三省堂 大辞林 |
たいりく-だな 4 0 【大陸棚】
海洋基本計画用語集 |
大陸棚
沿岸国の大陸棚とは、当該沿岸国の領海を越える海面下の区域の海底及びその下であってその領土の自然の延長をたどって大陸縁辺部の外縁に至るまでのもの又は、大陸縁辺部の外縁が領海の幅を測定するための基線から200海里の距離まで延びていない場合には、当該沿岸国の領海を越える海面下の区域の海底及びその下であって当該基線から200海里の距離までのものをいう(同条約第76条1)。沿岸国は、領海の幅を測定するための基線から200海里を超える大陸棚の限界に関する情報を、衡平な地理的代表の原則に基づき国連海洋法条約附属書Ⅱに定めるところにより設置される大陸棚の限界に関する委員会に提出する。この委員会は、当該大陸棚の外側の限界の設定に関する事項について当該沿岸国に対し勧告を行う。沿岸国がその勧告に基づいて設定した大陸棚の限界は、最終的なものとし、かつ、拘束力を有する(国連海洋法条約第76条8)。沿岸国は、大陸棚を探査し及びその天然資源を開発するため、大陸棚に対して主権的権利を行使する(同条約第77条1)。
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大陸棚
読み方: たいりくだな
【英】: continental shelf
【英】: continental shelf
| 陸地を取り巻く平たんな棚状海底地形は 17 世紀から知られていたが、大陸棚という用語を確立したのは Mill(1888)と有名なチャレンジャー号探検航海後の Murray and Renard(1891)である。 以後大陸棚に与えられた多くの定義のうち、国際測地学・地球物理学連合(IUGG)主催の委員会で採択され、Wiseman and Ovey(1953)によって発表された次の定義が海底地形学上しばしば引用されている。すなわち“低潮線に始まり、深海に向かって著しい傾斜の増大が生ずる深さまでの大陸を取り巻く海底地域を大陸棚という。この傾斜が増大する場所は大陸棚外縁(shelf edge)と呼ばれ、慣習的に 100 ファゾム(183m)または 200m の所にとられる。しかし傾斜の急増は 200 ファゾム以上の水深でも、65 ファゾム以下の水深でも起こることがある。もし低潮線以深の海底地形が甚だしく不規則で典型的大陸棚よりも水深の大きい部分を包含するとき、この海底地域は大陸境界地(continental borderland)と呼ばれるのが適当である。”大陸棚外縁は Dietz and Menard(1951)に従い、shelf break と言い換えることもある。その世界における平均水深はほぼ 130m であるが、南極海では約 400m に達する。また大陸棚の幅員は平均 78km とされるが、北極海のごとく 400km を超えるところもある。大陸棚地形の最大の特徴は傾斜の緩い(1:1,000 以下)ことと、起伏の少ない(20m 以下)ことである。これは過去約 100 万年の間に世界的規模で海水準が上昇・低下を繰り返したことによる削剥{さくはく}(波食)と堆積{たいせき}の相乗的累積結果とみなされている。特に現在の大陸棚外縁は約 1 万 8,000 年前、すなわち最も氷河の発達した第四紀ビュルム氷期の海水準低下により形成されたといわれている。 大陸棚は世界の海底面積の約 7.5 %(27×106km2)を占めるが、海底石油資源量の約 65 %を保持すると推測され、石油探鉱上重要な地位を占める。以上自然科学上の大陸棚について説明したが、国際法上の大陸棚について以下に述べる。1958 年の大陸棚条約では、大陸棚は領海の外にある海底およびその地下で上部水域の水深が 200m までのもの、またはその限度を超える場合には上部水域の水深が天然資源の開発を可能にする限度までのものと定義した。“または”以下の文言を除けば前述の自然科学上の定義に近い。しかし、1982 年の国連海洋法条約では全く異質の定義が与えられた。すなわち“沿岸国の大陸棚とは、沿岸国の領海を越えてその領土の自然の延長をたどり、大陸縁辺部の外縁まで延びている海面下の区域の海底およびその地下または、大陸縁辺部の外縁が領海の幅を測定するための基線から 200 海里の距離まで延びていない場合には、当該基線から 200 海里までの海面下の区域の海底およびその地下をいう(第 76 条 1 項)。大陸縁辺部は、沿岸国の陸塊の海面下の延長部分から成るものとし、棚、斜面およびライズの海底およびその地下で構成される。ただし、大洋底およびその海洋海嶺{かいようかいれい}またはその地下を含まない(同 3 項)”と定義された。このように国際法上の大陸棚は自然科学上のそれと全く異なった概念になってしまったので、混乱を避けるため前者を“法的大陸棚(石和田, 1984)、legal continental shelf(Emery and Uchupi, 1984)”ということがある。 法的大陸棚は地学上の大陸縁辺部にほぼ対応するかに見えるが、大陸棚縁辺部の外縁が領海基線から 200 海里未満にあるときは、水深・地形・地質に全く関係なく海面上の距離である 200 海里までの海底とその地下を取り込む二元的性格となっている。これは排他的経済水域の海底を包摂するためにとられた処置と思われるが、このため太平洋型大陸縁辺部においては、常に水深 5,000m を超える海溝や深海底も国際法上沿岸国の大陸棚に含まれるおかしなことになり、多くの地質学者の反発を買った。さて、国連海洋法条約の大陸棚の定義は、本来沿岸国の管轄下にある海底と国際海底との境界を確定するためのものである。そこで領海基線から 200 海里を超える法的大陸棚と深海底(Area)との境界を人為的に決定するための方法と(制限)条件を詳しく規定している。境界線すなわち法的大陸棚の外限は、60 海里を超えない間隔にある定点を結ぶ直線群で規定されるが、それらの定点は、大陸斜面脚部からの最短距離の 1 %またはそれ以上の堆積岩層厚があるような点として選ばれる。堆積岩の層厚を用いなくても、大陸斜面脚部から 60 海里を超えない範囲で定点を設定しても差し支えない。このようにして引かれた外限も、領海基線から 350 海里を超えてはならず、または 2,500m 等水深線から 100 海里を超えてはいけない。この 2 種類の制限は沿岸国の選択に任されるが、等水深線を用いる方法は大陸縁辺部に属さない海嶺に対しては適用されず、“ 350 海里”制限のみが有効である。この意味は、例えば大西洋中央海れいやアフリカ西岸のウォービス海れいのような海洋性地殻から成る大洋中の海れいに適用すると、2,500m 等水深線プラス 100 海里制限は非常に大きな面積の法的大陸棚を与えることになるので、その防止のためなのである(図参照)。 国連海洋法条約では以上のごとく非常に難解かつ自然科学とは無縁の大陸棚の定義を下したが、その背景にある考えは、石油生成の可能性のある堆積岩体は原則としてすべて沿岸国の管轄権の下に置くことである。そのため一般に堆積層の厚いコンチネンタル・ライズを法的大陸棚に取り込んだわけで、大陸棚条約における“開発可能な水深まで”を最大限に取り入れたものといえよう。国連海洋法条約第VI部(大陸棚)を大陸棚条約に比較すると、大陸棚の定義の本質的変ぼう、200 海里を超える大陸棚の開発に対するレベニュー・シェアリング制度の新設および大陸棚の境界画定において中間線・等距離線原則が表現上消滅したことが顕著である。その他の沿岸国の権利、上部水域および上空の法的地位、海底電線および海底パイプライン敷設に関するすべての国の権利、などについてはほとんど変化はない。(→大陸縁辺部、コンチネンタル・ライズ、大陸斜面、排他的経済水域、海の境界画定、大陸棚条約) ![]() |
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大陸棚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/20 15:32 UTC 版)
大陸棚(たいりくだな)とは、大陸の周縁に分布するきわめて緩傾斜の海底で、傾斜の変換点をその外縁とする平らな棚状の地形をいう。
- ^ 日本の大陸棚申請、国連委が審理開始、産経ニュース、2009年9月12日。
- ^ 松葉真美「大陸棚と排他的経済水域の境界画定-判例紹介-」、国立国会図書館、レファレンス平成17年7月号、2008年6月15日閲覧。
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