洋上風力発電
風力発電のうち、海上に建設し、海面に吹く風を受けて発電する方式。洋上風力発電の比較的大規模な発電施設は「洋上ウィンドファーム」などと呼ばれる。
洋上風力発電は、陸上に発電機を設置する場合に比べて、強く安定した風を得やすい、また、陸上ほど土地が限られていないため、大規模なウィンドファームを建設できる、といった利点がある。北欧などでは既に大規模な洋上ウィンドファームが建設され、電力源として稼動している。
洋上ウィンドファームの設置方式としては、海底に据え付ける方式、海底に土台を設置して据え付ける底上げ方式、および、浮体に乗せて浮かべる方式などがある。北欧で実現されている洋上ウィンドファームは、浅瀬に据え付ける方式であり、浮体式の洋上ウィンドファームは、2011年11月現在、実証実験の段階にある。
経済産業省は、2011年3月の震災および原発事故で被災した福島県を中心とする東北地方の復興計画の一環として、洋上風力発電システムの建設計画を提案している。立地は福島県沖の洋上で、発電機は福岡市と九州大学が実証実験をしている「風レンズ風車」を採用することが想定されている。
関連サイト:
原子力災害からの再生・復興について(案)(PDF) - 東日本大震災復興対策本部
東北復興構想提案(PDF) - 内閣官房
ようじょう‐ふうりょくはつでん〔ヤウジヤウ‐〕【洋上風力発電】
洋上風力発電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/23 03:41 UTC 版)
洋上風力発電(ようじょうふうりょくはつでん) とは、主に海洋上における風力発電のこと。オフショア風力発電(Offshore wind power) と呼ばれることもある。単純に洋上風力とも。
- 1 洋上風力発電とは
- 2 洋上風力発電の概要
洋上風力発電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 10:10 UTC 版)
日本は領海や排他的経済水域などが広いため、洋上風力発電に期待が向けられている。 また、水深が深い場所のために、独立行政法人海上技術安全研究所やIHIMUなどにおいて、浮体式の基礎を用いる方式も研究されている。沖合いでの洋上風力発電(沖合風力発電)については、電力の陸上への送電が困難であるため、発電した電気で水素を製造し、これを圧縮したり、有機ハイドライドに吸着させる等により輸送することが研究されており、これにより電力変動の問題も解決されることが期待されている[要出典]。また、科学技術政策研究所では、2002年3月に「深海洋上風力発電を利用するメタノール製造に関する提案」を発表しており、沖ノ鳥島周辺、三陸沖太平洋、北海道北西沖日本海などを有望海域として、日本の全エネルギー需要を賄えるほどの大規模なシステムなどを提唱し、その経済性等の試算を行い、実用化が可能であるとしている。
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洋上風力発電
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ドイツにおいて洋上風力発電は大きな可能性がある。海上での風速は陸用よりも70〜100%も早く、より変化が少ない。現在、海上風力の潜在能力をフル活用して電気を生産する新世代の5MW以上の大型風力発電機の開発が進められており、プロトタイプが利用可能になっている。新技術が持つ初期の困難が克服されれば、費用対効果の高い洋上風力発電の運用が可能となると考えられている。 2009年7月15日、最初の洋上風力発電機の建設が完成した。この発電機は北海のアルファ・ヴェントス洋上風力発電所(英語版)の計12基の発電機の最初の1基であった。 2011年の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の後、ドイツ政府は特に洋上風力発電に焦点を当てた再生可能エネルギーの商業化加速を見込む新しい計画に取り組んでいる。計画では、大型の風力発電機が陸上よりもより恒常的に強い風が吹き、巨大な発電機でも住民を気にしないで済む海岸線から遠く離れた場所に建てられる。この計画はドイツの化石燃料や原子力由来の電力への依存を減らすことを狙っている。ドイツ政府は2020年までに7.6GW、2030年までに26GWの導入を計画している。 主な課題は北海で生産された電気を電力需要の大きいドイツ南部の工業地域に運ぶために十分な送電線容量がないことである。
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洋上風力発電
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2019年2月現在、イギリスに設置されている洋上風力発電の総容量は8,183MWであり、世界最大である。イギリスは2008年10月にデンマークを追い抜き、洋上風力発電の世界的リーダーになった。2013年、ケントの海岸沖に設置されたタービン175基のロンドンアレイ風力発電所が世界最大の洋上風力発電所になった。ただしこれは2018年にWalney 3 Extensionに抜かされた。 イギリスは、欧州の洋上風力発電全体の3分の1以上を占めると推定されており、これは現在の電力消費率で国の電力需要の3倍に相当する (2010年のピークとなる冬季需要は59.3GW 、夏には約45GWまで低減)。ある推計では、イギリス海域の水深25mより浅いところにある3分の1の風力タービンは平均で40GWを生成するとされ、深さ25-50mの水域にある3分の1のタービンは平均でさらに80GW、つまり合計120GWを生成するという。深さ700mまでの全水域における英国の洋上風力資源の理論的最大ポテンシャルの推定値は、平均電力で2200GWとされている。 イギリスの洋上風力発電の最初の開発は、現在廃止されている非化石燃料買取義務(NFFO)を経験して興ったもので、ブライス洋上発電所(en)とガンフリート・サンズ(en)という2つの風力発電所をもたらした。NFFOは1989年電力法の一部として導入され、英国の電力供給会社に非化石エネルギー源から特定量の電力を確保することを義務付けたもので、これがイギリスにおける再生可能エネルギーの商業開発の最初の拍車となった。 2010-11年に完了した洋上風力発電プロジェクトの均等化発電原価は136ポンド/MWhで、2012-14年に完了したプロジェクトでは131ポンド/MWhに、2012-14年に承認されたプロジェクトでは121ポンド/MWhに減少した。業界は、2020年に承認されたプロジェクトで100ポンド/MWhへのコストダウンになることを希望している。洋上風力発電所の建設価格が2012年から約3分の1下落する一方で、効率的な発電技術は向上しており、新世代のさらなる大型タービンが将来のコスト削減をさらに実現できるだろうと開発者は考えている 。 2017年、イギリスはヨーロッパの洋上風力発電所容量(3.15GW)の53%を建設した。
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洋上風力発電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 04:14 UTC 版)
「アメリカ合衆国の風力発電」の記事における「洋上風力発電」の解説
2012年現在[update]、アメリカ合衆国は洋上風力発電施設を保有していない。2009年6月、内務長官ケネス・リー・サラザールはニュージャージー州とデラウェア州の沖の外延大陸棚で風力発電のための5箇所の探索貸借契約を発行した。この貸借契約ではデータ収集活動が許可され、6マイル (9.7 km) - 18マイル (29 km)の外縁大陸棚(英語版)に気象塔の建設が認可される。さらに4箇所が検討されている。2011年2月7日、サラザールとスティーブン・チューは洋上風力発電を2020年に10 GWに、2030年に54 GWにするとした国家戦略を発表した。 アメリカは長い沿岸線の沖に強く、変動が少ない風が吹いており、非常に大きい沖合風力資源を持っているとされる。沖合風力は汚染が無い国内由来の自然資源であり、エネルギー、環境、経済における挑戦でアメリカを支えうるとされる。強健なアメリカの洋上風力産業は一万以上の雇用と10億ドルの経済活動を発生させる。これらの活動の多くは経済的に落ち込んだ港や造船所を後押しし、風力発電機の製造と取り付けに転換させている。欧州による研究では洋上風力発電所は陸上のものに比べ導入容量に対してより稼動するとされる。バージニア州の研究は3,200MWの洋上風力発電所の開発によって20年に渡り9,700-11,600の雇用を生み出し、588MWの洋上風力発電所導入によって発電機製造場所とは関係なく地元経済に4億300万ドル程度の投資を呼び起こすと示している。 洋上風力発電機は建設費用が高いことに加え、風車のサイズが大きく、海中・海底・海上のいずれかの送電線が必要となるため、建設に際しては陸上風力に比べより多くの費用が必要となる。洋上風力の容量のKWあたりの費用はDOEの試算で陸上風力の50%ほど多かった。 いくらかの沿岸住民は海洋生物や環境への影響、電気料金、景観、釣り・舟遊山などのマリンレクリエーションへの懸念から洋上風力に反対している。しかし、住民はまた電力料金の改善、空気の清浄化、雇用の創出のようなよい影響も例示して風力発電所に期待している。研究では初期の建設の擾乱の後には洋上風力発電所の基礎が人工環礁として機能することを示しており、魚介類に良い影響を与えるとされる。風力発電機は沿岸からある程度の距離をとって設置されるため、発電所の位置の慎重な策定によってマリンレクリエーションへの影響は軽減できる。 2011年、NRELは報告書としてアメリカの大規模洋上風力発電を発表し、この中で洋上風力産業の現状を分析して「アメリカ沿岸や五大湖での洋上風力資源の開発は国家を助ける」としている。 2030年に風力由来の電力20%を達成するために、風力発電は電力網に54GWの風力容量を供給可能であり、エネルギー安全保障の面に貢献し、大気や水質への汚染を低下させ、国内経済を刺激する。 風力は二酸化炭素を排出せず、沿岸の需要地にクリーンな電力を提供し、26州の沿岸沖で豊富な風が存在する 「製造業、建設、工学、運営、維持などに新しい経済活動として概算で2000億ドル、43,000人の高級技術職の恒久的需要」発生させ、製造業を再活性化させる. NRELの報告では「国内の沖合い風力資源の開発は多くの潜在的利益を掘り起こすことができ、かつ効果的な研究、政策、公約によって沖合風力は将来の米国電力市場で機関的役割を果たしうる」と結論付けている。 計画は東海岸、五大湖、西海岸などの風の強い地域で開発中である。2012年1月、強力な環境保護規制を盛り込みながら立地承認過程を促進するために設定された"Smart for the Start"という規制手法が導入された。この中で、アメリカ合衆国内務省は海岸沖に「風力地域」を承認しており、これらの地域では計画がより迅速な規制当局の承認過程を経て動くことができる。
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洋上風力発電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 02:20 UTC 版)
「en:List of offshore wind farms in China」も参照 2012年5月時点で中国には操業可能な洋上風力発電所が2箇所建設されていた。東海大橋の傍らに建設された上海東海大橋海上風電場(zh)は中国で初めての洋上風力発電の実証プロジェクトであった。建設開始は2009年4月で、2010年には試運転として上海万博へ電力を供給した。総額1億200万ドルに上る 華鋭風電製3 MW級タービン34基によって構成されていた。もう一方は龍源電力が江蘇省の潮間帯に建設したパイロットプラント、龍源江蘇如東150MW海上示範風電場(en)である。出力規模は150 MWで建設コストは5億人民元に上り、2012年から稼働可能となった。 中国は洋上風力発電の容量を2015年までに5 GWへ、さらに2030年までに30 GWへと引き上げる野心的な目標を設定した。しかし、開発は予想されたほど急速には進まなかった。2012年の終わりまでに導入された容量は389.6 MWに過ぎず、2015年の目標とは大きな開きがあった。2014年5月時点で総容量は565 MWであり、2015年になっても目標の1/5にも満たない900 MWにしか達しなかった。 洋上プロジェクトの開発が遅れた背景には、洋上発電を推進する国家能源局と、海洋開発および環境保全を管轄する国家海洋局との意見対立があったとされる。これら政府機関の間の調整は2014年半ばまでに終了し、国家能源局は2015年の終わりまでに新たな洋上プロジェクト44件に認可を与えた。これらの合計容量は2020年までに10 GWを突破すると見られている。そのうち最大のプロジェクトは、福建省の南日島(zh)に建設が進められている400 GWの洋上風力発電所である。2016年半ばには福建省莆田市平海湾に中国初の民間風力発電ファームを建設する計画が立ち上げられた。同年10月には国家海洋局が洋上発電所の建設に関する包括的なガイドラインを交付し、洋上風力発電の開発に弾みをつけた。 洋上風力発電開発が遅れたもう一つの要因は、国内タービンメーカーが洋上部門の経験を欠いていたことであった。これにより開発主体は海外製品を使用することを余儀なくされ、結果としてドイツのシーメンス社が中国における洋上風力タービンのサプライアーのトップとなった。2015年末、金風科技の総裁王海波は洋上風力発電のマーケットが有望であることを述べ、将来のシェア拡大を目指して5年間にわたって研究開発に注力する意向を示した。このほか、海洋開発に必要な巨大な投資とそれに伴うリスクが私企業への参入障害となっていることも問題とされている。
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