噴流推進器の仕様が大きく変更されている。 肩部と腰部に魔導噴流推進器を内蔵した可動式の装甲を有する(アニメ版では脚部や背部にも推進器が搭載されている)。この魔導噴流推進器は改良型であり、加速に際して機体が一歩踏み出すごとに小刻みに噴射することで消費魔力の軽減を実現している。可動式であることを活かし、噴射のベクトルを変更することで回避運動や制動にも利用可能だが、制動には長時間推進器を噴かさなければならず、結局のところ消費魔力の大きさは相変わらずである。 魔導噴流推進器に限らず、エルが思い付きで造った様々な装備品の実験台にされており、それを見た団員達から「エルの玩具箱(トイボックス)」という名を贈られ、正式にエルの専用騎として扱われることとなる。 機体の欠点たる燃費問題への対策として「炉(エーテルリアクタ)」を2つに増やす」という無茶な改造を行った結果、2つ目の炉を始めとする後付け部分が騎体構造に余計な負荷を与えており、強化魔法に回す魔力が増大してしまっている。それでも魔力供給量は増加したため、燃費問題はある程度の解決を見たが、機体バランスの悪化などを考慮すると全体的な性能はテレスターレを下回っている。 立ち位置としてはイカルガが完成するまでの繋ぎの機体であり、戦場に出たのは女皇殻獣(クイーンシェルケース)との戦闘のみである。 諸元イカルガIKARUGA所属 銀鳳騎士団 生産形態 ワンオフ機(建造数二騎) 全高 11.2m 重量 21.6t 装甲材質 キャパシティフレーム フレーム インナースケルトン 動力源 女皇之冠(クイーンズコロネット)皇之心臓(ベヘモス・ハート) 推進機関 魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)降下用追加装甲(ヘイローコート 二代目のみ) 武装 銃装剣(ソーデッドカノン)斧槍(ハルバード)執月之手(ラーフフィスト) 搭乗者 エルネスティ・エチェバルリア カササギKASASAGI分類 シルエットナイト 所属 銀鳳騎士団 生産形態 急造機 全高 7.5m 重量 13.4t 装甲材質 キャパシティフレーム フレーム インナースケルトン 動力源 女皇之冠(クイーンズコロネット)皇之心臓(ベヘモス・ハート) 推進機関 開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ)魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ) 武装 連射式魔導兵装(スナイドル)可動式追加装甲(フレキシブルコート) 搭乗者 エルネスティ・エチェバルリア マガツイカルガMAGATSU-IKARUGA分類 シルエットナイト 所属 銀鳳騎士団 生産形態 急造機 全高 12.4m 重量 35.0t 装甲材質 キャパシティフレーム フレーム インナースケルトン 動力源 女皇之冠(クイーンズコロネット)皇之心臓(ベヘモス・ハート)普及品級魔力転換炉×2 推進機関 開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ)魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ) 武装 銃装剣(ソーデッドカノン)執月之手(ラーフフィスト)嵐の衣(ストームコート)連射式魔導兵装(スナイドル)可動式追加装甲(フレキシブルコート) 搭乗者 エルネスティ・エチェバルリアアデルトルート・オルター(複座) イカルガ (斑鳩) 銀鳳騎士団団長となったエルネスティの専用機であり同騎士団の旗機。Web版と文庫版では魔力転換炉の仕様が若干異なるため、基本的には文庫版で記載する。 前世の記憶を保有する元日本人であるエルが設計したため、背中に四本の腕を持つ日本の鎧武者をかたどった外観をしている。顔には一般的な幻晶騎士と異なり怒りの形相を浮かべた人面をイメージした仮面が取付けられている。カラーリングは青と金。 二基の魔力転換炉を搭載できるよう金属内格からエルによって自身専用に設計された完全なオーダーメイド品。総建造数は二騎だが、初回建造した一騎がボキュース大森海にハードランディングして大破し、使用可能な部材・部品等はほとんどカササギ建造に投入されて失われた。後にボキュース大森海内で再建された二騎目のイカルガは、ほとんど銀鳳騎士団が本国より持ち込んだ丸一騎分の予備部品とシルフィアーネ(二世)から取り出した普及品級魔力転換炉二基で賄われており、この二騎のイカルガが同時に存在した事はない。 腹部に主転換炉である旅団級魔獣『女皇殻獣(クイーンシェルケース)』から作られた中型炉『女皇之冠(クイーンズコロネット)』を、背部に戦闘時に使用する師団級魔獣『陸皇亀(ベヘモス)』から作られた大型炉『皇之心臓(ベヘモス・ハート)』を搭載した複数動力機。 全身の装甲が蓄魔力式装甲であり、全方位に対応した可動式の『魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)』を各部に搭載。通常の双腕に加えて艤装された背中の四本の腕『執月之手(ラーフフィスト)』はワイヤーで射出可能であり、搭載された魔導噴流推進器により周囲を自在に旋回。その鋭い指先は強力な強化魔法により分厚い装甲すら容易に穿ち、敵内部に魔導噴流を解き放ち爆砕する。 通常の幻晶騎士の操縦桿だけでは機体各所の特殊な機器の全てを補えないため、前世より馴染み深いキーボードを模した操鍵盤も採用されている。その大出力を生かした異常な機動性と戦闘力を有する反面、機械的な制御が追い付かず操縦には直接制御が必須となっており、エルという生きた制御部が乗ることでしかまともに操れなくなっている。 専用武装である『銃装剣(ソーデッドカノン)』は、銃床を模した持ち手がついた肉厚の大剣のような外見をしている。要は幻晶騎士サイズのガンライクロッドで、剣の内部には紋章術式を刻んだ銀板が内蔵されており、剣としての用法のほか魔導兵装としても使用することができる。持ち手にあるレバーにより機能を切り替える。構造的に脆く格闘武器には向かない魔導兵装機能を剣という形に盛り込むために、強力な強化魔法術式も内蔵されており、格闘・法撃どちらにおいても多くの魔力を消費する極めて燃費の悪い武装になっている。これらの弊害として重量も嵩んでおり、イカルガのような大出力機でなければまともに扱うことすらできない。イカルガは、非自力飛行時等魔力に余裕がある場合は、この銃装剣六挺を六腕から斉射可能。 上記の仕様から「地上最強の戦闘能力を持つ、史上最高の欠陥機」とも呼ばれ、圧倒的な戦闘能力と外見から「鬼神」の異名で呼ばれる。 高空飛行に備えて操縦席与圧機能を実装していたが、戦闘中に初めて高空を飛行した時に判明した、高空の高分圧エーテルによる魔力転換炉(エーテルリアクタ)や人体への有害性のため、この時の高空飛行は短期で打ち切られた。 ボキュース大森海内での再建時には、大破回収されたシルフィアーネ(二世)から取り出した普及品級魔力転換炉双発仕様とし、源素浮揚器(エーテリックレビテータ)付き降下用追加装甲(ヘイローコート)と補助用の翼状装甲を増設して、魔力転換炉総主力が低下しても飛行能力を維持し続けた仕様で修復、アディの操縦で参戦した。 本国帰還後、普及品級魔力転換炉二基共取り外し、カササギから抜き取った女皇之冠(クイーンズコロネット)と皇之心臓(ベヘモス・ハート)を正規の位置に再艤装した。又、余りに物騒且つ機密保持と整備工数上への配慮より、アディと結婚したエルの新生クシェペルカ王国への新婚旅行にあたって、リオタムス王にイカルガの持ち込みが禁じられ、代わってカルディトーレの持ち込みは許可されたが、改造の禁止はされなかった為、カルディトーレ一騎が徹底改造されエル新婚旅行用カスタム騎に生まれ変わった。カササギ ボキューズ大森海で遭遇した穢れの獣(クレトヴァスティア)との戦闘で、胴体部分を残してほぼ全壊したイカルガを、雲からの救出時に墜落して大破したシルフィアーネの残骸や、地元で入手可能な魔獣素材、魔力を通す銀線神経の代わりになる木材『ホワイトミストー』で急造した特殊機体。機体名はカラス科の留鳥、カササギに因んで命名された。材料が足りないために上半身だけしかなく、魔獣素材の外装を纏った骸骨のような異様な見た目になっている。 急場でエルが思いついた、大気中に存在する薄いエーテルを一旦魔力転換炉に集めて纏まった魔力とし、更にそれを高濃度のエーテルに再変換して使用する開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ)を使い浮遊ができる。一方で燃費がとてつもなく悪いために大出力が必要であり、女皇之冠(クイーンズコロネット)(web版 では登場しない)と皇之心臓(ベヘモス・ハート)無しでは稼働できない。 大森海からの帰還後に解体。この機体で生み出された開放型源素浮揚器の技術は二つの流れに形を変え、簡易化されたものが空戦仕様機と近接戦仕様機の連動を可能とする新追加装備となり、開放型源素浮揚器をそのまま用いるのがシルフィアーネ方式となった。 マガツイカルガ ボキュース大森海に銀鳳騎士団が運んできた予備パーツ + シルフィアーネの魔力転換炉で再建されたイカルガとカササギがドッキングし、魔力転換炉の連結と魔力演算機を直結させた形態。 4基の転換炉による大出力に支えられて空を自在に舞い、大気系魔法の『嵐の衣(ストームコート)』を纏って酸の雲を跳ね返すために穢れの獣をものともしない力を見せた。Web版でエルは、所詮急場しのぎの形態であり、この先も使い続けるなら仕立て直す必要があると語っており、それを具現化したのがカササギの代わりとなるシルフィアーネ・カササギ三世(サード)・エンゲージ。 諸元ゴルドリーオGORDESLEO所属 フレメヴィーラ王国王室 生産形態 カスタム機 全高 10.5m 重量 19.5t フレーム インナースケルトン 武装 大剣魔導兵装「獣王轟咆(ブラストハウリング)」 搭乗者 エムリス・イェイエル・フレメヴィーラ 金獅子(ゴルドリーオ) エルネスティに直接依頼して製作されたエムリス専用騎。胸に獅子の貌の意匠を施された金色の鎧を纏う。カスタムベースはカルディトーレ。 エムリスの要望で出力に特化した性能となっており、パワー特化型のティラントーともまともに組み合える程の膂力を誇りつつ機動性も維持しているという、アルケローリクスにも劣らない機体性能を誇っている。王族用ということで装甲も厚め。 背面武装と両肩(アニメ版では両肩と膝)に装備された複数の魔導兵装を連動させて放つ「獣王轟咆(ブラストハウリング)」という必殺技が用意されており、多大な魔力消費と引き換えに幻晶騎士の体当たりにも耐える砦の門を一撃で吹き飛ばすほどの威力を発揮する。 銀虎(ジルバティーガ) 虎の意匠を施された銀色の鎧を纏うアンブロシウス専用騎。金獅子と銀虎の違いは外見だけで中身は全くの同一の兄弟騎である。 アンブロシウスはエムリスのような特段の要望をせずエルに一任したが、エルが用意したものは外見以外は同一の騎体であった。騎体争奪戦の末にエムリスに金獅子を譲ることになったアンブロシウスも、それを聞いて満足していた。
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