物語後半から結末まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 17:23 UTC 版)
「いとしのエリー (漫画)」の記事における「物語後半から結末まで」の解説
交通事故〜真名古の縁談 交通事故 「上野君!」と言いながら車道に飛び出した枝理子は横から走ってきた車に接触しフロントガラスに激突、車は電柱にぶつかり乗車していた人間も怪我を負う大事故となった。幸いスピードはさほど出ておらず身体に外傷は殆ど無かったが、フロントガラスに頭を強打した影響で昏睡状態に陥り面会謝絶となった。清水と隣野は事故の一部始終を目撃していたが後々の事を考え「上野」の言葉を聞いて車道に出たことは伏せた。このことを教えようと清水は京都の上野宅へ連絡を入れるが、そこにはすでに上野の姿はなかった。 上野、東京へ 枝理子が人形のように空を舞う夢で目が覚めた上野は気が気でなくなり、夜行バスで東京へ舞い戻る。そして以前下宿で世話になった五十嵐家の息子・慎二に事情を説明し初期資金を借り西荻にアパート住まいをすることになった。後日もう一度真意を確かめる為に枝理子のアパートを訪れるが、そこに偶然居合わせた大家から枝理子が交通事故に遭ったことと、再会した清水から枝理子が車道に出た理由を知り愕然とする。後日訪れた病院で、枝理子が意識を取り戻し対面は果たしたのだが、上野が誰なのか分らなくなっていた。その後の検査で家族は判るものの、高校赴任以降の記憶はすべて抜け落ちた、外傷性記憶喪失と判明する。上野は枝理子の真意が聞けなくなったことで東京へ出てきたことの意味を無くすが、一縷の望みをかけて留まることを決意、その後も枝理子の元を訪れるが記憶を取り戻す気配はなかった。 真名古の策略と母親の発見 その後真名古が病室を訪れたが、大学の同級生だったことは記憶していた。真名古が高校の事情を説明すると、枝理子と母から高校の生徒・上野が見舞いにきている話を聞き東京に舞い戻っていることを知る。そこで真名古は枝理子が記憶を取り戻す前に何もかも手中にしてしまおうと計略を練る。一方、今の状態だと一人住まいが出来ないと判断した枝理子は、アパートを一時引き払う事を決断する。そして片付けに訪れた母親がアパートで見たものは、男物のよれた下着と海岸で嬉しそうにしている娘と上野の写真だった。他にも今までのデートの写真が多数見つかり、娘と上野が交際しアパートに呼び込んでいたと結論づける。教え子との恋愛が周囲に漏れると大事になると思った母親は、上野と写っている写真をひとつ残らず紙袋にまとめ娘の目に入らないようにした。帰宅して康幸に学校で姉の妙な噂が立ってないか探るが、特に変わった事がないと聞きひとまずは安心したが、娘の過去は封印し、これ以上上野を近づけないようにしなければと決意する。 疑問 枝理子の退院直前、枝理子は病院の売店で上野と出会う。病院内での散歩の途中、上野がふいにキスをするが、記憶が戻っていない枝理子は当然上野を怒る。しかしキスされたことになぜか違和感を覚えないでいた。その後真名古の車で実家に帰ってきた枝理子は、荷物の整理の途中でアルバムを発見する。昔の写真を見て懐かしむ枝理子と真名古だったが、2年前の夏以降からアルバムに奇妙な空きが出てくるのを不思議に思う。そこへ上野が花束を持ってやってきたが、母親は玄関で足止めし「もう来ないで欲しい」と告げ、枝理子には「近所の人から」と偽って花束を渡す。 その後枝理子の両親から好感を得た真名古は、枝理子を連れ出して気分転換にドライブへ出かける。が、枝理子は途中で気分が悪くなってしまう。ホテルで休憩しながら重要な何かを思い出しそうな枝理子。真名古はそれを消し去るように、抱いた。そして真名古は「結婚しよう」と縁談を持ち掛け7年越しの恋を実らせようとする。 その夜、枝理子は遠くに見える炎と「結婚しよう」「エリー!」と呼ぶ男性の声で目が覚める。何かを思い出しそうで思い出せない、もどかしい気持ちの中で、そもそもなぜ自分が事故に遭ったのか、2年前から何があったのか疑問を抱くようになる。 婚約 ほぼ一日おきに枝理子と逢い、体を重ねあう真名古。しかし毎回の帰りの遅さに業を煮やした枝理子の両親は真名古と枝理子にどういうつもりか問いただす。しかし真名古はここぞとばかりに結婚を申し出る。大学でも一緒であり社会的にも安定した(特に上野と一緒にさせたくない母親は)真名古との結婚に大賛成し、その夜は“前祝い”となった。続けて真名古は九州から従妹の結婚式の為に東京に出てきた両親と枝理子を逢わせ縁談を着々と進めるが、当の枝理子はまるで他人事のようにその様子を見つめていた。果たしてこのまま結婚するべきなのか・・・ 母親と上野 数日枝理子と会えなくなっていた上野は思いが募り枝理子の家までやってきた。雨が降る中どう会おうかと考えあぐねていると帰宅途中のヤン坊と会い、連れられて家の中に入ることに成功した。ヤン坊の好意で服を乾かす間、久々に枝理子と再会した上野。そこで以前送った花束が上野の名前で届いていないことが判明し、母親が二人の交際を知っているのではと感じる。後日上野は再度自宅に行き、母親と話をつけようとする。そこで母親が上野に見せたのは、枝理子に見せないようにした“あの頃の写真”だった。「あなたでは娘を幸せに出来ない」引き離そうとする母親に上野は枝理子が車道に飛び出した理由を話し、二人の時計をもう一度動かしたいと願い出るが、その願いは母親には逆効果となり、真名古と早く婚約することを願うようになる。家を出た上野はそのまま枝理子を待ち続け、持ってきていた花束を直接渡して二人で会う約束をとりつける。 真実は? 約束の日、上野は深夜まで起きて飲酒していたのが響き風邪をひいていしまう。どうしても連絡を取りたい上野は前田耕陽の偽名で電話をかけ、串田に会う日をずらすようにお願いする。次の日、枝理子は国生さゆりの偽名で上野のアパートを訪れた。風邪の介抱や料理など一通り看病してもらい、安らかに眠る上野。ふと、枝理子は感じる。前にもこうやって誰かの寝顔を見ていたような・・・後日、調子の上がってきた上野と学校への復帰について話をする。しかし三田町高に戻ると(真名古と)結婚して同じ職場では・・・と枝理子がつぶやいた瞬間、激情にかられて上野は手をあげてしまう。「京都でのあのプロポーズの約束は?!」激怒する上野はプロポーズの発言に納得のできない枝理子に、母親が自分達の過去の証拠である“あの写真”を隠している事を告げる。枝理子は動揺する、なぜ自分が高校生の上野と付き合っていたのか?本当にプロポーズを受けた?それがなぜ京都?母親が色々隠している?混乱した枝理子は、自宅に帰ると母親の部屋で上野の言う写真を探し始めた。しかしどこを探しても写真は見当たらず、諦めた枝理子は自分の部屋に戻ってしまう。私はいったいどうしたらいいのか・・・ 引き離される二人 頭の中が混乱している枝理子の家へ、真名古が訪れた。しかし枝理子は一人にしておいてくれという。枝理子の変化に疑問を持った母親と真名古の前に、病状が悪化した上野が現れる。もう1度枝理子に話を聴いて欲しいと懇願する上野と、その話を聴こうと階下に降りようとする枝理子。しかし母親は枝理子を制し、真名古に上野を家から連れ出してくれと願い出る。引き離される上野と枝理子。しかし母親と真名古の行為は、暗に二人の以前の仲を認めてしまっていた。真名古は連れ出した上野と話をしようとするが、上野は肺炎の一歩手前で意識不明になっていた。 学校へ 東京を離れていたとはいえ自分の受け持ちであった上野を見放す事はできず、真名古は自宅で上野を介抱する。一方枝理子は母親の眼を盗んで上野のアパートを訪れるが上野は帰ってきていなかった。真名古の家で介抱されているのを知らず、枝理子は上野の部屋で一人、昨日の事を反芻する。もしや真名古は上野と自分の過去を知っていながら、私を抱いた?・・・上野に全てを説明してもらおうと、部屋を整頓しながら日暮まで待ち続けた。 次の日もアパートを訪れたが上野はまだ帰ってきていない。また一人で時間をつぶし、手持ち無沙汰に清水たちが拾ってきたミニテレビを点けると、やっていたのは英語講座だった。テレビに合わせて英語を喋っていると一瞬、教室に自分が立っている情景がフラッシュバックする。自分が高校にいたのを感じ、いてもたっても居られなくなった枝理子は自然に三田町高校へ辿り着く。残っていた生徒達に連れられて教室に入り、教科書を借りて懐かしむように壇上でひとり授業を始めると、「上野くん」と生徒を指す言葉が出てきた。そこで確信する、私も上野もここに確かに居たのだと。そして、学校に戻ろうと決心する。 決意 意識が回復した上野は真名古にお礼を言い、アパートに戻ると枝理子が待っていた。真名古宅にいた事情を話し、手をあげた事を謝罪する上野。しかし枝理子は手をあげられたことが結婚前で良かったといい、昔の事がはっきりするまでは真名古との婚約を白紙に戻すこと、学校で上野の存在を感じた事、そして学校に復帰することを告げた。感激した上野は“どんなに時間がかかってもエリーを信じて心が戻るのを待ってるから”と真っ直ぐな眼差しで枝理子の手を取った。 自宅へ戻った枝理子は、学校への復帰を提案する。母親は大反対したが、学校で監視が出来るヤン坊と気分転換になるという父親の賛成で復職が決まった。学校へ行くと今まで色々と考え過ぎていたことが嘘のように晴れやかに授業を進める枝理子だったが、逆に真名古は自分から離れていきそうな枝理子の思案と、上野からうつされた風邪で意気消沈していた。しかも自分に何も相談せず復職するとは・・・そして教務室で枝理子が婚約の解消を持ち出そうとするものの、体調が良くなってからにしてくれと言ってその場から逃げた。しかし、まだ終わったわけではない、まだチャンスがあると思い直し、真名古は最後の詰めに出る。 婚約破棄 風邪が治りかけた真名古は重要な話がある、と枝理子を食事に誘う。枝理子は婚約の破棄を打ち出そうとその誘いを受ける。三田町駅で枝理子と待ち合わせしていた上野は、偶然食事に出かける真名古と枝理子を発見し青山まで後をつける。さながらカップルの様にレストランに入る枝理子と真名古、しかし上野は高級そうな外観の為入れずにいた。二人で何を話しているのか気にはなったが、枝理子を信じ外で様子を見守ることにした。 レストランの中で真名古は九州の両親を枝理子の両親に合わせたいと話を切り出す。しかし枝理子は確信は持てないものの上野からの過去の説明と、それを知りながら策に走った真名古の態度から婚約は破棄したいと願い出る。真名古は畳み掛けるように枝理子の今の気持ちを問いただす。教え子の上野と恋愛していたと思われる過去、社会的立場、それは確かに記憶のない枝理子からすれば人生を危うくするものだが、気持ちのはっきりしない今ではそれは“過去のもの”であり、今から関係を築けば良いから婚約は破棄出来ないと詰め寄る真名古。「ずっと枝理子のことを思ってここまできたのに、いつまで待てばいいんだ…」 真名古のその言葉を聞きいた枝理子は“どんなに時間がかかってもエリーを信じて心が戻るのを待ってるから”という上野の言葉と眼差しを思い出しはっとする。周りが無きものにしようとする本当の真実、上野が枝理子を思う真実その1つさえあれば、他には何も怖いことはない!枝理子は立ち上がって真名古に謝罪するとその場から駆け去った。 フラッシュバック レストランから飛び出した枝理子を追いかけ、問い詰めたことを謝罪した真名古は、もう一度彼女を捕まえたいが為にキスをした。その様子を横断歩道の反対側で見ていた上野はたまらず「エリー!」と叫ぶ。その声を聞き、雑踏の中に上野を発見した枝理子。上野を京都へ向かわせ、自身の心の穴を埋められぬまま街中を彷徨い、そして雑踏の向こうから聞こえた「上野!」の声に反応し無我夢中で声のした方向へ駆けていった、あの瞬間がフラッシュバックする。 青信号になり、横断歩道の真ん中に駆け寄り抱き合う二人。そこで出た枝理子の言葉は「京都へは行かなかったのね!」だった。京都に行く上野を清水と隣野が見送りに行ったのでは?そう問いかける枝理子に記憶を取り戻したと確信した上野は感激の雄叫びを上げる。真名古はとりあえず横断歩道の真ん中に抱擁したままの二人を歩道まで誘導した。 何が起こっているのか分らない枝理子に、青山に来ていることを告げる上野とさっきまで婚約の話しをしていたことを話す真名古だったが、枝理子は婚約が何の事か分らない。上野は真名古に、枝理子の記憶が戻っていることを告げると、2人でその場を去った。真名古は落胆する。あとちょっとだったのに、ほんの一瞬で立場が逆転するとは・・・ 記憶回復〜結末 家族の反応 枝理子の家への帰り道、上野は夢から覚めたような枝理子に記憶喪失中にあったことを話す。歩道に飛び出したこと、真名古との縁談、アパートの引き上げ。そして今までの自分のことを謝罪し記憶がまたなくなるのではと心配する上野に、枝理子は大丈夫だと言い自宅へ戻った。しかし二人の将来について語ったという真名古の言葉が頭から離ないまま、床に伏した。次の朝、ヤン坊の「親公認でほぼ毎日ヤれるからいいな」というコメントで、改めて真名古との縁談がそこまで進んでいたのかと驚愕する。記憶が戻ったことを知ったヤン坊は歓喜するが、逆に母親は憔悴し「あんな子連れてきて一緒になるんなんてあたしは認めない」「あんな高校生(こども)相手に」と詰めよる。母親が自分と上野のことを知っているのか?・・・とりあえず登校はし、記憶がなかった時の事を覚えていないので不安になった枝理子だったが、生徒の笑顔や真名古のアドバイスもありなんとかその日は凌いだ。 一方の上野はコンビニのアルバイトをクビになり、次の働き口を探していた。しかし復学したいという思いも少なからずあり、とりあえず清水たちに会おうとファストフード店を後にする。しかしその瞬間「上野くん!」と呼ぶ声が。振り返るとそこには今泉がいた。京都にいるとばかり思い込んでいた今泉は色々と詰問し今後の予定を聞くが、上野はやり残したことがあるから戻ってきたと説明し、用事があるのでまた連絡するといってその場から去った。 下校時間に合わせて三田町高の前で待ち伏せしていた上野は枝理子を発見し声をかけ、近くの喫茶店で待ち合わせをする。上野は母親がアパートの引き払い時に写真を発見し、それを見せられて上野が相手では幸福になれないと言われたと説明し、改めて真名古の絶大な信用に嫉妬した。枝理子はこれ以上母親とやりあいたくもない、一人暮らししたいと思ったところで、京都に全て引き払った筈の上野がどこに住んでいるか質問した。幸いすぐ近くだったので、上野はアパートに枝理子を案内した。以前何度も枝理子が訪れていた場所ではあったのだが。 あなただけ 必要最低限のものしかない上野の部屋で、小さい電気ストーブに当たりながらコーヒーを飲んでいたがやはり寒い。上野はコタツ代わりに布団を持ち出して、壁によりかかり二人毛布に包まった。上野がずっと欠席になっていた事を把握していた枝理子は、この先どうするのか問いかける。大検を受けるのか、それともこのまま働くのか・・・もし三田町高を退学するのなら、一人残るのは上野の両親に申し訳がたたないと枝理子は言い、二人で辞めて駆け落ちしてもいいと提案するが、答えのないまま時は過ぎる。そのうち枝理子は上野に寄りかかり「今日は帰らない」とつぶやく。そして「抱いて」と・・・次の朝、上野が起きると枝理子はすでに自宅へ戻っていた。起き上がって玄関の戸を見ると、枝理子のメモ書きが貼ってあった。「only you」と。 復学の決意 上野は直ぐに三田町高に真名古を訪ね、復学したいと今後の事を話し合う。とりあえず出席日数は足りそうだが今までの事から他の教師からの風当たりが強い。しかし上野は枝理子に迷惑は掛けられないし留年してでも絶対に卒業したいと願い出る。それを聞いて安心した真名古は復学の手続きに入り、上野の事が気がかりで居残りしていた枝理子に教えてあげた。後日上野からの連絡で母親が京都から学校に訪れ、校長に挨拶したことで学校に復帰し、決意を新たにした。夕方、上野は新幹線乗り場まで見送った母親に「卒業したら逢わせたい人がいる」と告げる。それに気づき母親が「今泉さんが・・・」と言いかけたところで列車は出発してしまった。以前別れた後に何も連絡しない上野に痺れを切らした今泉が、京都の母親に電話し上野の西荻のアパートの住所を聞いていたのだ。まさか卒業後に逢わせたいのは今泉では?卒業も不安なうちからそういう事を言う息子に不安が残ったが・・・ 今日子の目撃 母親の見送りから上野がアパートに帰ると、枝理子が勝手に入り夕食の準備をしていた。しかも京都からコタツがきており、枝理子もアパートにいた頃の暖房器具や家具・電化製品を母親の目を盗んで持ってきていた、そしてこれからの勉強の追い込みの為に来てあげるという。食事も終わり枝理子が帰ることになり、上野が送ると言うが時間も早いのでここでいいという枝理子は、ドアの前でお別れのキスをした。その瞬間ドアが開き、やっとのことで上野のアパートを探し出した今泉が現れた。うろたえる上野と枝理子に、今泉は京都の母親に住所を聞いてここに来た事を話し、その場から駆け出した。追いかけた上野はなんとか弁明するが、公表できない上野と枝理子の仲とはいえ、フラフラして煮え切らない態度の上野を追っていた今までの自分はなんだったのかと自問、叱責し悔しさを滲ませ、上野との別れを告げた。 次の日、今泉は寝不足で授業もうわの空だった。下校時に友人たちは別れているとも知らず上野との仲を囃し立てるが、夕べの事を思い出し急に友人たちの元から駆け出した。スキーでぶつかった時も、遊園地のベンチで膝枕してもらった時も、そしてキスされた時も、すでにあの二人は付き合っていた・・・夢中で駆けていたその時、デザイナーの卵・竹内と衝突する。その衝撃で落とした絵を拾うと、その中にウエディングドレスのデッサンが混じっていた。「卒業したらエリーと結婚するつもりでいる」上野の言葉を思い出した今泉は、竹内の見ている前で号泣した。 上野の復学 上野は進学を決意し、年末の期末試験に向けてラストスパートをかける。枝理子は家でのトラブルを避けるのと、上野のサポートの為になかば同棲のように上野のアパートを訪れた。試験が終わったクリスマスの夜、枝理子は道すがらクリスマスケーキを買ってアパートへ向かうが、途中で実家に電話をかけていた上野と遭遇する。その上野が手にしていたのは、枝理子と同じ店で買った全く同じケーキだった。1個は隣の部屋の住人にあげようとするが留守にしており、結局2人で1個と四分の一弱を食べて満腹になってしまう。二人で同じ店のケーキを買ってきた事を談笑するが、枝理子は「ひとつはウエディングケーキのケーキカットだと思えばいい」とつぶやいた。 年が明け、京都での正月気分もそこそこに勉強を始める上野。そして学年末試験も終わり、卒業判定会議となった。会議では担任の真名古が上野の事を指摘された。出席日数も足り、成績も上がったので問題ないと言うものの、他の教師から過去の成績や欠席、そして問題行動の多さを指摘され留年もやむを得ないという意見が出る。真名古もなんとか踏ん張っていたが、様子を見て堪りかねた枝理子が立ち上がり擁護に出る。緊迫する会議の中、最後に上野を遠くから見続けていた校長の一言で、上野の卒業が決定した。雪降るアパートの前で枝理子の報告を聞き喜ぶ二人。しかし、今までよりも大変なのはこれからだと・・・ ぼくらの結婚式 大学への進路も決まり、無事に卒業式を終えた上野。式の終わった校内で生徒たちから寄せ書きをねだられる枝理子の元に、今泉が現れた。「ある人の事で重要な話がある」といい、枝理子が卒業コンパに誘われているのも構わず竹内の車で連れ出した。 一方3年の教室では卒業生が集まり、以前から計画していた卒業コンパが始まろうとしていた。しかしなかなか枝理子が現れない。心配する上野達に同級生が“いつも校門にきていたショートカットの娘(今泉)がどこかに連れて行った”と話す。なんで今頃になって・・・焦って探しに出ようとする上野をなぜか清水が引き止めようとする。廊下で言い争いをするその二人の前に現れたのは、ウエディングドレスを纏った枝理子だった。実は事前にコンパの話を隣野から聴いていた今泉が、彼氏になった竹内に依頼し誂えていたという。なぜドレスを着ているのか分らないクラスメイト達に、清水が教壇で説明を始めた。 教壇に枝理子と上野を呼ぶと、1年生の頃から二人が付き合っていたことを皆に公表する。感嘆と罵倒で騒然とする教室。しかし今までの経緯を見守ってきた清水は二人の気持ちを理解し、門出を祝福しようと願い出る。騒然とした教室は祝福と拍手に変わり、清水を神父に見立ててそのまま結婚式に突入する。清水と隣野、そして今泉がコンパ計画時に裏で仕組んだ仕掛けだった。教会さながらに二人が誓いを立てた後、最後に清水は誓いのキスをしろと要求する。恥ずかしがる二人だったが、指輪がなくて格好がつかないからと押し付ける。そして皆の祝福を受けながら、誓いのキスを交わし二人はゴールインした。
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